レース動画分析⑨ 無料モニター 50mバタフライ
音声配信ではよりく詳しく解説しています。ダウンロードして聴いてみてください↓
短水路 50mバタフライ 女子選手
32:04(14:75, 17:29)
◯分析
ラップ比 前半対後半=1対1.17
ハイポ 前半3? 後半2, 3, 4
テンポ 前半0:95~1:15 後半1:00~1:15
ストローク数 前半9? 後半12
◯評価
ラップ比は、クロールなら1.10、バタフライなら1.15を目安としています。今回は1.17ですので「前半のラップが積極的」と言えます。しかし、50mレースには基本的に意図的なペース配分はないので、後半のテンポの落ち方からすると、無酸素系トレーニングや耐乳酸トレーニングの不足が考えられます。
ハイポは現状のままでも良さそうですが、1回ずつの息継ぎ動作を素早くすることは必要です。先ずは、キックのトレーニングのときに、止める・吐く・吸うのリズムをより具体的に決めていくと良いでしょう。
ジャンプトレーニングにより、スタートでの飛距離を伸ばして、現状のドルフィンキックの良さを生かせば、前半のストローク数が1回減り、後半のラップ短縮が期待できます。
◯対策
①無酸素系トレーニング 優先度★★★
25m8本40秒サイクル、1本目から全力。前半4本はプル、後半はスイムで。本数を追うごとにきつくなりますが、そこでいかにテンポを落とさずに泳ぎ切るかがポイントです。必要に応じて、入水幅や、ストローク軌道、力を入れるタイミングなどを変えながら対応しましょう。
②ジャンプトレーニング 優先度★★☆
正確にはプライオメトリクストレーニングと言います。
・関節の正常な可動域の確保
・体重に対する最低限度の筋力
・ヒップヒンジを中心とした正しいカラダの使い方
・無理のない段階的な負荷設定
などの条件をクリアしていないと怪我のリスクが高いので、管理できる指導者の元で行うのが望ましいです。
◯次回のレースの目標
100mバタフライでアドバイスした「フォームの改善」も共通する課題です。今回の「無酸素系トレーニング」「ジャンプトレーニング」もクリアできれば、50mレースで1秒の短縮も可能だと思います。
レポートは以上です。レースが近づくに連れてテーパーを実施し、トレーニングの強度や量の調節を行い、良いコンディションで臨めると良いですね。トレーニング負荷は「強度」「量」「頻度」「インターバル」などによって決まります。レースから逆算して、どの時期にどのトレーニングをどれぐらいの負荷で行うかという「区分け」も重要で、バタフライのような超スプリント種目は影響が大きいと感じます。今後は「テーパー」「ピーキング」「区分け」についても記事でご紹介できればと思います。本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
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