深夜の缶コーヒー

この頃不眠に悩んでいる。一睡もできないまま4日目に突入していて自分に呆れている。持病は薬でどうにかできるものでもなく。今いる場所がWiFi環境では無いこともありただ音楽を聴いて時間を潰すだけという苦行を受けている。家にいるなら眠れない間に何か別のことをして時間を潰せるはずが、ここでは何も出来やしない。それがどうにも勿体ないような気がして、また眠れやしないという。

これを書いている今は1時14分で、どうしようもなく暇な時間を凌ぐためにメモ帳に書き綴っている。丁度さっき缶コーヒーだけ買ってきた。眠れないことに悩んでいるのにカフェインたっぷりの缶コーヒー。本当はコーラでも買おうかと思ったのだけれど、自販機に大きい虫が張り付いていたから仕方なしに。どうせ買うなら…と面白みが欲しくなって、苦くて飲めもしないブラックを。

そして、ベッドに腰掛けてこれを書いている今。プルタブを開けて飲んだ無糖の缶コーヒーは案の定飲めるものではなく、ただ手のひらで暖を取る道具と成り果てている。どうしようもないからどうにかする気もない。コンビニにでも行けば良かったかもしれない。でもついさっき外に出た時に低速で走ってきたパトカーとすれ違って、何も悪いことなんてしてないのに怖くなったり。深夜帯は大好きだけど、こんなにどうしようもない時間を過ごしたい訳でもなくて。

目はまだはっきりと冴えている。4日目だというのに私の身体は私の気持ちと相反して元気なようで、ただ手の内の缶コーヒーが段々と冷めていくのを置いていかれるような気持ちで握っている。私は今日も眠れない。場所だけを変えて迎えたいつもと同じ夜なのに、嫌気が差すほど長ったらしく感じるこの夜をどうすることも出来ずに過ごしている。

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