ゴミ回収やシュレッダー作業をしたい(知的障害・発達障害のある社員のためのお仕事ライフハック)~ 総務からはじめる、障害者雇用ノウハウ ~
はじめに(チームより)
フローレンスは、親子を取り巻く社会課題の解決を目指しているNPOで、現在、約700名が所属しています。多様なメンバーの「働く」を支えているのがバックオフィス業務を主に担っている働き方革命事業部、通称「ハタカク」です。
ハタカクは人事、経理、法務、総務、といった業務で構成されていて、障害者雇用チームも含まれています。フローレンスの事業を裏で支えるハタカクメンバーの業務や仕事への思いをnoteに投稿しています。
認定NPO法人フローレンスの総務関連チームで障害者雇用のスタッフのサポートを担当しているジョブコーチ*1の和田です。自己紹介はこちら>>
知的障害・発達障害のある社員が持つ悩みに対して、本人やサポーターが今日から取り入れられる「ちょっとした、お仕事ライフハック」をご紹介しています。記事執筆の背景>>
▼本日のお悩み
「障害のある社員に、オフィス内のゴミ回収や、全社から集めた用紙をまとめてシュレッダーする作業を頼みたいのですが、どのような仕組みしたら良いですか?」
ライフハック①定常的にシュレッダー作業とゴミ回収を行う
フローレンスの障害者雇用チームでは、本部オフィスのゴミ箱のゴミを回収し、ゴミ置き場に持っていく業務と、不要となった書類を破棄するシュレッダー業務を1日1回、定常的に行っています。
シュレッダー業務は、各フロアにシュレッダー依頼ボックスを設置することで、本部のスタッフが簡単に不要書類を投函し、障害者雇用の社員がまとめてシュレッダーをかける仕組みです。
1人1人のスタッフがシュレッダーをする時間は微々たるものですが、「前の人がシュレッダーをしているのを待っている時間」「シュレッダーのゴミがいっぱいで動きが悪くなっているけど、ゴミ袋を替える時間ない…」というちょっとしたストレスが軽減されます。
障害者雇用スタッフが対応しているシュレッダーの枚数は、毎日100枚以上になることがほとんど。本部の社員は200人。1人につき1日おきのシュレッダーに3分かかるとして、1日300分の事務工数をお引き受けしていることになります。週、月、年でみたら、かなりの工数削減になるのではないでしょうか。
また、最近多いのが、ペーパーレス化による書類破棄です。他部署から作業依頼されるのですが、書類はシュレッダーし、書類が入っていたクリアファイルなどは会社の備品として再利用しています。
ライフハック②ペーパーレス対応には、PDF化から引き受けよう
ペーパーレス化の流れで、書類破棄することも増えてきたとお伝えしましたが、ただ書類を破棄するだけではなく、データは残しておく必要がある場合もあります。
そのようなケースでは、スキャンしてPDF化を行ってから、破棄までをセットで作業を引き受けています。大量のPDF化は単純作業ではありますが、根気のいる仕事です。一つの作業をもくもくと継続して行える障害のあるスタッフの能力を活かせる仕事でもあります。こういった依頼作業を増やすことで、事業部門の工数削減も叶います。
ライフハック③便利な道具に買い替えよう
以前まで使っていたシュレッダーが小型で、1日1回はシュレッダー屑のゴミ袋の交換が必要でした。また、1枚ずつシュレッダーしなければいけないものでしたので、シュレッダーに時間がかかりました。
そこで、シュレッダーを大型のものに買い替えをしました。1回10枚までシュレッダーへ投入可能ですし、3日ぐらいはゴミ袋を交換しなくて良くなり、工数削減が叶いました。
また、シュレッダーのゴミ袋を替える時に、普通のゴミ袋では静電気が発生し、シュレッダーの破片が飛び散り、飛び散ったものを掃除する手間がかかります。
そこで、静電気を抑制する加工がしてあるゴミ袋を探し購入したところ、飛び散る量が少なくなり、掃除する時間も少なくなりました。
シュレッダー作業そのものは単純作業で、比較的誰でも出来るものです。ですが、清掃業務をしたい_オフィス編で、道具選びが一番重要とお伝えしましたが、作業にかかるストレスは極力無くせるように、新しい道具に更新していくことも大切です。
最後に
シュレッダー作業と聞いて「いらなくなった紙をシュレダーするだけでしょ?」と思っていましたが、やることは多岐に渡り、奥が深く、障害者雇用の社員がシュレッダー作業を行うことによって、多くのスタッフの日々の業務が軽減されていく、とても重要な業務であると今は胸をはって言えます!
*1「ジョブコーチ」 企業に在籍し、同じ企業に雇用されている障害のある労働者が職場適応できるよう様々な支援を行う人を、企業在籍型ジョブコーチといいます。
執筆の背景
障害者雇用関連の情報は、採用・育成の事例やノウハウばかりで、採用した障害者雇用の社員に「どのような業務を、どうやってもらうのか」のノウハウが足りていません。
そこで、実務ノウハウや、障害者雇用チームの立ち上げ経緯などを公開することで、障害のある社員自身や総務担当者が、はじめの一歩を踏み出せるシリーズを立ち上げました
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