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脱・真夜中乙女戦争

「真夜中乙女戦争」、視聴完了。
「20代で得た知見」で有名なFさん。

<あらすじ>
大学で孤立する1人の私立男子大学生。
「かくれんぼ同窓会」で出会った先輩。
喫煙所にイタズラする謎の男、黒服。
「壊したいです。なにもかも。」
何の価値も見いだせない一授業3000円の講義も、経験人数を鼻にかける友人も、憎らしく光る東京タワーも。
壊した末に残るモノは幸福か、地獄か。


<ひとこと>
カメラワークが特徴的で逆さまになったり、回転したり、ぶれたり、心情変化を表していたのかな?
序盤の疾走感に惹きつけられて、深く考えずとも面白く観られる作品だが、徐々に後半になるにつれてあれ今どういうことだ?となる場面もあった。
まあとにかく主人公、先輩がこの物語の肝だ。
大学生はやっぱり、基本イタいと思います!
以下、私見をつらつら書きます。暇人はご覧あれ。

<主人公>
奨学金が入学当初からのしかかり、アルバイトと授業以外に勤しむ余裕がない。だけどもどちらも楽しいわけではなく、かといって生ぬるい同調圧力があるサークルに浸ることが出来るほど単純明快な性格でもない。自己嫌悪に陥るも、自己防衛のためにその責任の所在を社会に求める。
ざっとこんなペルソナが主人公から浮かんできた。

同情の余地がないわけではないが、なんだか同情したくない。
だけども共感できる部分もあって、イタい所を突かれる感じがしてうわーってなる。そんな大学生が多そう(ぼくもその一人なんだが)。

馴れ合いの集団を忌避していた主人公がフィットする集団を見つけ、次第に居心地の良い場所としてそこに頻繁に出入りするようになる。
嫌いなタイプにいつの間にか自分がなっていた。それに気付いた時もうやっぱりうわーってなるよね。
だからこそ、ひねくれた自分を捨てて環境に適応できた自分を素直に認めてあげたいよね。

<先輩>
何でもそつなくこなせて、コミュニケーションで浅く広く友人関係を築けて、でも親友と呼べる友達もいて、異性からもよく誘われて。いつの間にか大企業に就職できて、だけどなんだか寂しい時があって、それでも周囲に気配りするからメンヘラになんかなれなくて、いつまでも”良い自分”であろうとして。そんなわたしは優等生で。
これがぼくから観た先輩のペルソナ。

結構いるよね、こういう人!と叫びたくなった。
就活の集団面接でゴロゴロ出てくる、そして実際こういうタイプが強い。
ぼくは主人公タイプだから、うわーすごいなぁ、好きじゃないけど多分良い人だし、綺麗だし、嫌いになれないなーとか思いながら、もう喋る前から不戦敗(笑)。

多分周りが見えすぎるが故に、気を遣っているうちに、自分でも本音で喋っていないことに気付いていないこともありそうで。そこが最大の長所で短所だなーっと。
たまには毒にでも吐いてみれば?っと助言しておく。

<2人はなぜ惹かれ合ったか>
ルックスを抜きにしたら、やはり”寂しさ”という結論に至る。
主人公は、先輩の言葉の端々に漂う哀愁感をキャッチして、光の中の闇の片鱗に自信の闇(陰)を照らし合わせた。
先輩は、自身の抱える寂しさよりも大きな寂しさを抱えていそうな主人公を見つけて、寂しさを埋めてあげたくなったか、はたまた単に傷のなめ合いをしたかっただけか。
多分恋愛って、光の中の共通点より、闇の中の共通点に惹かれ合う部分が大きい気もする。大抵の場合、それは良い恋愛とは呼べる気はしないが。
寂しさを埋めてから恋愛しよう。ぼくはそう思います。

<結論>
この作品を観た後に、
「こんな時期もあったな(笑)」
と思えたならば、素敵な大人に一歩近づいた証かと。





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