親が無理をしないフランスの教育システム
フランス義務教育は、日本の幼稚園に相当する「Ecole maternelle」
が3年(2歳半から入学すると3年半、3歳から義務教育!)
小学校「Ecole primaire」が5年、中学校「College」が4年あります。
その後、高校「Lycee」3年、その後に大学やグランゼコールが続きます。
入学や行事の準備に親の負担が少ない
娘が3歳で幼稚園の年少さんに入学した時に驚いたのは
入学準備がほぼないこと!
入学前にノートなど必要な文具のリストがメールで届き
当日それを教室まで子供と一緒に届けるのみ。
ちょうどこの頃、日本に住む姪っ子も幼稚園に入園したのですが
バッグやコップ入れの袋等々、家族総出で制作していた(笑)
のと比べるとフランスの入園は本当にあっけないものでした。
これは幼稚園だけではなく、中学生になった今でも続いています。
学校指定品というものがほぼ無いので
家族の予算に応じてリストにあるものを買えばいいだけです。
さらに、入園・入学式、卒園・卒業式もありません。
当日、子供を先生に預けて帰る。っていつもと同じ(苦笑)。
ちょっと違うのは、大きい学年だと校庭で親子共々、
校長先生の挨拶を聞いて、子供が列になって教室に入るのを見ることができるってことでしょうか。
学芸会、運動会などもありません。
学校によっては、クリスマス会や学年末のお祭り(Kermesse)の時に
歌ったり、踊ったりする子供の姿をみることはできますが
「子供の成長を見て親が涙する」機会が本当に少ないのです。
と、残念な面もありますが、本当に良いなと思うのは
「子供の学校生活に関して親の負担が少ない」
ということです。
学校内完結型とでもいいましょうか
行事の準備もほぼ先生と生徒、希望する保護者のみ
親が用意するとしても簡単に買えるものとか
家にあるもの(ヨーグルトの容器とか)
だから、制作・発表レベルはビミョーに低レベルですが
別に誰も気にしていない。
夏休みの自由研究などもないので親は楽です。
その分、休みの時は親子で思いっきり楽しむ。
親によって格差ができてしまうシステムかもしれませんが
とにかく親の負担が少ないのはいいと思います。
運動会、学芸会、親子キャンプ、登山や
クラブ活動などがあったことなどなど
娘に私の小学校時代のことを話したのですが
「えー、なにそれおもしろそう」
と興味津々だったので
子供にとっては日本の小学校のほうがいいのでしょうが
その楽しい行事の裏には、土日・休日に準備や運営に頑張る
先生や親の努力があるからこそ成り立っているんですよねえ。
登校・下校時間は親が送り迎えができる時間
学校によって違いますが、
登校時間はだいたい8時~9時までの間が多いです。
下校時間は16時30分(中学校は始業時間によって遅いところも)。
高学年以降も、親の許可がある子以外は一人で帰ることはできず
親や祖父母、ベビーシッターなど届け出がでている大人(たまには兄弟)が門の前まで子供を迎えに行かなければなりません。
もちろん、皆16時30分で仕事を終了できるわけではないので
迎えがない子は学童で親が来るまで遊んだり宿題をします。
上で書いた行事同様
「親は共働き」
という前提で時間が組まれているので
働く側としては負担が少ないシステムです。
また会社側も「親が子供を迎えに行くのは当たり前」なので
16時30分に間に合う終業時間を考慮してくれるか
遅くても学童が終了する18時30分に間に合うようにし
母は朝、父は夜みたいに協力しあって
子供を育てる家庭が多いのがフランスの特徴でしょうか。
もちろん皆が皆できるわけではないので
ベビーシッターを雇う
祖父母に頼む
友人同士で助け合う
など、他の解決策を駆使して子育てをする家庭も多いです。
親同士が助け合う。親同士のコミュニケーションが大切
同じクラスのお友達や、保護者会などで知り合った親御さんが増えてくると送り迎えを分担したり、週末に行き来したり
親同士で助けることが増えてきます。
これがあるかないかで、親の負担も大きく変わるし
子供自身が社交上手な子になるかどうかも変わってくる(個人の意見)。
子供がいない頃は家に籠もるのが好きだった私達もがんばりましたよ。
誕生日にお呼ばれされたら基本参加。
親もお茶などを勧められて30分程おしゃべりするのが定番ですが
色々な話が飛び交い、部分的にしかわからない内容でも発言をし
「子供の成長をサポートすることに熱心な親」をアピール。
そして、こちらも誕生日には招待。などなど。
今を思うと、頑張ってたなーと思いますが
そのおかげか、娘も社交的な子に育ったし
最初は「ビミョーな外国人の母」だったかもしれませんが
今では、いざとなったら頼めるお友達もできて
結果オーライって感じです。
大人中心の社会とはいえ、子供の教育や習い事にも熱心なフランス。
でも、それを親だけが負担するのではなく
学校・会社・地域・家族や友人関係すべてが個人を尊重しつつ
それぞれサポートしあっているというのがいいなと思います。
「子は国の宝」
とは誰も言いませんが、
自然にそれができているフランスのシステムすごいと思います。
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