春色の汽車などない
コロナ禍がいったん終わったことになり、生活が少し前の形態に戻って久しい。
たまに、時間が戻ったかのような錯覚に陥ることがある。
肉体は確実に劣化し、年齢も増え、内面も内臓も渋みが出ているのに。
何もしていないのに若返ったかのような、社会がみんなで嘘をついているような錯覚。
全員で示し合わせた大きな芝居。
みんなで揃いのマスクを着けてウイルス対策をするロールプレイ。
劇に参加できない不良はマスクを外し、劇が終わってもまだお祭り気分の女子が教室に残ってマスクを着け続ける。
嘘が終