【日本の隠蔽体質は恥の文化から考】
「現在は地球村。自国の対応が良くないことが、他国へ影響する。」(原文: 現在是地球村。自己國家的事情處理不好也會影響到其他國家的。)
先日、台湾の方と思い切り議論してみた際の印象深かった言葉。仰る通りだ。
日本は多くの台湾人から心配されている。特に日本政府に対する信頼は相当下がっている。
その理由については、以下の記事が台湾人の友人の意見とほぼ同様で、世界からの評価として正しい。
https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyayukiko/20200319-00168178/
また、当初は相当混乱した韓国も、現状では体制を持ち直して上手く対応しているようだ。その経緯は以下の記事を参考にした。
https://note.com/yota811/n/n4dbd00602ab9
上記どちらの記事も、日本の隠蔽体質を指摘している。国内でも日本の隠蔽体質はモリカケ桜など、相当批判されるようになった。これは海外においても同じだ。
福島原発の時に政府は隠蔽した。今回もまた隠蔽しているのではないか。そんな不安が信頼を失っている要因だと思うのだ。
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この隠蔽体質はどこから来るのか。
それは「恥」の文化からだと思う。日本人の文化としては、「失敗」は「恥」であり、「恥」は受けるべきではないと固く信じている。
そして厄介なのは、「失敗=恥」を他人から直接指摘されると、面罵と受け止め、逆恨みする事にある。とにかく恥を受けたがらない。
受けない方法として、失敗を取り繕ったり、失敗していないとプロパガンダをはったり等の恥の緩和策をとる。「あの時出来る最善の行動だった」とか言う。失敗を失敗だったと言わない戦法だ。
「いいから見なかったことにしてくれ」「無かったことにしてくれ」「黙っておいてくれ」なのだ。
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何故そこまで「失敗=恥」を無かったことにして欲しいのか。それは、「恥」を受けたときに、必ずその恥を拭う必要があると考えるからだ。
汚名返上できるものならまだ良い。取り返しのつかない失敗を認めた(=恥を受けた)時、日本人は暴走する。勝ち目のない戦いに挑んで無茶な行為をするし、そうでない場合は自殺する。恥を拭えずに生きる事は死ぬことよりも辛いと考えている。
そして死ぬ際には、不忠不義のなかった事を示して自殺する。「失敗したくてしたんじゃないんだよ」「忠誠を尽くしたんだよ」「私は潔白だ」と示して死ぬ。
武士の時代なら、身の潔白を示すために切腹した。死罪に処せられるよりは自決を選んだ。白装束で身を清め、「腹の内に隠れたものはない」、すなわち二心のない事を示すために腹を切る自殺方法をとった。
さらに近現代においては、第二次世界大戦の折にも例がある。敗戦の8月15日未明には日本の陸相、陸軍大将、海軍軍令部次長などが自決した。追随して合計600人を超える陸海軍関係者が自決した。その信念とした国家神道という思想の破綻(=失敗)が、取り返しのつかないものになったから、恥を拭えずに自決した。これも、誰かに死刑を宣告されるよりは、自決の方が「潔い」と考えたのだと思う。
また「天皇陛下万歳」と言って、特攻したり自決した。破綻した思想にも関わらず、それに殉じた。
その思想が間違っていた、すなわち信じたものが「失敗」だったと認めるのは「恥」だから、最期まで忠義を尽くしたのだと思う。
殉じた個人の忠義をおもうと忍びないが、誤った思想に対する誠実の結果は自殺または自殺的行為だったわけだから、それを正しいとは私は思わない。
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「恥」を拭う行為は、清潔好きにも現れている。死ぬ間際でも「清潔」好きな日本人だ。風呂にも入る。そこには「恥=失敗=穢(けが)れ」の構図がある。日本のさまざまな文化がないまぜになって出来上がったものだと思う。
この恥の文化、そこから派生する各種現象は、そろそろ時代に併せて取捨選択していくべきだと思う。公衆衛生に見られる清潔さなどの良い面もあるが、取れない汚れを隠蔽する面は頂けない。
明治以降の国家神道的なくびきから、未だに日本人は脱出出来ていない。ジャパンアズナンバーワンではもう無いのだから、謙虚にアドバイスを容れる素養を持った方がいい。
そしてまた、思想から派生する文化を思う時、その根源たる思想の勝劣正邪をこそ、はっきりさせるべきだと思う。
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偉そうに日本の事を語りましたが、ここに書いたのはむしろ自分を表しているようで、私自身が恥を晒したようなもんです。「反省」なので、身を改めます。
オリンピックは延期。
関係各位のこれまでの苦労と期待と、これからの煩雑さを思えば、心中察して余りある思いがあります。
でも折角なら、世界中のみんなが心から楽しめるようになってからやりたいですね。
つらつら書いた私の複雑な気持ちを、日本で今流行っているLINEスタンプの名前でまとめます。
それではお聞きください。
「ぜんぶコロナのせい」
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