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花に癒される理由

「植物には人を癒す不思議な力がある」

そう明言をして、
花のある暮らしを推奨し、活動している私であるが、では果たしてその力とは、どんなものなのか。

私が考える、花と過ごす時間から得られる心理効果とは

〇見ることによる
 ときめき、感動、癒し
 つぼみが開花するまでの期待感、楽しみ、ワクワク感
 花の形状についての疑問、好奇心

〇触れることによる
 刺激、潤い、(トゲなどによる)痛み、柔らかさ、温もり、重量感

〇香りによる
 癒し、リフレッシュ、リラックス

〇作品を作ることによる
 集中、思考、想像力、満足感、達成感

などが挙げられる。

花に触れている間、人はとても多くの情報を同時に受け取っている。
更に掘り下げてみると、

視覚から
・花の姿をじっくり眺めることで、花びらの形状や質感を観察したり、
・似たような花を思い浮かべて、記憶や思い出を辿ってみたり、
・初めて見る美しい花にハッと心奪われたり、乙女のようにキュンとなることも。
・まだつぼみの花には、これから開く姿に期待をして、愛着を覚えたり、
・個性的な姿の花には、なぜこんな形なのだろうと疑問が沸き、好奇心を掻き立てられたりすることもある。

人は、可愛いものや美しいものを見たとき、幸せホルモンのオキシトシンや、癒しホルモンのセロトニンが分泌され、思いやりや助け合いの気持ちを育んだり、自分を労るための安らぎをご褒美と捉え、幸福感を得る。
花が人に与える効果は、この視覚によるところが大きい。

また、色彩も心にとても大きな影響を与えていて、同じ色の花を見ていても、そのときの心理状況で感じ方が変わる。
その時々に選んでいる色は人が本能的に求めているもので、
・安らぎたいときには、副交感神経の働きを高める青や緑などの寒色系を、
・活発になりたいときは、交感神経の働きを高める赤や黄の暖色系を、手に取ることが多い。

花の色は限りなく多く、組み合わせによって、自分らしさを大いに表現することもできる。
その時々の心のコンディションと季節感で、いくらでも楽しむことができ、自分らしさと向き合うきっかけになることもある。

触感から
触れたときの感覚でいえば、
・茎にとげがあって痛みを感じるものや、
・茎の切り口から液を出すもの、
・枝が細くて弱いものや、太くて堅いもの、
・葉の表と裏の色や質感が違うもの、
・起毛のあるもの、つるつるしているものなど、
植物には実に様々な感触があることを知る。
花の扱いに注意することは、生きているものへの配慮でもあり、優しさを育むことにも繋がる。

嗅覚から
香りは天然アロマそのもので、
芳香する花と共に過ごしているだけで
・精神が安定したり、活力を与えられたりして、自律神経を整えてくれる。
・また、脳の中の記憶を司る箇所(海馬)に直接働きかけるため、その花の香りを嗅いだ時、昔の思い出が蘇ったりすることも。

作品作りから
花を使ってアレンジメントを作ったり、ブーケを束ねることは、
・想像力と思考を働かせ、脳を活性化させている。
・花の特徴を見極め、生き生きと見える組み合わせや配置、配色を考えながら作業するうちに、あっという間に時が過ぎ、とても集中していたことに気付く。
・試行錯誤しながら作品を仕上げた後は、達成感と安堵から、笑顔がこぼれる。
・作った作品に愛着を覚え、大切にしたいと思う気持ちも生まれる。

人は、心を揺さぶられる何かを前にすると、脳や心理に影響を受ける。
花を前にするだけで、様々な刺激があり、学びがあり、心の動きがある。
五感を働かせ、心が満たされると、自分が抱えているストレスを理解したり、本当は何を望んでいるのかに気付くこともある。

「花の持つ癒しの力」
この一言の中に、これほどの効果が含まれていること。
花と過ごす時間は、優しさに溢れている。

花は贅沢なもの、特別なものと位置づけられやすいものではあるけれど、
人は心が弱ったり、傷付いた時、
自然に触れたい、花を見たい、癒されたいと生理的に反応してしまうものでもある。
それは、自然との共存を避けられない人の本能ではないかと思う。

現に、花は不快・ネガティブなストレスホルモンを減少させ、ポジティブな心理状態へと導く、という検証結果が、農研機構から報告されており、花のある暮らしが、現代のストレス社会に有効であることを示している。
*参考:(研究成果) 花の観賞は心身のストレスを緩和する | プレスリリース・広報 (naro.go.jp))

花から得られる癒しの力。
心にゆとりを生み、あなたとあなたの大切な人を幸せな気持ちに導いてくれることが、花のある暮らしの一番の効果。
その効果を、日々の生活に取り入れて、実感してもらいたい。

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