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「君の名前で僕を呼んで」イタリアロケ地巡りの旅2019 ①
2018年日本公開の映画「君の名前で僕を呼んで」(略してCMBYN)の世界が好きすぎて、ロケ地巡りの旅をした記憶。
2019年の秋にイタリアに行ったので、記憶が薄れる前になんらかの形にしたいと思うように。当時作ったアルバム的な思い出本はページに限度があったし。
そう思ったのが2020年で、それから4年もたってしまい、旅行に行けても航空券の高さに今までのような気軽な旅はまだできなくなって、ますます2019年の旅行が貴重な思い出になってしまった。当時は「来年も行きたい」なんて言ってたほど海外が身近で気楽なものだったのに…。
せっかくなので自分が旅行の準備や事前に調べたことなんかも書こうかと。
自分の記憶との闘いです!
少しでも楽しんでいただけたらうれしいです。
CMBYNのロケ地巡りで行った場所のリスト(以下行った順)
クレマ市街地
シルミオーネ(ガルタ湖)
ベルガモ
パンディーノ(戦争モニュメント)
コルテ・パラージオ(水をもらいに行った場所)
カプラルバ(エリオの秘密の場所)
ポンテ・ダッタ駅(エリオとオリヴァーが別れた駅)
モスカッツァーノ(パールマン邸・バール)
広場(エリオとオリヴァーがバスに乗った場所)
クレマ(ダンスフロア)
ガルタ湖は降りることができず、自転車で競い合う道やエリオとオリヴァーが泳ぎに行った池は日が暮れてしまい断念。滝は遠方で年に数日しか見ることができないためこちらも断念。
でもそれ以外のロケ地はすべて行きました!頑張った!頑張った!(ガイドの人が)
また、原作では二人の旅はベルガモではなくローマだったので、原作に出てきたローマ部分も回ってきました。
サン・クレメンテ教会
コルソ通り
ナヴォーナ広場
サンタ・マリア・デッラリマ通り
カフェサンテウスタキオ
CMBYN続編「FIND ME」洋書版表紙の場所
旅の準備
一緒に行ってくれた関西住在のPさんと関東住在の私、やり取りはDM&通話でした。行きたいという話は春ころからずっとしていて、Pさんが「イタリア行けるかもの決定が6月にできそう」、ということだったのでその間私はネットで事前準備を。ネット大好きだから…。
何をしていたかというと、
ロケ地間のルート作成(交通機関を使用した場合の時刻表や金額など)
イタリアの切符の買い方、交通機関の利用方法、ミラノからローマまでの高速列車の切符購入方法
ミラノ、クレマ、ローマのホテル探し
イタリアのルール、マナーなど
ネットは本当にありがたい。ガイドブックも読んだけれど、圧倒的に情報量や最新の状況を知るのにネットが有意義。そしてgooglemapと4travelの旅行ブログが一番参考になりました。スリや詐欺や色々な目にあった人のブログを読んでは震えていたけれど、幸運だったのか時間的なものもあったのか天気のせいか交通機関のがんばりか私たちはトラブルに巻き込まれずにすみました。電車の遅延にはあったけど、結果は問題なかったのでよかったです。
6月に無事イタリア旅行が決定になり、6泊8日の日程を決めHISの航空券+ミラノでのホテル(一泊)をHISですぐに購入。2列シートの機種から航空券を探し、アリタリア航空の直行便が安く購入できて満足。今回ミラノ着でローマ発というルート、ホテルはミラノのみ取る予定だったのでHISでも変則的な購入方法だったけれどそういうプランもさくっと検索できるHISありがたい。ローマには事務所もあって何かの時に頼れることもできるだろうし。HISはPさんが窓口になってくれた。
クレマを拠点にロケ地巡りをしたかったので、ホテルはクレマに一か所あったけれど、「暮らすように旅したい」という雑誌のコピーにあこがれていた部分もあったので今回初めてAirbnbを使うことに。
10/30 出発
成田空港発の便のため、大崎駅から出るバスで空港に向かうつもりで電車で向かう。前日職場の友達に「遅延あったら怖いよ~」と話していた悪い予感が当たってしまい、大崎駅手前の目黒駅で電車が止まる。人身事故だったので1時間は動かないと覚悟し、まったく詳しくない方面で迂回路を探して人の波に大荷物でもまれながら大崎駅に着いたものの、予約していたバスは数分前に出てしまっていた。
記憶があいまいなのだけど、この直前でキャンセルをし次のバスの予約をしたように思う。次は一時間後。前日のあの不安があったので空港に着く時間を4時間前に設定してあったのでPさんを待たせてしまったけれどチェックインには余裕で間に合ってほっとした。その頃職場では友達が「ほんとに電車止まっちゃってる!」と慌てていたらしい。
成田空港でチェックインをして荷物を預け、搭乗を待つ。
アリタリア航空、私達が乗った時すでに経営危機でどうなっちゃうの…という状況だったせいか、機材の古さというかヤバさが目立っていた。トイレとかガムテープで補強してあったし。その前年に乗ったデルタ航空の機材がピカピカだったせいで落差におどろくばかり。あと機内食も一回しか出なかった気がする。でもぼろいけど汚い、ということはなかったです。フライトも順調。
ミラノ空港までは直行便のため、12時間延々と乗り続ける。私は通路側、Pさんは窓際にしてもらったのでトイレは気兼ねなく行けたけれど全然眠れない…。それにしてもPさんが全然席を立たないのが不思議でしょうがなかった。それが普通なの?Pさんの体が欲しいな…。
イタリア入国、ミラノ駅へ
ミラノ・マルペンサ空港に現地時間10/30・18:30頃到着。日本人はユーロ圏などが使う自動化ゲートで入国可能。ガラス張りの自動化ゲートでパスポートを開いて読み取った後ゲートが開く、というシステムですごく楽!さくさく進むしアメリカの入国の煩雑さを味わっていただけにありがたかった。(でもそこに胡坐をかいてはいけない)それにしても、国際空港なのに静まり返ってて不気味だった。だだっぴろいフロアをバス乗り場まで延々歩く。途中で開店していた書店に立ち寄り、ティモシー・シャラメ表紙のヴォーグ・ウォモを購入。イタリア気分が高まる。
空港からバスでミラノ中央駅へ向かう。バスの前でチケットを買い、乗り込んでやっと落ち着ける…と思ってたら、バスのスピードが速くて驚いてしまった。暗いので景色はわからないけれど乗用車をどんどん追い越して走っていくのでかなりスピードが出てたように思う。45分ほど走ってミラノ中央駅脇のバス停に到着。googlemapで何度も見た光景にほっとした。この駅は途中からムッソリーニが権威を誇示するために作り上げた荘厳な駅で、ルカ・グダディーノ監督の「ミラノ、愛に生きる」の冒頭に出てきた場所。
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ミラノ中央駅で24h乗車券を購入する。(当時4.5ユーロ)
バス、地下鉄、トラムに最初の乗車から24時間有効なのでとても便利だった。
イタリアの乗り場は改札というものがほとんどなくて、乗る人間がちゃんと最初の乗車時の印字をしなければならなくて、その分キセルする人が絶えないらしい。その対策に駅員などの抜き打ちの検札時に印字がないと高い罰金を払わされるとどこのサイトにも書いてあったので事前にトラムにある印字機の場所と乗り方はyoutubeで勉強した。
駅の地下に安いスーパーCONADがあることを調べておいてあったので、そこでサンドイッチ(多分200円以下)などを買い、ホテルへ向かう。
このCONADOオリジナルのサンドイッチ、パンはカサカサでツナは生臭い感じがしてお腹がすいていたけど残してしまった。
ミラノでのホテルはIBISミラノ チェントロ。
ツイン希望でどこかの駅から近くできれいで…という探し方をして見つけたホテルで、狭かったけれど個人的にはとてもよかった。よくある「部屋は狭いがフリースペースは多彩」というホテルで、朝食抜き宿泊のみで一人一泊6000円くらいだったと思う。
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古めの車両に乗りたかったのでうれしい
uscitaは「出口」という意味
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ガラスに映ってますがドライヤーも壁に設置
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10/31 ミラノ散策
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この高い入り口は馬車のためのものなので、建てられた時代も想像がつく
この日は午前中をミラノ散策、午後からクレマへ移動というスケジュールだった。
朝チェックアウトをして荷物をホテルに預かってもらい、ホテルそばのトラムの駅からドゥオーモに近いスカラ座駅まで向かう。
ミラノ市の中央を走る路線のため、景色がとてもよくってちょっとした観光だな~と思った。
スカラ座駅からもうすでにドォーモに続くガッレリアが見えるのでわかりやすい。
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ドゥオーモ
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スケールの大きさ、今考えてもすごすぎたな…
ガッレリアを抜けると急に回りが大きく開けて、ドゥオーモがそびえていて一瞬息をのんだ。
イタリアでは建築物に注目しようと思っていたので、この細かなディティールをすべて見尽くしたかったけれど、5年くらいかかりそうだった。
日本の素晴らしい建築物とはまた違う、イタリアの石造りのどっしり感というかスケールの大きさがなんというか、もうね!語彙力なくて「すごい」しか出なかった!
ここはお土産や写真を撮るといって観光客相手にぼったくる物売りがいるから注意とよく言われていた場所。でも自分たちが訪れたときは朝早かった(8:30)せいかそういう物売りたちはいなかった。人自体あまりいないので写真も動画も取り放題!天気はいまいちだったけど…。
イタリアから帰ってきてやっと須賀敦子のエッセイを読み始めて、彼女を勝手に誤解して今まで読んでいなかったことを後悔した。そしてドゥオーモのそばに彼女が働いていた有名なコルシカ書店があったことを知って、ああいきたかったなあとそれも後悔した。
スターバックス リザーブ ロースタリー ミラノ
ミラノで行きたかった場所の一つ。
スタバは基本いかないけど、世界に6店舗しかないと聞いて。
とにかく建物がすばらし~というのと、プリンチというミラノのベーカリーが食事提供してるというのでおいしそうかな~と思い。
ドゥオーモからは歩いて5分もかからないと思う。
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美しすぎる…
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昨日のサンドイッチでイタリアの食事は合わないかもなんて
思ってたけど、これはほんとにおいしかった
日本の店でもプリンチだそうですね
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日本と価格が同じくらいだったので、店舗の豪華さに比べて安いな!と思ってしまった。
今でも店舗数は増えてないのかな…ミラノに行ったらぜひおすすめしたい場所です。
ヴィラ ネッキ カンピリオ(Villa Necchi Campiglio)
スタバからすぐの地下鉄駅からホテルに戻るような形でパレストロ駅まで移動。そこから5分くらい古い高級邸宅街を歩いたところにヴィラ ネッキ カンピリオがあった。
ここはルカ・グァダニーノ監督作品「ミラノ、愛に生きる」の主人公家族が暮らした邸宅のロケ地。
この作品もそうだけど、君の名前で僕を呼んでといい、ルカ監督の映画って大きな家がまずあって、その家が主人公たちの物語を包み込むようにじっと見つめている感じがする。ルカ監督が家とか好きなんだろうなあと。
この邸宅は主人公の設定のモデルにもなったと思う。
ミラノファッションウィークに繋がる紡績産業の発展を支えたミシンブランドネッキ社の創業者邸宅とのことで、邸宅は博物館になっていた。
時間がないのと入場料が高いのとで見学はあきらめて、美しい眺めを味わった。
googleで見返すと敷地が大きくて、奥のほうには庭園レストランみたいなものもあるらしい。私たちが入った門から続く道には野菜畑があって、当時からあるのかなあと思った。
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ヴィラからホテルまで歩いていける距離だったので、街並みを撮影しながら歩いた。
ホテルで荷物を受け取り、トラムに乗ってミラノ中央駅へ。
いよいよクレマに向かいます。