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うめぼし

半年くらい前だっただろうか。
仕込んだうめぼしがようやく完成した。

だんだんと渋い色に染まっていく、うめ。
梅酢にそまればそまるほど
うめに何か詰まっていく気がする。
何かはわからない。

うめに流れる空間はなんだかまったりしてる。

私はおうちで、このうめぼしと同じ空間にいたはず。
だけど、時間の流れはおなじだったのかなぁ。
なんとなくそう思うことがあったりする。

うめぼしに流れる時間はとってもゆっくりで
そしてとってもしっかりしていて、ぶれてなさそう。
なんとなく、空間はやさしい。

私ずっと一緒にいたはずなんだけどなぁ。

うめぼしと自分を比べちゃって、
なんだかうめぼしが羨ましい。

子供が体調を崩して辛そうな時、
そっとお口へうめぼしを運ぶ。
いつもの小児科がおやすみで困った時
お薬がわりにあげることがある。

うめ仕事は古い慣習だけど、
ちょっと困るかもしれない未来ために
手をかけ、時間をかけて
やっていることのひとつ。
この仕事には豊かな何かが詰まってる気がしてる。

古いもの、古い慣習に未来を感じるときがある。
自分が今新しくやろうとしていることも
結局未来には古くなる。

古いものに未来を感じながら
今の新しさに古さを感じながら
今日も楽しく過ごそう。

良いお年を。

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