コーヒーブレイクなひととき
「そろそろお茶にしませんか」
そう声をかけられて、あなたが期待する飲みモノは何ですか。
コーヒーですか、それとも紅茶? 日本茶という方も当然いらっしゃるでしょうね。烏龍茶。普洱茶。もちろん結構ですよ。武夷岩茶? かまいませんが茶葉の用意はご自身でなさってくださいね。大紅袍なんて銘柄まで指定されても、私にそんなお金はありませんよ。
え? 泡盛珈琲ですか。それはダメです。却下します。このあとまだ仕事が残ってるんですよ。
「コーヒーと紅茶、どちらが好きですか」
こういった質問も、よくあることだと思います。
紅茶好きで有名なのは「不敗の魔術師」と言われたミラクル・ヤンこと、ヤン・ウェンリーさんでしょう。サンドウィッチを喉につまらせ、差し出された飲料を飲んで九死に一生を得たあとでも「コーヒーは嫌いだから紅茶にしてくれたほうがよかった」などとのたまわるお方です。コーヒーをさして「軍人って奴はどうしてこんな無粋な泥水が好きなんだ?」とも嘆いています。もっとも、彼が本当に好きだったのは単なる紅茶ではなく、実はブランデーがたっぷりと入ったモノだったことは奥さんが証明しています。
コーヒー好きで有名な御仁は すみません、不勉強なのであまり浮かびません。しいて言えば「砂漠の虎」の異名をもつアンドリュー・バルトフェルドさんでしょうか。自身でブレンドして焙煎するのがご趣味なようで、まわりの人に幾度となく試飲をすすめています。そういえば「艦内に匂いがこもる」と部下から苦情が出されたコトもありました。
さて、私自身にこの質問が投げられたらどう答えるのか考えてみます。大抵の場合は「どちらでもない」が正解になります。これは、どちらとも嫌いでふだんは畳の上で日本茶を嗜んでいます、という意味ではありません。一方を選べないくらいどちらも好きなんです。
もちろん、目前にコーヒーを用意された上で質問されたら、ウキウキしながら「コーヒー」と答えますよ。その場の空気が読めるくらいには大人です。
最初はインスタントだった私のコーヒーは、20年ほど前にレギュラーにかわりました。挽かれたコーヒー豆を知人からいただいたのがきっかけです。
せっかくだからと家族と相談してコーヒーメーカーを買いました。父が亡くなってからは私一人しか飲まなくなったので、カップの上にドリッパーを置く原始的な方法に。
その後、茶こしコーヒーをへて、現在はフレンチプレスになっています。
美味しんですよ、茶こしコーヒー。あ、いえ、目の粗いその茶こしではムリです。思いっきり目の細かいものにしてください。そうですそれです。
少し高いですが、ペーパーフィルター代が浮きますのでそのうち元が取れます。アクアリストの方たちがブラインシュリンプを沸かすときにも使っている魔法の道具です。兼用しちゃダメですよ。その考えは怖いです。
コーヒーの銘柄にはあまりこだわっていません。
最初にいただいたのがスタバの「カフェベロナ」でしたから、それを中心にしていろんなものを試しています。
ひとつの銘柄に執着して他の美味しい銘柄を見逃すことはしたくありません。あ、ミルクも砂糖もなしで結構です。はい、ブラックのままで。
夏場はアイスコーヒーにかわります。水出しコーヒーです。
前日に仕込んだ1リットルのアイスコーヒーを3日で飲みほします。酸味の少ないすっきりとした味が特徴です。
初日に氷を作り忘れるのは……もはやウチの定番です。
紅茶は、夏摘みのダージリン茶葉を無糖でいただきます。
コーヒーと違って、ここはブレません。砂糖を入れなくても、ほんのりとした甘みがあります。美味しいです。こちらもフレンチプレスで楽しみます。
あ、紅茶ですからティープレスですね。
先日、キリンビバレッジからダージリン茶葉を使った無糖のアイスティーが出ていることを知りました。「午後の紅茶 おいしい無糖」です。
「紅茶のシャンパン」というダージリンの異名を CM でわざわざ使っていたので、興味本位で買ってみました。
ダージリン茶葉は 20 %しか入っていませんでした。
みなさん、準備はいいですか。ここで一斉に思いをぶつけますよ。
せーのっ!
「「「「「100 %じゃないのかよっ!」」」」」
はい、ありがとうございました。
まあ、そうですよね。100 %ダージリンだったら、500ml 1本 100 円たらずでは買えませんよね。夏摘みのダージリン茶葉を使って 500ml の紅茶を淹れようとすると、それだけで 100 円くらいになっちゃいますもの。
肝心のお味のほうはというと 世界平和のためにも言わないでおいたほうがよさそうです。
そのほか、香港発祥の飲みモノとして、「鴛鴦茶」という紅茶とコーヒーのハイブリッドなものも存在するようです。
美味しいものと美味しいものを混ぜたらさらに美味しくなるのか。飲んだことがないので真相はわかりません。いちど作ってみようかとも思いますが、別々に味わったほうが幸せになれるような気もします。
ここまでのお付き合い、ありがとうございました。
とりとめのないお話になってしまいました。お疲れでしょう? え、大丈夫? そこまで気をつかっていただかなくても結構ですよ。あちらの方はすでにお休みのようですね。机に突っ伏しておられます。
それじゃ、このあたりで
そろそろお茶にしませんか。