ゲームイラスト制作の進め方。
ゲームイラスト制作の進め方。
こんにちは。K村です。
どの業種もそうですが、その業界特有の仕事の進め方があります。
フラッシュエッヂではWEB制作・システム開発・ゲームイラスト制作・オンライン予約サービス、他にも様々な事業を展開しております。
数ある中で、今回はゲームイラスト制作の仕事の進め方になります。
イラスト制作を進める上でディレクターとイラストレーターという職種があります。
ディレクターはイラスト制作における進捗管理や、作家様・クリエイター様とのやり取りを行う人です。
イラストレーターはゲームの世界観などを理解しキャラクター等の絵を描く人です。
上記の職種を念頭に見ていきましょう。
まずここにゴリラがいます。
実に雄大ですね。
見ているだけで人間とは何かを考えさせられます。
このゴリラ、否、ゴリラさん、否、ゴリラ様の凛々しい姿を見れば仕事の疲れなど吹き飛んでしまいます。
ゴリラから見れば我々人間なんて……本当にちっぽけな存在だと思い知らされます。
ゴリラとは何か?人とは何か?人は何故ゴリラにシンパシーを感じてしまうのか?人はなぜ争うのか?
そもそもゴリラとは……。あ! っすいません。ゴリラの事になるとつい……(一応大好きなフリをしておきます)
例えばクライアントからゴリラのイラスト制作依頼があったとします。
その際は決まって制作サイズ、解像度など細かな情報と共に依頼があります。
例えばこんな感じ。
・案件名 ゴリラ大地に立つ。
・制作点数 1点〜5点
・内容 2Dカードイラスト 背景 EF(エフェクト)有り。
・納期 来月末希望
・制作物のテイスト 和風と洋風のゴリラをmixしたようなテイスト
・納品形態 png、psd
・制作サイズ 1500×2000
・解像度 350dpi
・制作資料有り
情報と同時に制作資料も一緒に渡されます。
制作資料とは、ゴリラにさせたい構図や表情イメージ、背景イメージ、塗りの指定、線画の強弱例などの細かな情報が記載されている資料になります。
専門外の方から見るとなんのこっちゃ???となるかもしれませんが、用語の説明などはまた別の機会に設けようかと思ってます。(気が向いたら)
これを見たディレクターは「はい、はい、はい。なるほどね。このゴリラのパターンね」と言うかどうか分かりませんが、制作可否を判断します。
制作OKとなったらイラストレーターと連携をとり「和風と洋風のゴリラをmixしたようなテイスト」という無茶振りイラストの制作を開始します。
少しでも良いゴリラを仕上げるべく熱い議論が繰り広げられることもあります。
ディレクター:違う、俺が想像したゴリラはもっと雄々しいんだ、構図は大体にしよう!
デザイナー:違うこのゴリラは繊細な心の持ち主だ内気なポーズが似合う!
ディレクター:そもそもゴリラとは何だ⁉︎ゴリラは我々にとってどういった存在なんだ。
デザイナー:そうかゴリラが俺で、俺がゴリラだったのか!つまりゴリラとは世界なんだ!
時には殴り合いをしながらも描いていくゴリラは素敵なイラストになることでしょう。
オーソドックスにいけば、作業工程はラフ→線画→仕上げ。
といった順番で行われていきます。
最終段階の仕上げは「着彩」「彩色」「清書」と様々名称で呼ばれますが、ここではゴリラに敬意を表して「仕上げ」と呼んでいきましょう。
ともあれ、仕上げが完了したゴリラをクライアントに提出しOKがもらえれば納品となり完了となります。
が!そうそうスムーズに進みません。
各工程ごとのFB(フィードバック)が発生し思うように進まないこともあります。
当然ですね。ゴリラは一日にしてならず!ですので。
「あれ?ゴリラの構図が違う」
「あれ?ゴリラのアイレベルが合ってない」
「あれ?ブラシ塗りで頼んだのに厚塗りっぽいからゴリラ感が強くなった」
「あれ?なんかイメージしていたより洋風のゴリラ感が強い」
「あれ?これ、ただのゴリラじゃん」
すいません。後半は全く意味ないです。
洋風のゴリラ感が強いって?なんでしょうかね?そんなゴリラ見てみたいです。
とまぁ色々なFBを受けながら、時には良かれと思って構図やポーズを変えた案出しをしても、そういうのやってないで指示書通りのイラストをお願いします。というぐうの音も出ない連絡をいただきながらも、黙々と作業していきます。
こうした事を繰り返し、クライアントのイメージするゴリラに近づけていきます。
うほ!
完成したイラストはクライアントに提出無事納品となればミッション終了。
イーサン・ハントばりの仕事をやり遂げたディレクターとイラストレーターは仕事が終わった事に安堵のドラミングを開始します。
ですが、油断した時にミスという言葉が背後に忍び寄ります。
例えばですが、制作サイズのミスです。
制作サイズとは冒頭にあった「1500×2000」という数字のことです。
キャンバスサイズと呼びますが、今回はゴリラっぽさをとって制作サイズと呼びましょう。
仮に制作サイズを間違えて「1500×2000」よりも小さい制作サイズで仕上げまで進めてしまった場合は大変です。小っっさぁ!ってなりますね。
これじゃあダメだと予定していたサイズまで引き延ばすと、せっかく描いたゴリラが荒れに荒れてイラストとして使いものにならない状態となります。
ディレクターとイラストレーターの努力が台無しです。
基本中の基本ですが制作サイズを誤ったまま進めてしまうと、折角納品となったのに1から描き直しとなってしまいます。
これはかなり辛いです。滅多に聞きませんが、ゼロではありません。
他にもレイヤー分けも要注意です。昨今は動くイラストがメインなので、
それ用にレイヤー分け(体のパーツ分け)という工程も発生します。
仮にこれをせずに進めてしまったら非常に厄介です、
こういった話も別の機会にお話できればと思います。
(気が向いたら)
ともあれ、こんな感じでイラスト制作というのは進んでいきます。
ディレクターはゴリラの制作過程(事前情報の確認)、制作の決め事(制作サイズ、レイヤー構成)、クライアントからの指示を正しく理解する人で、
イラストレーターは世界観に沿ったゴリラを仕上げる為に頑張る人のことを指します。
畑違いの方が見た際に「へ~」となってもらえれば嬉しいです。
本業の方の「え?ちょっと違うんだけど」というのは一切受け付けません。
それと、この記事を作成する上でなんでイラストじゃなく写真を使ったんだろうと見る人によっては思うからもしれません。
イラストの話なんだからイラスト使えばいいじゃん。
私はゴリラの「生きろ」という思いを伝えたく、敢えて写真にしました。敢えてです。
決してイラストを掲載するのが面倒くさかったわけではありません。
決してです!神には誓えませんが、決して!
最後にゴリラの詰め合わせをお送りいたします。
よろしければ寝る前に眺めて見てください。きっと良い夢が見られるはずです。
それでは、k村