秋は秋の美しさがある
北京出身の友人に定期的に中国語の発音チェックをしてもらっています。その友人が最近教えてくれた秋の詩が良いなあと思ったので、今日はそれをご紹介します。
中国では知らない人はいないというほど、有名な詩だそうです。もしかして日本でも有名なのかも。漢文の授業で習ったのかなあ?私は全く知りませんでしたが。
唐の時代の詩人で、あの有名な「国破れて山河在り」の杜甫と先祖が同じという杜牧(803-852)の「山行」という詩です。
遠上寒山石径斜
白雲生処有人家
停車坐愛楓林晩
霜葉紅于二月花
寂しい秋の山を遠く登ると、小石の道が斜めに続いている。
白い雲が湧くこんな(高い)所に人家がある。
夕暮れの楓の林をなんとなく見たくて車を停めたら、
霜がかかって紅葉した葉が春の花よりも美しい。
なんとなくこんな感じです。普通の訳とちょっと違うかも(^^;
白い雲が湧くほど高い所の、秋の澄んだ空気と楓の葉の紅さ美しさが伝わってきますね。そして、春の花より、紅葉が美しく感じたというのがなんとも良いですよね。年を重ねたら、重ねた分の美しさ、味がでると言ってくれているように感じました。
私は春の花よりも、新緑の林の中に入ると、毎年魔法がかかったように美しいと感じます。近くに大学があるのですが、その若い人たちとすれ違った時にもよく「若いってそれだけで魔法のように美しいなあ」と思います。
でもこの詩のように、秋は秋の美しさがある。
そして冬に葉が全部落ちてしまって、幹や枝だけになる姿もまた美しい。朝陽に当たって、枝が銀色に輝く時など、葉が落ちているからこその美しさがありますね。
人も同じ。年を重ねていろんなことを経験して、柔らかく素敵な美しい表情になっていく人、いますよね。
書き下し文なしの、中国語からいきなり日本語訳っていうのが、なんとなく漢詩を身近に感じさせてくれます。
でも中国語の発音が本当に難しいので、口の回りと舌の筋肉がめちゃくちゃ疲れます。それでなぜか、そのあと静かに「古文」が読みたくなるのです(笑)
その人がこの詩をメールで送ってくれた時、同じ日に別の友人が、秋らしい赤や黄色のタータンチェックの素敵な洋服の画像を送ってくれました。
着るもの大事!人に会う時だけじゃなく、おうち時間も、できる限り自分の気持ちが上がるものを着ると元気がでますね。着るものも薬になります。
それでは今日も息をなが~く吐いて、口角上げて、秋を味わい楽しんで過ごしましょう。
読んでくださってありがとうございます。