見出し画像

【2023】#今年の9枚(ソロ編)

 2023年を振り返って印象に残っている韓国音楽の作品(アルバム、EP)を9枚選びました。今回はソロ編です。リリース順にご紹介します!


①Cosmic Boy / Can I Not ?

 「Can I Cosmic?」のシグネチャーサウンドでお馴染み、プロデューサーのCosmic Boyがリリースした最新アルバムは、フィーチャリングで参加するアーティストたちが元々持っている色を十分に残しつつ、彼特有の夢幻的な世界観にまとめ上げているのが流石でした。特に過去作でも多くタッグを組んできたBIG Naughtyが今回は2曲に参加していて、今回のタイトル曲の一つである⑦「Grown Child」は、大人になれない大人たちにとって救いとなるような楽曲です。


②CODE KUNST / Remember Archive

 AOMG所属の人気プロデューサー、CODE KUNSTがリリースした17曲入りのアルバムは、デビュー10周年を記念して、これまで彼が生きてきた中で感じたことを「記録」するために作られました。その記念すべき作品を作り上げるために集まった、レーベルメイトをはじめとする実に豪華な客演のラインナップにも驚きました。特にお気に入りなのは、ペクイェリンとRed Velvet・ウェンディというありそうでなかったコラボで、MVも印象的だった⑫「55」と、⑫の制作でも参加しているSUMINがソウルフルに歌い上げる⑬「Terminal」です。ぜひみなさんも自分自身のこれまでの人生と重ね合わせながら聴いてみてください!


③イ・チェヨン / Over The Moon

 イ・チェヨンによる2作目のミニアルバムは、タイトル曲②「KNOCK」の一度聴いただけで頭から離れない中毒性と、パワフルなパフォーマンスが印象的でした。そして何よりK-POP界の中で今、トップレベルに踊れるアーティストが、最高に踊れる曲で活動してくれることほど「痛快」なことはないですよね。他にも、③「I Don’t Wanna Know」ではK-POPでは珍しいドリフトフォンク(Drift Phonk)というジャンルを取り上げたナンバーにチャレンジするなど、非常に意欲的な作品です。RBW所属のヒットメーカー・ソヨンべによるプロデュースによる今作で、ソロアーティストとしての彼女のポジションが確立された気がしました。


④xooos / Made In Heart

 これまでYouTuberとして人気を博していた彼女ですが、今年1月からはColdeが設立したレーベルWAVYに所属しています。WAVYから初めてリリースされたこのEPは、初夏にぴったりな爽やかで心地よい楽曲ばかりです。まるで子守唄のように優しく囁くように歌う①「Joy」を初めて聴いたときに一気に彼女の洗練された世界観に引き込まれましたし、このEPは何度も夜寝る前に聴きました。妖精のようなビジュアルと、美しくて少し切ない歌声が特徴的な彼女の益々の活躍を期待しています!


⑤キム・セジョン / Door

 俳優としても大活躍のキム・セジョンによる待望のフルアルバムは、同一人物が同じアルバムの中でリリースしたとは思えないほど、対照的なタイトル曲①「Voyage」⑥「Top or Cliff」が印象的でした。10月にはこのアルバムを引っ提げて開催された来日公演にも参加することができ、彼女が一曲一曲にどれだけの思いを込めてこのアルバムを作ったのかがひしひしと伝わってきました。彼女だからこそ作れる、映画のような⑥「Top or Cliff」のMVも要チェックです。


⑥V / Layover

 今年はBTSのメンバーの多くがソロという形で、それぞれの持つ魅力を存分に生かした作品をリリースしてくれましたよね。その中でも特にVが、NewJeansのプロデュースで注目を集めるミンヒジンとタッグを組むというニュースを聞いた時は初めこそ驚きましたが、最終的にリリースされた今作を聴いて、この組み合わせは必然的だったと確信しました。喧騒の中で数少ない、落ち着ける大切な場所を提供してくれたようなアルバムでした。


⑦KEY / Good & Great - The 2nd Mini Album

 『BAD LOVE』から『Killer』まで続く「レトロ・トリロジー」を経て、エンターテイナー・KEYがまた新たな名作を生み出しました!彼自身も含む「仕事」をする全ての人に向けた応援歌である①「Good & Great」は単に「頑張れ!」というメッセージを伝えるのではなく、自分もあなたもよくやっているよ、という慰め、かつ自尊心を高めてくれるような楽曲となっており、聴くたび救われました。前作までのレトロな要素も少し踏襲しつつ、ダンサブルな楽曲が勢揃いのアルバムです。今年はSHINeeとしての活動も忙しい中で、このようにソロでも良い作品を届けてくれたことに感謝しかありません。


⑧Crush / wonderego

 昨年の「Rush Hour (Feat. j-hope of BTS)」を経てリリースされた3枚目のフルアルバムは、彼のレベルの高い歌唱力と表現力を軸として、90年代のメロウなR&Bを思い出させる楽曲から、ハウス、ヒップホップ、バラードと、実にさまざまなジャンル、そして年代をクロスオーバーさせて完成された19曲収録という充実の作品です。この19曲では、楽しい時もあれば辛く悲しい時もある、まるで人生を凝縮したかのように、喜怒哀楽さまざまな感情が描かれています。


⑨YUKIKA / Time-Lapse

 韓国シティポップ界の女王YUKIKAが今回リリースしたのは、日本と韓国それぞれのシティポップの名曲を韓国語でリメイクしたアルバムです。ジャンルの移り変わりが非常に激しい中、そして彼女のライフステージが変わった中であっても、自身自身が置かれたポジションをこれほどまでに全うした作品をリリースできることにまずは感動しました。彼女の朗らかで多幸感あふれる歌声でリメイクされた名曲の数々を聴きながら、シティポップが持つ、色褪せることのない普遍的な魅力を再確認しました。彼女のInstagramの投稿によると、今作がキャリアの一区切りとなる作品のようで若干寂しい気持ちもありますが、締めくくりにふさわしい、彼女にしか出せない、いや彼女にしか出してほしくないアルバムです。

 いかがでしたでしょうか。来年も素敵な作品に出会えることを楽しみにしております。最後まで読んでくださりありがとうございました!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?