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全スタートアップ は、いますぐ社員研修にバトルグラウンド を導入すべきだ

全スタートアップは、いますぐ社員研修にバトルグラウンド を導入すべきである。大事なことなので二回言ってみた。

この基本無料ゲームバトルグラウンド には、スタートアップ社員が学ぶべき全てが詰まっている。

ゲームをプレイするだけで様々なことが学べる。レバレッジ、メタゲーム、メガトレンド、シナジー、スケール、ネットワーク効果、カブトムシ、カブトムシ、リスクヘッジ、ピボット、ドロローサへの道…などなど、そういう難しいカタカナっぽい要素のエッセンスが体得できる。つまり、ゲームをプレイするだけで、シリコンヴァレーを生き延びるのに必要な、様々な知識を学べるわけだ。

だから全ビジネスマンは、いますぐ社員研修にバトルグラウンド を導入すべきだ。

バトルグラウンド を452時間プレイした俺が言うのだから間違いない。

「ゲームに452時間も使うなんて…コイツは、ひょっとしてバカなんじゃないかしら?」

もしかしたら、お前はそう思うかもしれない。だが、それは大きな間違いだ。

バトルグラウンドは学びしかないので、1時間のプレイで8時間労働フルタイムに等しい学びと気づきが得られる。

452時間のプレイというのは、シナジーとかネットワーク効果とかレバレッジについて、3616時間考えているのに等しい。(*本人の感想であり、効果・効能を示すものではありません)遊ぶだけで効率よく経験が積めるのだ。

タイムラインを流れるよくわからない動画をポチポチとクリックする作業にくらべれば、はるかに生産性のある優雅な時間と言わざるを得ない。

だから、みんな騙されたと思って、20時間ぐらいプレイすべきだ。1プレイは20分ぐらいで終わる。


バトルグラウンド とは?

8人バトルロイヤルの企業経営ゲーム。

お前はベンチャー社長ヒーローとなり、毎ラウンド資本家ボブからお小遣いをもらって、設備グレードを増強したり、人材ミニオンを集めて、「僕の考える最強の会社」を作っていく。

で、殴り合う。

そうやって、ガレージ起業からはじめて、8人のライバルを蹴散らしGAFAを目指す…シリコンヴァレー最強の社長を決めるゲーム…それがバトルグラウンドだ。

可愛い美少女ベイブとかは基本でてこない。だいたいブタか悪魔か半魚人か海賊かロボかドラゴンか、名状しがたき超自然的存在しかでてこない。あとゴリラ。

1ゲーム20分ぐらいなので、休み時間でもお風呂でもトイレでも、スタートアップの極意を学ぶトレーニングができる。

はじめかた

バトルグラウンド は「無料タダ」で遊べる。スマホでもPCでもOKだ。下記サイトからダウンロードできる。

インストールするとHearthstoneハースストーンと表示されるが、深く気にししてはいけない。今回の本題はとにかくバトルグラウンド だ。

ゲームを起動したら、1段目のボタン「ハースストーン」ではなく、2段目の「バトルグランド」を押そう。そこがシリコンヴァレー《せんじょう》へのフライト航路だ。うっかり一段目を押すと、全く違う土地アゼロスに辿り着くぞ!



基本ルール

バトルグラウンド は、8人の社長が以下のルールで、会社の勢力を拡張しあう。毎ターンもらえるお小遣コインをやりくりして、最強のグロース組織を作るのだ。

・お金で人材ミニオンを集める。
・お金で設備グレードを強化する。
人材ミニオンを放出してお金を得る。
・ヒーローごとの特殊能力を使う。

あとは売ったり、買ったり、買ったり、負けたり、ググったりすれば、だいたいなんとかなる。

で、バトルグラウンド では以下のようなことを学べる。


スケールの価値をまなべる

この世界はスケールしなければ生き残れない。どんなに美しい布陣でカードを集めても、小さなネズミの軍団は、雑に肥え太ったブタや巨大ロボに粉砕される。小さくいいものを作っても、大資本の前では踏み潰されてしまう現実。

経営者にとってあらゆる綺麗事は、スケールしなければ戯言になってしまう…そういった残酷な現実を知ることができる。


拡大再生産の価値を学べる

デカく成長させるにはどうすればいいか?それはデカく成長することである。デカくなればデカくなるほど、デカくなるのが楽になる。それが拡大再生産であり、ネットワーク効果だ。

「ほっとけば勝手にデカくなる」そういうスキームとか、ビジネスモデルとかグロースサイクルとか、なんか経営コンサルが言いそうなのを作ったやつが勝つ。

毎ターン勝手に巨大化する圧倒的なブタや悪魔やドラゴン軍団に殴られて、頑張って作った海賊団がなすすべもなく消し飛ぶ。そうやって人は、労働集約の無情さを思い知る。


メタゲームを学べる

最強のカードが、最強とは限らない。みんなが同じ超強いカードを集めだすと、カードが足らなくなりみんなが弱くなる。レッドオーシャンというやつだ。みんなで取り合いになったブタ軍団は、巨大ブタどころか唯のブタに成り下がり、不人気だった獣の群に粉砕される。

逆に誰も選んでいない、ブルーオーシャンを見つければ… ちょっとビジネスモデルが微妙でも、なんとかなる。

毎ターンの勝敗と別に、業界全体を流れるトレンド…刻々と変化するメタゲームの息吹を感じろ。どんなにクールなプレイをしても、シリコンヴァレーのトレンドにのっていなければ、生き残ることができない。


長期施策と短期施策のバランスを学べる

貧すれば鈍する。このラウンドを生き延びるために、短期的な数字作りに勤しむようになり、負のスパイラルに陥っていく。そのあいだにライバルは着々と、未来へむけての投資を繰り返している。

もちろん未来だけを見据えて、足もとが疎かなやつが未来にたどり着くことは絶対ない。長期と短期、両方同時に注意しないといけないのがベンチャーの辛いところだ。


リスクオンのタイミングを学べる

相手が設備投資で動けないタイミングで、こっちの全力キャンペーンをぶつけてやれ。相手は消し飛ぶだろう。もちろん、相手もこちらが設備投資をしている最中に襲いかかってくる。なんてヒドイやつだ。

そんなわけで、多くの猛者は「競合他社とおなじタイミング」で、設備投資をしかけてくる。そういう機微を知らないと、無駄に殴り合って、第三者に漁夫の利を狙われるだろう。


ピボットを学べる

場合によっては、お前のビジネスモデルが破綻していることに気づくだろう。全員がドラゴン軍団を取り合っていたり、求める人材が手に入らなかったり、そういうことで「僕の考えた最強の会社」計画があっけなく崩壊することは多々ある。

どこで失敗を見極め、方向転換ピボットを行うか。経営者はそれを見極めなければ死んでしまう。ドラゴンが大人気なら、さっさとドラゴンを諦めて半魚人の市場に移動しなければならない。機会損失にこだわりすぎると、このシリコンヴァレーでは生き残れない。


シナジーを学べる

自分の会社をスケールさせるためには、定石とシナジーを理解しなければならない。各カードは、単体ではミジンコにすぎない。どんなに強いカードでも、単体では巨大ブタに瞬殺される。

暴力的な巨大資本と戦うには、カードとカードを組み合わせて、シナジーとかレバレッジとか、そういうやつを発揮させなければならない。攻撃力が2倍になるドラゴンと、攻撃力強化を組み合わせるとか…そういうやつだ。

バトルグラウンド を通じて、おまえは単体施策の無意味さ理解するだろう。そして、施策と施策をつなげたときの、圧倒的なパワーの価値を体感するはずだ。


定石とアドリブのバランスを学べる

もちろんバトルグラウンド にも、定石は存在する。毒マロ、ビッグデーモン、断末魔ビースト…そういう構成だ。確かにこいつらは強い、強いが絶対ではない。ゲームの環境も8人の社長ヒーローの特殊能力が毎回変わるので、ゲーム毎に定石が通じたり、通じなかったりする。そういうメタゲームの風を、肌で感じなければ生き残れない。

定石に従いつつ、定石を壊す大事さを学べる。

不条理を学べる

お前がどんなに最高のプレイをしても、人生が報われるとは限らない。なぜならば、お前以外のプレイヤーもそれぞれ最高のプレイを目指し、そして場のメガトレンドが、ランダムに支配されているからだ。

「僕の考えた最強の断末魔編成」が、通り魔的なクソ編成とぶつかり事故死する…そんなことは日常茶飯事だ。最強ドラゴン構成も、なんか復活毒アニマルとかで全滅する。あと、たまにバグったり落ちたりして、台無しになる。

人生の絶頂であれど諸行無常、死ぬときは死ぬ。メメント・モリを忘れてはならない。

人生が打率であることを学べる

シリコンヴァレーで生き延びるには、4半期ごとの決算に一喜一憂しすぎる暇はない。真に大事なのは、生存し続けることだ。個々の勝敗へのフォーカスから解脱し、平均勝率やレーティングでの評価という新しい視点を手に入れる。その視点を手に入れたとき、はじめてシリコンヴァレーの扉は開く。



とにかくやれ

話はそれからだ。ダイハードテイルズ文体で紹介したくなるぐらい、まなびがあるゲームだ。逆噴射総一郎先生に敬礼。

レバレッジとか、メタゲームとか、メガトレンド、シナジー、スケール、ネットワーク効果、カブトムシ、カブトムシ、リスクヘッジ、ピボット、ドロローサの道…などなど、そういう難しいカタカナっぽい要素のエッセンスの肌感覚を知りたい奴らは、全員が触るべきだ。

あと本編のハースも普通に面白いので、なんとなくカードに慣れてきたら課金の気分がしてきたらやろう。

サンキューベンブロード!

おしまい。


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深津 貴之 (fladdict)
いただいたサポートは、コロナでオフィスいけてないので、コロナあけにnoteチームにピザおごったり、サービス設計の参考書籍代にします。