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専用の特訓アプリを作る 〜 将棋の勉強2

将棋を1ヶ月ほど練習した結論は、「脳を改造しないとスタートラインに立てない」だった。

まず下記の2つができないと、どうにも学習速度があがらない。

1.  棋譜の座標系「▲9八 歩」などを、スムーズにイメージできる
2. 脳内に将棋盤をつくって、コマを配置できる


座標系の重要性

将棋の座標系がスムーズにイメージできないと、学習効率がとても悪い。あらゆる棋譜、本、詰将棋は、座標系がわかってる前提で書いてあるからだ。

▲7六歩」といわれて、0.01秒で「あー、先手が角の道筋あけたのね」と理解できないと、学習速度は劇的に下がる。初心者には無理ゲーだ。

経験者にきいたところ、どうやら座標が直感的にイメージできるまで、ふつうに練習した場合は数ヶ月〜1年ほどかかるらしい。

ちょっとそいつは長すぎる。だって、数ヶ月〜1年は、学習速度が遅いままということだから。それは流石にノーサンキューである。


訓練の高速化にテクノロジーや脳の知識をブチ込む

といわけで、近年の様々な知見やテクノロジー、脳や認知、行動経済学などをブチ込んで、無理やり学習を高速化させる。

俗説では、何かをマスターするには10000時間のトレーニングが必要といわれていた。つまり1日90分で20年かかる。絶望しかない。

…が、近年の研究では「練習量が能力に及ぼす影響は、たった10数パーセントなのではないか?」ということが言われはじめた。


なんでか…というと、トレーニング時間の大半は、本質ではないからだ。

寿司職人の修行時代の大半は、皿を洗っているか、注文をとっているか、レジやってるか、買い物か出前にいってるかであり… 寿司を握ってる時間は1%以下にすぎない。

野球部の活動の大半も、走ってるか、他の人がゴロを拾ったり、バッティングしてる時間を待ってるかであり、自身の素振りや捕球の稼働時間は、それほど多くない。

もし「皿洗いをガン無視して、1日8時間寿司を握れたら?」「順番待ちをガン無視して、1日4時間バッティング練習ができたら?」…業界標準を遥かに超えた速度で学習が進むはずだ。

このような理論の実践としては、TED講演。「あらゆるモノを20時間でマスターするには?」などが、記憶にあたらしい。

この動画で語られていることを、シンプルにまとめると以下のようになる。

ほとんどの技能において、真に習熟が必要なパートはほんの一部で。トレーニングする場所を集中することで、学習効率を劇的に高めることができる


これを抽象化して、将棋に適応しようと考えると。たとえば、以下のような能力が最初から高ければ、以後の将棋学習は超高速化できると推測される。

1. 座標系を脳内で素早くイメージできる
2. 脳内に将棋盤を構築する
3. 効きと浮き駒の発見が、即座にできる

フィジカルモンスターが、格闘技やサッカー始めるようなものだ。

詰将棋や教本を読む段階で、上記の能力があれば、それ以後の学習効率は劇的にあがる。「つっかえながら棋譜を読む1年」が省略できる恩恵は、はかりしれない。


トレーニングのシステム化

そんなわけで… 手始めに「脳内の座標マッピング」のトレーニングツールを作ってみた。トータル実装1.5時間ぐらい。

高速でランダム指定される座標を、どんどんクリックしろゲーム。

なんというか、冷戦時のロシアの超人計画とかで使われてそうなツールだ。極寒のジムナジウムに集められた、オリンピック候補の少年少女の一団とか、ウォーズマンとかがやってそうな一品に仕上がった。

途中で挫折しないように、意図的に習慣性・常習性を高める仕掛けも搭載。脳を興奮させるエフェクトとかも、派手目につけてみた。

自分目算としては、数日〜1週間もこのアプリで遊んでいれば、「▲6八玉」とかを、ぱっと脳内でポジションに変換できるはずだ。効果がでそうなら、対になる学習ツールとして、「光った場所の数字座標を入力する」トレーニングも作りたい。

本当はこれにタイマー、スコア、統計分布、ランキング履歴、上手下手のスイッチなどを、しっかりつけるべきであるが… そこまで作り込む時間があったら、トレーニングするほうがよいので、いったん割愛する。需要があったら、作るかもしれない。


数日間、実験的に走らせて、脳内に座標マッピングを構築する。うまくいきそうなら、位置→座標の逆変換トライアルも作る。

これができたら、「脳内将棋盤の構築」という無謀なチャレンジに進みたい。

いただいたサポートは、コロナでオフィスいけてないので、コロナあけにnoteチームにピザおごったり、サービス設計の参考書籍代にします。