コミュニティにおけるミドルの役割
ミドル世代は若手から見ればベテラン、シニアから見れば若手の世代です。そんな間に挟まれているミドル世代だからこそ、職場や地域活動などのコミュニティにおいて果たせる役割があると考えています。今回はコミュニティにおけるミドルの役割について考えてみました。
世代を超えたコミュニケーションの現在地
いつの時代でも世代を超えたコミュニケーションは難しいと話題になります。どの時代を切り取っても年配の方は「最近の若い者は…」と愚痴をこぼし、若者は古い考えを持ち新しいことに適応しようとしない年配の方に嫌気をさしてしまう。そんなことが繰り返されているように思います。
テクノロジーの発展により世の中の変化のスピードが増している中では、その隔たりはどんどん大きくなっているように感じます。「Z世代」に代表される若者の価値観や行動様式と「昭和」の価値観はあらゆるところに顕在化していて「働くこと」「家族」「結婚」「お金の使い方」「趣味」「幸福感」など、どれをとっても、向いている方向が大きく違うように思います。
そのため、コミュニケーションにおいても、そもそもの前提が異なるため議論をする手前段階の前提条件やゴール設定に多大なエネルギーを使うことも多いと聞きます。
ミドル世代だから見ることができる景色
世代間の価値観や行動様式の隔たりが大きい中、間の世代であるミドルだからこそ果たせる役割があると考えています。
ミドル世代は現在40〜50代、10代後半〜20代前半の頃に携帯電話を使い始め、仕事や私生活においても急速にネット化をした時期です。当時、若者であった自分達は新しいデバイスやサービスをいち早く使い、世の中の景色が変わっていくことを実感していました。
一方で、社会に出て見た景色は「過去から続く昔のやり方」「新しいものに適応しようとしない上の世代」等、今のZ世代が感じているであろう「隔たり」を感じていたように思います。
ただ、10年20年と経験を重ねるうちに新しいことが必ずしも正しいわけではないこと、上の世代が大切にしていたことの本当の意味や価値を知り、変わらずに続けることの大切さも感じていくことになります。新しい技術ややり方が大きな事故やコンプライアンス面で課題となる。そんな世の中の出来事が相次いだ。
便利さの影で忘れ去られてしまいそうになった「守るべきもの」にも目が届くようになります。両方の景色が見える世代がミドル世代の一番の「持ち味」かもしれません。
ミドルの「ハブ機能」を磨く
ハブ(Hub)とは、車輪(ホイール)などの中心部のことを指す言葉が元々の意味ということですが、そこから転じて物事の中心や中核という意味で使われることが一般的になりました。また、何かと何かを繋ぐ役割としてハブ機能を捉える場合もあります。そういった意味からもミドルはまさに「ハブ(Hub)」的な立ち位置にいる存在です。
「不易流行」や「温故知新」という言葉がありますが、古いからダメ、新しいから良いではなく、古い=続いている、新しい=画期的と考え、双方の良い部分を状況に応じて選択する。
両方の景色を見ることができ、両方の価値やリスクを知っている存在。ミドルだからこそ果たせる役割は「ハブ(Hub)」であり、この役割の価値は「ダイバーシティ」の現代でより輝くのではないかと感じています。
新しい情報に敏感に、そして、伝統的に続いていることには本質を探る。ミドル世代は色々大変なこともありますが、この世代ならではの価値もある。そんなふうに考えています。
最後まで読んで頂きありがとうございました。ミドル世代の学びや趣味について発信していますので、是非また読みに来てください。