学びの理想は「夢中になって調べていたら学んでいた」ではないだろうか
大人の学び、現在地
学び直し、リスキリングが叫ばれています。
特に40〜50代の「ミドル世代」は学び直しの必要性が高いと言われています。技術革新やビジネス構造の変化に伴って、これまでの知識や経験がそのまま活かすことができなくなっています。また、それによってミドル自身が貢献実感を得られにくく、モチベーションが低下するというケースもよく聞かれます。社会や会社からの必要性から「学び」始める方、新たなやりがいを求めて自発的に「学び」始める方、それぞれいらっしゃいます。
最近特に言われている「学び直し(リスキリング)」が主に仕事に活かすための知識やスキルの習得と言われるのに対し、「生涯学習」は必ずしも仕事に活かすことを目的としない学びで、趣味や文化、地域活動なども含む「学び」だと言われています。
学びの動機は「必要性」だけではない
前述した通り、生涯学習は生涯にわたって行われる学習で学びの範囲も非常に広いですね。そう考えると、学び直しというのは生涯学習の一部と捉えてもよいのではないかと思います。ミドル期は働き盛りの世代とも言えますし、子育てや親の介護などで忙しい方も多い時期ですので、どうしても学びの内容としては「今の業務に活かせる」または「将来就きたい業務に必要」という分野が優先されるのではないかと思います。例えば今、バックオフィスの仕事をしているのであれば、今の業務に活かすという観点ならば法律系や経営系などの学びが優先されるでしょうし、バックオフィス業務のデジタル化の流れを考えるとIT系の学びの必要性を感じている方も多いと思います。学んだことが今の業務に役立ったり、将来のキャリアチェンジの可能性を高めてくれると信じることが出来れば、学びの動機付けになりそうです。
一方で、冒頭に戻ると「必要性から学ぶ」というだけではなかなかエンジンがかからないという方もいらっしゃいます。「学ばなければならない」といった動機では息苦しいと感じる人もいますし「今の仕事にモチベーションがない」人にとっては今の仕事でレベルアップをすることに前向きになれない方もいるかもしれません。
もし「学び」が「必要性のために仕方なく行うこと」でなく、「好きなこと・興味があることを夢中になって調べたり試したりする過程で習得できること」だったなら。そして、それを続けていることでいつの間にかキャリアが形成されていくのであれば、多くの方にとって、学びがもっと生活の一部になるのではないかと考えています。「ほぼ日社長・糸井重里さん」の記事からも、自発的に学ぶ楽しさや奥深さを感じることができます。
「必要性」と「自発性」の3LDK
ミドル世代は「仕事」で重要な責任を担うことも多く、時代の変化の最前線にいる場合も多いので、常に学びが求められると思います。「必要性」から学ぶことが一丁目一番地。ただ、それだけだと「学び」が時に辛いものになってしまうかもしれません。私が思うのは「必要性から学ぶ分野」と「自発性から学ぶ分野」を同居させることが大切なのではないかと思います。
今の業務に必要な学び
将来就きたい業務に必要になる学び
仕事に関わらず、自分が興味関心があることを調べる学び
この3つの部屋を作り、そしてそれら3つが融合する場所が自分自身。そこについては他の人も入って来られるオープン性を持たせた方が、学びの行き来ができるのではないかと思います。家で言えばリビングの役割。一人で黙々と学ぶのではなく、他の人と対話をするスペースも必要なのかなと思っています。
私もミドル世代の一人として以下の学びをしていますが、学ぶモチベーションが保ちやすいことを感じています。
今の業務に必要な学び → キャリア論、労働法、情報セキュリティ
将来のために必要な学び → IT系の基礎知識、法律系の基礎知識
興味関心があること → 趣味(自転車、動画編集、LEGO、音声配信)
「社会人の学び」の必要性がここまで言われる時代はなかったと思いますが、それであれば「必要だから学ぶ」だけではなく「夢中になっていたら学んでいた」という状態も作ることができたらいいなと思っています。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
主にミドル世代に向けて「学び」と「趣味」の大切さを文章にしています。
よろしければこれからもお読み頂けたら嬉しいです。