見出し画像

営業の猛者たちに届け!あなたをフルカイテンに迎えて最強の営業組織を作りたい理由

初めまして。
フルカイテン株式会社で代表をしています瀬川直寛と申します。

今回初めてnoteを書くことになり、しかもそのお題がフルカイテンのフィールドセールスに関するアレコレという指定だったので俄然やる気になっています。

と申しますのも、実は私、セールスには自信があるのです。
大学を卒業してから合計4社に営業職で在籍したのですが、その全てでトップの営業成績を出すことができたからです。

また、このnoteを読み終えた前提で、エンプラセールス採用のためのセミナーも実施しました。
下記にアーカイブを置いておりますので、この記事を読んだ後にぜひご覧ください。

自己紹介

奈良県出身の47歳(2024年時点)。
慶應義塾大学理工学部卒業。

大学時代は天然ガスを題材に温度・圧力などの変化に対して天然ガスの状態がどう変化するかを予測する計算モデルを研究していました。
これが後に役立つとは人生わからないものです。

大学での研究は面白かったのですが、私が10回聞いてようやく理解できることを1回で簡単に理解してしまう天才たちが多すぎて、研究を続けてもその道で自分がのし上がるイメージを持つことができませんでした。
だから理系脳を持ってビジネスの世界に飛び込もうと決めました。
その方が差別化になるのではないかと思ったからです。

大学卒業後は外資系IT企業に営業職で就職しました。
この会社は私が入社する10年ほど前に日本法人ができたので、社長から部長クラスまではほとんどが他の外資系企業や日本企業からの転職組で占められていました。
特に営業組織の外資系企業からの転職組はほとんどが元いた会社でトップクラスの営業成績だった猛者たちをヘッドハントしたらしく、それはそれは野武士のような一騎当千の営業が揃っている会社でした。

あの当時は、タンデム、コンパック、サンマイクロシステムズ、ヒューレットパッカード、ディジタル・イクイップメント、DELL、EMC、IBMなど外資系ベンダーが凌ぎを削っており数年のうちにこれらのM&Aが何度も起きて昨日の敵が今日の友になるような激動の時代でした。そんな時代にこの会社で出来た経験が私の営業としての能力を決めたと言っても過言ではありません。

まず黙っていたら誰も何も教えてくれません。
結果を出さなければ新卒入社の社員でも2年目に入るときに他部署に放り出されることもあります。(なんと私はそうなりかけました。部長の温情で助かったのですが。)
しかし不器用でも結果が出ていなくても必死で取り組む若者には部署や本部関係なく声をかけてくれる猛者が多く、そういう人たちから営業の様々なことを学びました。

例えば先輩の商談に同席させていただいた時の話です。
先輩はその商談のゴールを競合情報を聞き出すことと見積りに対するお客様の本音を掴むことに置いていたのですが、商談の時間がどんどん過ぎていくのに全くそれらの質問をしないのです。
そして最後まで何も聞かないまま商談が終わってしまいました。
全然ダメじゃないかと私は内心思っていたのですが、先輩はノートをカバンに片付けながら、

「ところで先日の見積りの件、率直にいかがでした?」

とかる〜い感じで質問したのです。

「え?今?遅くない?」

と思ったのですが、驚くべきことにお客様は

「あれなら通せると思うよ。ギリギリのかゆい線で来たよね」

と本音を答えてくれたのです。
この話にはまだ続きがありまして、商談室からエレベーターホールまでの通路をお客様と談笑しながら歩いていた先輩が突然思い出したかのように、

「あ、そういえば今回って弊社以外にどちらの会社にお声がけしておられるのかって私質問しましたっけ?ふと思ったのですが、他社さんとの違いも次回の提案に入れる方が⚪️⚪️さんも社内で説明しやすいはずじゃないかなと思うので、どちらの会社にお声がけされてるのか教えていただけませんか?」

と質問したのです。これにもお客様は

「まいったなぁ、そういう質問の仕方する?独り言ですよ。こことあそことあそこです」

と答えてくれたのです。

驚きはさらにありまして、エレベーターのドアが閉まるまでお客様は見送ってくださったのですが、深々と頭を下げる私をよそに先輩はそこまで深く頭を下げずにちらっとお客様の方を見ていたのです。
なぜそんなことをしているのか不思議に思い先輩に尋ねたところ、

「エレベーターの扉が閉まる瞬間っていうのは、お客様は一番緊張から解放される瞬間なんだ。その瞬間の表情には、その日の商談に満足だったのかどうかが映し出される。だからお前も見ておくといいぞ。色々見えてくるからな。」

という答えが返ってきたのです。

なぜ最も聞きたいことをノートを片付けながら質問したり商談室からエレベーターホールに向かう途中で聞いたりしたのか。
商談の時間内で質問しないのならその商談に一体何の意味があったのか。

ハテナで頭がいっぱいだった私は帰りの電車で先輩を質問攻めにしました。
先輩の説明はこうでした。

「お前はトップセールスの条件をお話上手だと思っていないか?またはへりくだって契約を媚びることだと思っていないか?

エンタープライズ企業向けの営業はお客様側の登場人物がとにかく多いけど、つまるところ局面局面は一対一の戦いだ。そしてその一対一の戦いの本質は心理戦だ。その心理戦を優位にするために情報戦を戦う

今日の商談の意味は、俺という営業担当がお客様から見て時間を使うのに値する営業担当だと思われることだ。だから今日の商談後にお客様が俺を専門家として認識し一定の安心感を持っている状態になることを目指して今日の商談を準備し構成した。

なぜそれが今日の商談の意味かというと、お客様が俺という営業に価値を感じて下されば、競合情報や見積りへの率直な感想を話して下さる可能性が上がるからだ。

そしてそういう本音を漏らしづらい話は、商談のようなお客様が構えている時に質問するよりも、俺のことを専門家と認識し安心感を感じてくださった後、もっと言えば商談特有の緊張感から解放されているであろう商談直後のノートをカバンに片付ける時間やエレベーターホールに戻っていく時間に聞く方がお客様の心の壁が低くなっているから答えて頂きやすいだろう。

そういう心理戦を戦って情報を一つ一つ集めていくんだ。」

野武士のような営業の猛者たちが毎日本部長の部屋に集まってこんな話をしているレベルの高い会社で刺激的な毎日を過ごした私は、入社3年目で完全なる新規開拓の企業から3ヶ月で6億円を超える受注をしトップの営業成績を出すまでに成長しました。

その後は日本のスタートアップ企業に3社ほど転職しましたが、ある会社では売上の9割が私の受注になるなど、どの会社でもトップの成績を出しました。

前置きが長くなりましたが私は今、フルカイテン株式会社の代表取締役として私が考える最強の営業組織を作りたいと強く強く思っています。

この記事では、今在籍している会社で営業の猛者として活躍する皆様に対して、

「お、フルカイテンの営業面白そう!腕試ししてみるか!」

と思って頂けることをゴールにしています。



営業の猛者たちが集まり始めています!

ミッション

フルカイテンの営業で何が面白いかというと、それは事業としての提供価値と社会に対する提供価値がコインの表裏のように存在することです。

ちょっとわかりにくいと思いますので説明します。

フルカイテンは、FULL KAITENというSaaSビジネスを通じて、
在庫起因の様々な課題を抱える小売企業各社に対して、
在庫の適正化という価値を提供し、それによって粗利改善という成果を創出しています。

このような成果を得られた企業は、今までより少ない在庫で業績を向上させるという大きなメリットを得ることが可能になります。

ここでフルカイテンのミッションを紹介します。

世界の大量廃棄問題を解決する

大量廃棄問題を解決するためには大量生産を抑制する必要があります。
私たちフルカイテンのSaaSを導入した小売企業各社は、前述のように今までより少ない在庫で業績を向上させられるようになるわけですから、大量生産型のビジネスモデルを脱却することが可能になります。
つまりフルカイテンのSaaSを導入する企業が増えれば増えるほど、大量生産型のビジネスモデルを脱却する企業が増え、それが積み重なることで大量廃棄問題が解決に向かうというわけです。

このことを「事業としての提供価値と社会に対する提供価値がコインの表裏のように存在する」と表現しました。

スタートアップ企業の中には、やたら視座が高いミッションを掲げているもののビジネスとのつながりが見えず実態として機能していないケースも多いと思います。
しかしフルカイテンでは日々の事業活動がミッションの実現に直結するのです。

エンタープライズ相手の営業を長年していると、

「俺の売っているサービスって、本当にこの提案書通りの価値を提供できているのか?」
「やたら大きな受注をもらえているけど、誰が幸せになってるんだ?」
「営業成績は良いけど、数字を達成するためだけに営業してるのはちょっと疲れたな」

みたいなモヤモヤした気持ちになることがあると思います。
私は28歳ぐらいの時からそんなことを思っていました。

こういうモヤモヤは、結局は

自分の頑張り <ー> お客様が得るメリット <ー> 社会への貢献

が一気通貫ではないことが発生原因なのだと思います。

フルカイテンは全く逆です。
前述したように、事業としての提供価値と社会への提供価値がコインの表裏のように繋がっていますので、迷わずに自信を持って営業することができるのです。

今在籍している会社で営業の猛者として活躍している皆さん、もしモヤモヤした気持ちで営業しているのならそんなことを気にする必要がないフルカイテンに飛び込んで、自分の出す結果がミッションの実現に繋がっていくことを体感する刺激的な日々を過ごしてみませんか?

初回商談で掴む!起業ストーリー

エンタープライズ相手の営業の難しさの一つに、お客様は大手企業なので様々な会社から営業アプローチを受けているから簡単に心を開いてくれないというものがありますよね。

無理もないことです。
毎日のように色々な会社から営業を受けているのですから、一社一社丁寧に話を聞くことなんてできないですし、「今日は情報収集が目的なので」と商談冒頭で予防線を張る気持ちも理解できます。

しかしそんな中でも確実に他の営業を出し抜いて大きな契約を得ている優秀な営業が存在します。

では一体彼らと他の営業の違いは何なのでしょうか。

それはやはり、その営業はお客様から見て話を聞くべき相手という地位を得ているということに尽きると思います。

20年ぐらい前までは接待攻勢でお客様とズブズブの関係になることで「話を聞くべき相手」という地位を得ている寝技が得意な営業の方もいましたが、コンプライアンスが厳しくなった今の時代はそういうタイプの方はかなり減ってきているように思います。

フルカイテンはこの最初の難関を乗り越える術を提供することができます。
なぜならフルカイテンは目の前のお客様と同じ在庫に関する様々な課題を実際に経験してきた会社なのでお客様の痛みをお客様と同じ言葉で理解できるからです。

フルカイテンは2012年5月に創業しました。
創業当時の社名は「ハモンズ株式会社」で、ベビー服のEC事業をしていました。

私はこのベビー服事業で、在庫が原因の倒産危機を3回も経験したのです。
その3回の倒産危機を乗り越える過程で生まれたのが今の弊社サービスFULL KAITENの原型です。
ではその背景を説明します。

1回目の倒産危機は、欠品による売上機会損失を恐れるあまり在庫を増やしすぎたことが原因でした。
売上を伸ばすには在庫を増やせば良いというのは小売業界の方なら誰もがわかる経験則なのですが、当時の私も在庫を増やすごとにリニアに売上が伸びていくのを見て嬉しくなってしまい、どんどん在庫を増やしていったのです。

しかし在庫を増やして売上が伸びても、実際には売れ残る在庫も出てきてしまいます。1回目の倒産危機は、この売れ残った在庫が会社の資金繰りを悪化させ、2ヶ月先の給与や支払いができなくなるというレベルのものでした。

この危機を乗り越えるために私が行ったことは、クリアランスセールをすることでした。
しかしここでふと思ったのです。

「どの商品を値引きすれば良いのかわからないぞ」

と。
例えば、ある商品の在庫がたくさん残っているとします。しかしその商品がこれからしっかり売れるのなら、今あるたくさんの在庫はむしろ戦力だと言えます。
逆に、ある商品の在庫が少ししか残っていないとします。でもその商品がこの先あまり売れないのなら、今残っている少量の在庫はリスクだと言えます。

つまり、残っている在庫の量が多いか少ないかで値引率を決めることはできないということなのです。

そこで思いました。

「そうか、在庫リスクを判断したければこれから売れるのか売れないのかを予測しなければいけないのだな」

と。

記事の冒頭で記載しましたように、私は大学で天然ガスの状態変化に関する予測の計算モデルを研究していたので、予測という計算技術には一定の知見がありました。

だから予測をしてみたのです。
倒産まで2ヶ月ですのでプログラムコードを書いてテストしてという時間はありません。なんせクリアランスセールの期間をしっかり取らないといけないわけですから。
私が行ったのは、簡易な計算で良いので少し先の見通しを立てられるようにエクセルで計算ロジックを組むというものでした。
そして値引きするべき商品を特定していったのです。

結果、このクリアランスセールで500万円程度のお金を取り返し、どうにか2ヶ月後の倒産危機を回避することができたのでした。

しかしその半年後に2回目の倒産危機が訪れました。

1回目の倒産危機を乗り越えた後、私は

「また倒産危機がきたらこの計算ロジックで売れない在庫を特定し値引きすれば良い。
だから引き続き在庫を増やして売上を伸ばしていこう。」

と考えて、在庫をまたどんどん増やしていったのです。

これがダメでした。

今までは在庫を増やせば売上も伸びていたのですが、今回は在庫を増やしても売上が伸びなかったのです。
だからあっという間に在庫が膨れ上がり、会社の資金が在庫になったままの状態に陥ったため倒産危機を招いてしまったのです。

とは言え、私には1回目の倒産危機を乗り越えた時に開発した計算ロジックがあります。
今回もそれを使い、クリアランスセールするべき商品を特定して値引きをしました。

その結果、またもやお金を取り返して倒産危機を回避したのです。

しかしこの時またふと思いました。

「作った計算ロジックは売れない商品を在庫リスクの予測により導き出すものだけど、在庫リスクが「売れる or 売れない」の二択しかないのは変な気がする。
まぁまぁ売れているとか、最近売れていない気がするとか、そういう売れる・売れないの間の状態が絶対に存在するはずだ。」

と。

そこで売れる・売れないの間の状態を可視化できるように計算ロジックを改善することにしました。

数字には連続値(0, 0.1, 0.2, 0.3, …, 0.7, 0.8, 0.9, 1)、離散値(0, 1)というものがあり、今までの計算ロジックは売れるか売れないかを判定しているだけなので在庫リスクを離散値として評価していたことになるのですが、本来は「まぁまぁ売れている」や「最近売れていない気がする」のような連続値的な状態が存在するはずなので、それを計算できるようにしてみたのです。

色々試行錯誤しましたが完成した計算ロジックの計算結果を見て、私はとても驚いたのです。

と言うのも、私が「これは売れ筋」と思っていた商品すなわち1という評価をしていた商品が、なんと0.7ぐらいの評価つまり「まぁまぁ売れている」ぐらいの評価でしかないということが分かったからです。

理由が気になるので、直近1ヶ月ぐらいの販促施策を振り返ってみました。
理由は一目瞭然でした。

なんとその商品は直近1ヶ月でほとんど販促らしい販促ができていなかったのです。
在庫を増やしていたのでどんどん新商品が入荷してくるため新商品に対する販促施策ばかりになっており、せっかく売れ筋に育っていた商品が販促機会を失って徐々に売れなくなってしまっていたのです。

だから私はそういった「元売れ筋商品」を集めた販促を行ってみました。
するとそれらの商品が全く値引きする必要もなく面白いように売れていったのです。
元売れ筋商品なのですから商品力はありますので当たり前と言えば当たり前なのですが、新商品ではなく手元にある売れ残り商品がこれだけのパフォーマンスを見せたというのは私にとっては衝撃でした。

だから私は元売れ筋商品の販促施策を増やしていきました。
その結果、新商品で在庫をいたずらに増やさずとも、今手元にある在庫を使って売上を伸ばすことは十分に可能だということに気づいたのです。

これで私は在庫を増やさなければ売上が伸びないという小売業界の経験則を破ることに成功したのです。

これでもう在庫で悩むことはないだろうと自信を深めた私が次に考えたのは、出来るだけ多くのお客様に買っていただこうというものです。
しかしこれが3回目の倒産危機を招いてしまいました。

当時は7000円以上購入で送料無料にしていたのですが、多くのお客様が買いやすくなるように2000円以上購入で送料無料に変更したのです。
購入者数が1.4倍になれば十分に利益が取れるという試算ができており、送料無料金額を7000円から2000円にまで下げるのだから購入者数1.4倍は余裕で達成できるだろうと考えていました。

しかし蓋を開けてみると1.2倍にしかなりませんでした。
様々な改善を試みたのですが、9ヶ月トライしても1.2倍が精一杯でした。
例えばあるバナーのクリック率を改善しても、そのバナーをクリックして遷移した先のページで離脱率が悪化するのです。
どこかを改善してもどこかが悪化し、そのイタチごっこを繰り返すだけでした。

購入者数の増加が1.2倍程度では、運送会社に支払う運賃を原価に入れた時点で赤字でした。
つまりお客様にお金を支払って商品をお届けしているようなものだったのです。
業績は急激に悪化し毎月のPLが赤字のまま9ヶ月を過ごすことになりました。

これがベビー服事業最大の倒産危機でした。
9ヶ月経過後にもうこのままでは倒産すると悟った私は、メルマガ会員だった約2万名の皆様にメールを出し、送料無料金額を当初の7000円に戻させていただくことを伝えて謝罪しました。

その謝罪メールには11通の返信がありました。
今でもよく覚えている返信です。

皆さん、この11通のうち7000円に戻すのはけしからんというお怒りの返信は何通だったと思いますか?

なんとたったの2通です。
残りの9通は、

「そもそもなぜ7000円から2000円に落としたのですか?私がこのベビー服ECを好んで使っていたのは、7000円以上買わないと送料無料にならない少し高めのお店なら、他の家の子と被らないベビー服が買えると思っていたからなんです。2000円に落として誰でも買えるお店になったのは本当に残念でした。」

という内容でした。

この時ほど商売の難しさを実感したことはありません。
私は送料無料金額が安い方がみんな嬉しいだろうと良かれと思って行った変更なのですから。
しかし当時のベビー服のお客様たちは全く喜んでいませんでした。
私のお客様たちが感じていた価値は「他の家の子と被らないベビー服が買える」だったからです。

送料無料金額を7000円に戻した結果、購入者数はみるみるうちに落ちていきました。
安物買いのお客様が一気に離れたのが理由です。
送料無料金額が7000円に戻ったことで、逆に客単価はグイグイ上がっていきました。
そして翌月にはギリギリ単月黒字に戻ったのです。

この時またふと思いました。

「客単価というのはこんなに利益感度が高いのか。
今まで客単価を上げるためのデータ分析というのはしたことがないな。
ちょっとやってみよう。」

と。

そして売上データを様々な角度から分析してみました。
同じ商品でも様々な商品と合わせ買いされているので、一つの商品に複数の客単価が存在しました。
それ自体は当たり前のことなのですが、そういう特徴を持ったデータを使ってどの合わせ買いの組み合わせの際に客単価が上がるかを可視化したのです。

私はこの計算結果を使ってベビー服の合わせ買い提案を改善してみました。
するとその翌月には客単価がおよそ500円程度アップしたのです。

購入者数は変わらないまま客単価が500円アップしたのですから、一気に営業利益が改善しました。
こうして私は倒産危機からのV字回復を成功させたのです。

実際のEC事業倒産危機の時のオフィスは在庫の山。自宅兼事務所の厳しい生活だった

私はこれらの計算ロジックを使ってベビー服事業を続けていたのですが、私の妻は少し違う見方をしてました。
妻は「この計算ロジックを小売企業に売れ」という考えだったのです。

妻は昔同じ会社の同僚だったこともあり、

「顧客の課題に対して筋の良い提案ができる能力があなたの強みなのだから、その強みを持ち前の営業力で生かすためにベビー服事業からもう一度IT事業に戻るべきだ。」

と考えていたのです。

何度か話し合ううちに私も妻と同じ考えになり、2012年の創業事業であるベビー服事業からこの計算ロジックを小売企業に販売するIT事業へのピボットを2017年に決めたのでした。

今紹介した3回の倒産危機を乗り越える過程で生み出した計算ロジックが今のFULL KAITENの原型になり、今はあの当時の面影がないぐらいに計算ロジックもその他機能も大きな進化を遂げています。

今説明した3回の倒産危機の内容は小売企業各社が抱えている悩みそのものです。
エンタープライズレベルの小売企業が抱える在庫課題も、その本質まで掘り下げていけば根っこにあるのはこの3回の倒産危機と同じなのです。

私たちは会社レベルで小売企業各社と同じ課題を経験し3回も乗り越えてきました。
こういったエピソードを交えて「めっちゃわかります!」と共感しながらお客様の課題を言語化していくことができるのは、毎日多くの営業を受ける立場にあるエンタープライズのお客様が私たちのことを「話を聞くべき相手」と認識し他社の営業より優先度の高い対応を引き出すのに役立つと思いませんか?

フルカイテンでは広報チームが3度の倒産危機について積極的に広報し、フィールドセールスチームを援護射撃しています。

ぜひ3度の倒産危機に関するエピソードを商談の中で自由自在に繰り出せるよう、自分の言葉に落とし込んでおいてほしいと思います。

まずはこのエピソードでお客様の心の第一の壁を破り、お客様にとって「話を聞くべき相手」という認知を得て他社の営業より一歩先を進みましょう。

そしてその次は、お客様から見てあなた自身のことを「在庫課題解決の専門家」だと認知して頂けるように営業ストーリーを組んでいきましょう。
そのためには提供しているSaaSプロダクトの理解度に加えて、ドメイン知識と生々しい解決事例が欠かせませんが、それらはフルカイテンの一員になってから学べば大丈夫です。

大手アパレルや小売メーカー出身のメンバーが多いカスタマーサクセスチーム。ドメイン知識習得をサポートします!

フルカイテンのフィールドセールスとして活躍するためには、そういったドメイン知識と同じぐらい自己紹介に記載したような心理戦と情報戦に勝つための営業スキルが重要です。
もしあなたがこれらのスキルを既に持っている営業の猛者であれば、FULL KAITENほど売りやすいプロダクトはないと思いますよ。

どんどん売って、自分の努力が社会をより良い方向に変える様子を実感してください。
あなたの出す成果が今の子供達の未来に役立つとしたら、そんなやりがいのある営業は他の会社にはないはずです。

参入障壁が分かる!7年の軌跡

さて次の話題にいきましょう。参入障壁の話です。

FULL KAITENは現在3つのSaaSプロダクトを提供しており、できることをものすごく単純化すると販売数の予測、在庫リスクの予測、発注数の予測を行うことができるというものになります。

これだけを見ると、簡単に真似できそうな気がしますよね、
「費用をいくらでもかけて良いのであれば」という前提がつくのであれば、もしかしたら可能かもしれません。
ここに参入障壁があります。

2017年11月にFULL KAITENのVersion1をローンチした時、月商数百万円ぐらいの規模のお客様への導入を前提にそういった規模の企業のデータを処理できれば良いという設計をしていました。

しかしいざローンチして見ると、すぐに問い合わせが来た7社の半分以上がエンタープライズ企業でデータの量もいわゆるビッグデータと言われるような量でした。

少し想像してみてください。

全国に何百店舗もある企業で、売上規模も数千億円です。
導入企業の各店舗の売上データと在庫データが毎日FULL KAITENに送信され、返品があれば過去の売上データを上書きしたり、不良品があれば過去の在庫データを上書きしたりしながら、過去に遡って統計値の再計算をし、最新化したデータを使って朝9時までに全店舗・全商品分の予測モデルを再学習させる必要があるのです。
そしてそれをFULL KAITENを導入している全ての企業向けに行う必要があるのです。

一般的なシステムでは導入企業の各店舗の売上データと在庫データをデータベースにWriteするだけでも何時間もかかるデータ量ですし、それを前述の上書き処理もしながらとなるとシステムの負荷も非常に高いものになります。
それらを終えてからデータをReadして予測や各種統計計算の処理に回すのですが、このRead処理も一般的なシステムなら何時間もかかるようなデータ量です。
そしてその後に予測や各種統計計算の処理をするのですから、サーバーなどのシステムインフラやデータベースミドルウェア(Oracleのようなもの)に何億円もの投資をしなければまず実現はできないのです。

FULL KAITEN Version1ローンチに問い合わせいただいた7社は実はVersion1ローンチから2ヶ月以内に全社が契約してくださいました。
しかし前述のようにエンタープライズ企業のデータ量を高速に処理できるような設計にはなっていないため、例えばブラウザで何かのデータを表示しようとクリックしても15分も反応がないような状態が続出したのです。

だから2018年に入って営業活動をストップし、ビッグデータを高速処理できることを目指した研究開発をスタートさせました。

ゴールは前述のような大量の処理を4時間から長くても7時間程度で完了させ、お客様が朝からFULL KAITENを使えるようにすることです。

そして制約条件は月々数十万円というFULL KAITENの利用料金で、フルカイテンにとってきちんと利益が出るようにインフラやデータベースミドルウェアへの投資コストを低く抑えられるようにすることです。

この研究開発は本当に難航しました。
結局一定レベルの解決ができたのは2021年4月なので、ほぼほぼ4年の年月をこの研究開発に費やしたことになります。
その間、ベンチャーキャピタルからの出資や金融機関からの借入を何度も行い、ほぼ全額をこの研究開発に投じてきました。
イメージの話になりますが、最終的にはデータベースミドルウェアを自社で開発することでこの問題を解決することができたのです。

そしてこの研究開発は実は今も継続しており、昨今の円安の影響でAWSの費用が高騰してもそれでも様々な計算負荷を低減させることで、お客様には高速なデータ処理環境を、フルカイテンには利益が出せるビジネス環境を提供することに貢献しています。

いかがでしょうか。
UIを真似してFULL KAITENと同じようなことができると言ってのけることならできるかもしれませんが、ビジネスとして成立させるためにはUIからは見えないシステムの裏側でこれだけの技術的優位性を持つ必要があるのです。

エンジニアの人数をかければ開発できるというレベルのものではないことはお分かりいただけると思います。
並のレベルのエンジニアを大人数集めても、多大なインフラコストをかければ動くという一般的なシステムが完成するだけだからです。

非常に高い技術力を持ったエンジニア組織、そういうエンジニアを探し出し採用する採用力、必要な研究開発資金を調達する調達力、4年間も売上が増えずに資金が流出し続ける経営を耐える経営の胆力など、様々な角度の力を結集しなければ安価なコストで動く高速処理基盤の研究開発は到底成し遂げられるものではないのです。

高い技術力を持つエンジニア達。長野県のパノラマオフィスにて

このように参入障壁は意外に高く、2017年11月のVersion1ローンチ以降、全く同じサービスで競合するような相手は生まれていません。
実はUIを完全に真似されたケースは何度かあったのですが、1年程度で各社とも撤退していきました。
上記のような高速処理基盤の開発ができなかったのでしょう。

この参入障壁の話はエンタープライズ営業の見積り感にも繋がります。

大手の小売企業はどこも何かしらの在庫課題を抱えており、その解決が業績の向上に直結することを十分に理解しています。
例えば売れる商品を売れる店舗に売れる数量移動させれば手持ちの在庫で売上を作れるのでBSの棚卸資産もCFのキャッシュサイクルも改善しますし、値引きが減れば営業利益が増えてPLが改善します。
また発注数量を適正化できれば売れ残った商品の評価損で失う粗利を抑制できるのでPLが改善します。

これらは大手小売企業の課長職以上の方々なら誰もが理解していることです。
これまで筋の良い解決策がなかったから課題認識はしているのに解決できずに放置されていただけで、もし筋の良い解決策があるなら是が非でも解決したい「諦められた課題」だったのです。

しかしこういった課題に数億円のシステム投資が必要となると話は変わります。小売企業は在庫課題の解決に対して数億円のシステム投資はほぼしないのです。

なぜかというと、数億円のシステム投資をするぐらいなら店舗を増やす方が簡単に手っ取り早く売上を伸ばすことができるからです。

フルカイテンが研究開発してきた高速処理基盤があれば、エンタープライズクラスの大手小売企業でも年間数千万円から1億円以内でサービス提供が可能になります。

SaaS系の企業でこのレベルの高速処理が必要なサービスというのはあまり聞いたことがありませんので技術的に真似をするのは難しいでしょうし、SIerが参入するには前述の通り1案件あたりの売上規模が小さすぎて旨みがないでしょうから、FULL KAITENは強い競合優位性を保持していることがわかると思います。

しっかり結果を出している営業の猛者たちは、

・他社との違いがあまりない提案
・安いだけの提案

でもその営業力で結果を出しているはずですが、心の中ではやはりモヤモヤした気持ちを抱えていることと思います。

FULL KAITENならそんな心配はありません。
参入障壁を生み出している競合優位性のおかげでモヤモヤを感じることはないので、その営業力を生かして違いを生み出してください。
営業の猛者ならどんどん結果を出すことができると思います。

提供価値を売る!尖ったプロダクト

色々な営業を見ていて気づいたのは、機能提案しかできない営業と価値提案ができる営業だと、価値提案ができる営業の方が圧倒的に結果を出しているということです。

機能提案というのはいわばカタログ的な内容を伝える営業です。
もちろんそれが不要というわけではないのですが、機能提案が必要なフェーズは契約までの一連の流れで言うと中盤以降のフェーズだと思います。

営業は究極的にはお客様が欲しい成果を提供することが役目ですので、提供中の機能で課題解決できるかどうかを確かめるのは必須だと思います。
その際にはカタログ的な内容を伝えて必要機能の認識に齟齬がないかを確かめることが求められるのですが、やはりそれは契約までの一連の流れの中で言うと決して序盤フェーズではなく中盤フェーズ以降の話になります。

では契約までの一連の流れの中で序盤から終盤までずっと必要になるものは何か。
それこそが価値提案なのです。

私は価値提案を次の3つに大別して定義しています。

①会社(フルカイテン)がお客様に提供できる価値
②プロダクト(FULL KAITEN)がお客様に提供できる価値
③営業担当がお客様に提供できる価値

営業はその日の商談ゴールに到達するためにこの3つの中からどれをを伝えるのかを考えます。

例えばこの記事の冒頭で紹介した私の先輩のエピソードを思い出してください。
あの先輩は「競合情報や見積りへの率直な感想を聞き出す」という商談ゴールに到達するため、その日の商談では「俺のことを専門家と認識してもらう」ことが必要だと考えました。
だからお客様の課題に対する情報提供のレベルを上げられるだけ上げるべく商談準備をしていました。社内の有識者の話を聞いたり、過去プロジェクトの生々しい話を集めたりして、10年前からその課題に精通しているかのような情報量を持って商談に入っていったのです。
お客様から見た時にも、この先輩から得られた情報は非常に価値があるものでしたので、狙い通りお客様はこの先輩のことを専門家と認識し、他社の営業より優先度が高い相手になったのでした。

これは③を使った事例です。

また「初回商談で掴む!起業ストーリー」で紹介した3度の倒産危機の話は、お客様の在庫課題を同じ温度感と同じ言葉で理解できる会社だということが伝わりますので、お客様は安心感を持って私たちに悩みを相談できるようになります。

これは①を使った事例です。

営業の猛者であれば①や③は言われなくても上手に使いこなすと思いますので、ここでは②についてもう少し深く説明したいと思います。
そのためにまずはフルカイテンが提供中のSaaS FULL KAITENのことをもう少し知っていただくところから始めたいと思います。

FULL KAITENは現在下記3つのプロダクトをマルチプロダクトとして保有しています。

FULL KAITEN〈在庫配分〉

どんな小売企業でも、A店で売れずに滞留している商品がB店では欠品して機会損失を起こします。
本来なら売れる商品を売れる店舗に売れる数量配置するべく在庫を移動させる必要があるのですが、この在庫移動計算は人力では不可能なレベルの計算になります。

例えば全国100店舗の小売企業があり、その企業が取り扱っている商品の種類が1万種類だとすると、少なく見積もっても100 × 1万で100万通りの在庫移動パターンが存在することになります。
しかもそれを未来の売上予測を行いながら計算するとなると人力ではまず対応できませんよね。

おまけに在庫移動にかかる運賃のことも考えて、出来るだけ近隣の店舗間で在庫移動させたいなどの実務上の要件まで出てきたら、もう業務負荷的にも対応は困難になってきます。

こういった複雑・大量かつ予測が必要な計算をAIで行い、売上を最大化する在庫移動のパターンを算出するのがこのFULL KAITEN〈在庫配分〉です。

導入前後で在庫移動による創出売上が570%増加した事例もあり、一つの小売企業の中だけでもこんなにたくさんの在庫が滞留しているのか(逆に言うと、それらの在庫が不足している店舗でこんなにたくさんの欠品による機会損失が起きているのか)と私自身とても驚きました。

FULL KAITEN〈在庫分析〉

買い物に行くと商品が値下げされているシーンを見かけますよね。
ああいった商品は、その企業にとって何かしらの在庫リスクがあるから値下げしてでも売り切ろうとしている商品なのですが、この在庫リスクの判定基準が曖昧だという問題があります。

例えば、定価で売れるはずの商品をうっかり値下げしていたり、値引きするにしてもそこまで深い値引率を設定する必要がない商品を深い値引率で値下げしていたり、明らかに危険在庫なのに値引きせずに放置されていたりという問題です。

誤解のないように申し添えますと、小売企業が何も出来ていないのかというと決してそんなことはありません。

一年を52週に分割し、全商品品番の毎週の販売数や在庫消化率(在庫何個中いくつ売れていくつ残っているかの割合)を毎週毎週集計して在庫リスクを判断するという取り組みはエンタープライズレベルであればほぼ確実に行われています。

しかしこのやり方自体に3つ問題があるのです。

一つ目の問題:
例えば今日が一年52週の4週目だとします。
集計表を見ると、ある商品が2週目には5個売れて、3週目には8個売れて、4週目には6個売れていたことがわかりました。
5週目に売れる数量をこれらの情報から自信を持って予測することはできますか?
ちなみに1週目に売れていた数量が10個だとしたら予測はさらに混乱しませんか?

この問題を回避するために、毎週の販売数を記録する以外に毎週の在庫消化率(在庫何個中いくつ売れていくつ売れ残っているかの割合)も記録することにしました。
集計表を見ると、ある商品の在庫消化率が2週目に30%、3週目に46%、10週目に58%だということがわかりました。
5週目で在庫消化率が何%までいくかを自信を持って予測することはできますか?

二つ目の問題:
一つ目の問題を回避するために移動平均を導入することにしたとします。
例えば3週間ずつずらしていく移動平均だとした場合、最初の3週の販売数移動平均は、(10 + 5 + 8) / 3 = 7.6になります。
次の3週(4週目、5週目、6週目)もこのペースで売れ続けると自信を持って言えますか?
もし季節性のある商品だったとしたら余計に難しくないですか?

三つ目の問題:
一つ目二つ目で説明したようなことを1万種類もの商品に対して一つ一つ考え、商品ごとの在庫リスクを判断して値引率を決めようとすると、その業務は何日あっても終わらなくないですか?
普通に考えれば来客が増える週末に向けて全国100店舗に値下げの指示を出さないといけないわけですから、店舗側の作業時間も考えると値引率の決定に何日もかける余裕はないですよね。

FULL KAITEN〈在庫分析〉はこういった問題をAIを用いた在庫リスク判定により解決します。
定価で売れるはずの商品、浅い値引率設定で良い商品、深い値引率設定が必要な商品を自動的に分類し、クリック一つでそれらをリスト化することも可能です。

導入から半年で粗利率が6.7ポイントもアップした事例もあり、どれだけ不要な値引きで粗利を失っていたかを知ったお客様も驚愕しておられました。
粗利率で言えば年間で1ポイントでも向上すればエンタープライズ企業なら営業利益額に大きなインパクトが出ますので、在庫リスクを適切に判断しながら値引率を上手にコントロールすることは業績へのインパクトが非常に大きいのです。

実際のFULL KAITENでの在庫分析の画面

FULL KAITEN〈補充発注〉

欲しい商品が売り切れていたという悲しい経験は誰もが経験していますよね。
これは小売企業側にとっても欠品による売上機会損失が発生しているわけなので避けたい事態です。
特に売れ筋商品でそのようなことが起きてしまうと売上予算の達成が難しくなりますので、欠品を起こさないという意識はたいていの小売企業が強く持っています。

しかしその欠品を恐れる意識の強さは在庫過多を生む要因にもなります。
上層部から「とにかく欠品だけは起こすな!」という指示が出ていたり、会社のカルチャー的に欠品を悪として評価する風潮が強かったりすると、在庫はいつも多めに発注されることになるからです。

本当は適切な発注数量さえ分かれば多めの発注など発生する余地はないのですが、FULL KAITEN〈在庫分析〉の説明でも記載したように小売企業各社の今のデータ管理状況では自信を持って発注数量を決めることは極めて困難です。

FULL KAITEN〈補充発注〉はこういった問題をAIを用いた需要予測により解決しています。

導入から5ヶ月程度で欠品率が40%程度低減した事例も出ており、つい最近(2024年5月)も家電量販店やホームセンターから提案依頼を相次いで頂戴しています。

いかがですか?
ここまで3つのプロダクトの説明を読んできて、機能的な話は少しでもありましたか?

お客様の課題とその発生原因をある程度の解像度で説明し、それを解決できることを伝えた上で、同じ課題の成功事例について触れただけで、機能的な話はほとんどしていません。
またどの話も企業の業績向上にどう繋がるかで締めくくられている点も見逃せないポイントです。

お客様はこの話を聞けば自社の課題について話してみようという気持ちになりそうですよね。
これがプロダクトを用いた価値提案の一つです。

価値提案のうち①と③は営業の猛者なら普通に行っているレベルの話だと思いますが、②については

・在庫課題とその発生原因に対する解像度の高さ
・それを解決できるプロダクト力
・実際の成果事例

がセットにならなければできない話です。
そしてそれがFULL KAITENには揃っています。

これまで営業してきた商材を思い出してみてください。
SIerの営業で、他社との差別化要因なんて実質的にない中で差別化を求められて苦しい提案をしていた人は多いはずです。
SaaSの営業で、業務負荷が下がるという提案に対して内心「本当か?」と思いながら提案していた人もいるでしょう。
ただ料金が安価だから提供価値は関係なく商談の数をこなせば一定の割合で受注できるという機械的な営業になっていた人もいると思います。

それって営業として楽しいでしょうか。

尖ったプロダクトを引っ提げて、お客様の課題と課題の発生原因を解像度高く語り、専門家としての信頼感を得て真っ当な金額で提案し、値引きせずに受注することで信任を得るという営業の方が営業の猛者としては心躍るのではないでしょうか。

価値を提案することの楽しさは、営業の猛者たちなら知っているはずです。
もう一度その楽しい営業を思い出してください。
フルカイテンなら営業の猛者たちの心を踊らせることができます。

長野県パノラマオフィス近くの古民家で宿泊。夜はエンジニアやデータコンサルタント、カスタマーサクセスメンバーとFULL KAITENの未来についてアツく語る時間ができた!

独自のGo to Market手法!PoD戦略

ここまでで営業の猛者たちならFULL KAITENはとても売りやすい商材だということを説明しました。
しかし実際のところ市場規模が小さければ、いくら営業の猛者たちがいても得られる結果は小さなものになってしまいます。

そこでこの章では市場開拓について説明します。
まず基本的なことなのに意外と気づいていない人や会社が多い事実に触れてみます。

市場は拡大にリソースを割かない限り、時間の経過とともに市場規模は縮小していきます。
よくスタートアップ企業のピッチ資料や事業計画を見ていると、市場規模が何千億円とか何兆円という形で定数として扱われているシーンに出くわしますが、あれは市場を全く理解していない証拠だと思います。
市場規模は縮小するか拡大するかしかなく、規模が不変ということはあり得ません。

なぜだか分かるでしょうか。

どんな企業でもマーケティングチームがリード創出に動き、それをセールスチームがアポイントに繋ぎ、商談化から案件化のステップを経て受注または失注という結果が生まれます。

これはつまり、マーケ活動や営業活動をすればするほど市場から対象顧客は減っていくという事実を表しています。
だから市場規模が不変のピッチ資料や事業計画はその時点でダメなのです。

例えばHorizontal SaaSのようにターゲットとなる社数や社員数や店舗数が何十万・何百万・何千万とあるようなケースなら、契約件数より分母となる社数・社員数・店舗数の方がはるかに多いので、マーケ・セールス活動の結果としての市場規模の縮小が与える影響は相対的に小さくなります。
しかしこれはあくまでも結果論の話(もっと言えば偶然の話)であり、実際は市場規模が縮小していることを忘れてはいけません。
そのような偶然任せの市場開拓をしていたら、例えばその市場に競合が何社も参入して市場が細分化された時に市場規模の小ささに打ちのめされて太刀打ちできなくなるからです。

SIerはこの点では非常に逞しい存在だと思います。
エンタープライズを対象としたSIerはそもそもターゲットとなる社数が少ないので、お客様一社から出来るだけ多くの売上を作る必要があります。
だから中途半端な金額の案件はやりませんし、あの手この手で予算を握るキーマンと繋がる努力をしていますし、ベンダーロックインのような状況を作って競合企業が入り込む余地を排除するような動きもしています。

ではFULL KAITENはどうでしょうか。

FULL KAITENは小売業界という1インダストリーに特化しており、その中でもエンタープライズにフォーカスしているVertical SaaSです。
つまりHorizontal SaaSと比較すると社数・社員数・店舗数は少なく、SIerと比べれば案件あたりの単価が低いので、市場規模は相対的に小さいと言えます。

だからフルカイテンにとって重要なのは、マーケ・セールスの活動が継続できるように市場規模を拡大し続けることなのです。
フルカイテンではPoD戦略とマルチプロダクト戦略を両輪にしてこれを行っています。

PoD戦略

フルカイテンではPoDを塊という文脈で使っています。
そして小売業界全体を20弱ぐらいの塊に分割し、それぞれをPoD1, PoD2, PoD3,...という風に呼んでいます。

PoDをよりイメージしていただくために一例を挙げておきます。

・中単価アパレル
・メガネ
・靴
・雑貨
・スポーツ用品
・ホームセンター
・家電量販店

フルカイテンの場合、各PoDに含まれる企業名と代表者名・取締役一覧・年商や取引銀行などの情報が全てSalesforceでPoDごとに管理されています。

そして各PoDの在庫課題が基本的に全て整理されており、どのPoDのどの在庫課題に対してどのプロダクトで価値を提供できるかがスプレッドシート上でマッピングされています。
そのスプレッドシートには成果創出の有無も記載されているので、これを見れば在庫課題とプロダクトと成果創出の3つが満たされているPoDが一目でわかるのです。

フルカイテンではこの3つが満たされているPoDを優先PoDとしてマーケチームとインサイドセールスチームが開拓してアポイントを創出し、それをフィールドセールスチームが契約まで持っていくべく営業しています。

しかしこれしかしていない状態が続くと、前述したように優先PoDの市場規模はどんどん小さくなっていきます。
だから未開拓PoDの開拓にも同時に力を入れています。

未開拓PoDの開拓は、まずは仮説づくりから始まります。
専門レポートなどを購入し未開拓PoDの在庫課題について仮説を立案します。
そして外部のサービスを利用してその未開拓PoDの企業に務める方を複数名見つけて仮説をぶつけて検証し、未開拓PoDの課題解像度を上げています。
この活動の成果として、現行のプロダクトで開拓できる未開拓PoDと別の新プロダクトがなければ開拓できない未開拓PoDとを分類していくのです。

実際に家電量販店・ホームセンター・ドラッグストアなどがこの方法で開拓され、今は各業界の上位企業ほとんどと商談をしているような状況です。

ただ、これだけでは不十分です。
先程記したようにFULL KAITENは小売という1インダストリーに特化しているので各PoDに含まれる社数を合計してもやはりHrizontal SaaSと比較すれば社数は少ないからです。
いくら未開拓PoDを開拓し続けても1インダストリー内の話なのであっという間に社数を食い尽くしてしまうというわけです。

マルチプロダクト戦略

そこでフルカイテンでは1社に複数のプロダクトを導入頂くことでお客様1社あたりから得られる売上の最大化という観点でも市場開拓をしています。(SIerと似た発想です。)
そのためにマルチプロダクト戦略を取り、現在は3つのプロダクトを展開しているのですが、実は今も他に2つほど新プロダクトのPocを行っており今年中にローンチすることを計画しています。

新プロダクトが登場すれば、一度契約いただいたお客様を市場規模から外すことなく市場規模にカウントできるようになりますよね。
在庫に起因する課題というのは非常に多岐に渡りますし、フルカイテンはその課題解像度が非常に高い会社なので新規のプロダクト案は実はたくさんあります。
これらを形にし、同じお客様に複数のプロダクトを導入頂く可能性を作ることで市場規模を拡大しているのです。

営業の方の面接をしているとFULL KAITENは市場規模が小さいと感じるという声を耳にすることがあります。
しかしそれは市場規模は放っておくと縮小する運命にあるので拡大させ続けなければいけないという真理に気づいていないが故の質問だと思います。

ここで説明したようにフルカイテンでは市場規模の拡大にリソースを割いてマーケ・セールスの案件が枯渇しないように事業を運営しています。
営業の猛者たちに入っていただくに際し、これは非常に重要な点だと思いますので説明しました。

大公開!勝ちパターン

さて肝心のセールスパフォーマンスについても紹介したいと思います。
ただこれは結構社外秘な情報になりますので、少し濁した書き方になります。ご容赦ください。

今のFULL KAITEN(2024年5月現在)は、契約が次の2段階に分かれています。

・3ヶ月の短期契約でトライアル(有償)
・トライアルで費用対効果を確認してから年間契約(もちろん有償)

3ヶ月のトライアル契約はエンタープライズ相手の商談でも初回商談から2ヶ月程度で契約まで行きます。

またセールスのフェーズは次の7つに分かれています。

①商談前
②課題の特定
③商談化 → 案件化
④キーマン合意中
⑤決裁者合意中
⑥トライアル決裁中
⑦トライアル契約

フィールドセールスは①商談前を初回商談で④キーマン合意中まで持っていくことを重視しています。
④キーマン合意中をクリアして⑤決裁者合意中に進むためには、

・キーマン特定(決裁権がある人 or 決裁者に上申できる人)
・金額合意
・スケジュール合意

という状態目標を30日以内に達成する必要があり、30日を超えるとセールスフェーズが一つ前の③商談化 → 案件化に戻ります。
無事に④キーマン合意中から⑤決裁者合意中にフェーズが移行すれば、その半分程度がトライアル契約までいくようなセールスパフォーマンスになっています。
④から⑤への移行はお客様の本気度が重要になりますので、フルカイテンでは商談時にネクストアクションを握って次回商談の日にちまでその場で決めるようにしています。

ご存じの通り営業の猛者のような優秀な営業は当たり前のレベルが高いですので、その場で次回商談の日程を決めるというのはその当たり前のレベルを組織として高めるためにも営業一人一人に求めていることです。

ちなみに①商談前を初回商談し、その結果が初回ノックアウトだったり②課題の特定で終わったりした場合はアポイントの質に問題がありますのでインサイドセールスとフィールドセールスが振り返りを行って改善していますし、②課題の特定ができても上申できる人が見つからなければ②商談化 → 案件化が進まないため場合によってはマーケとインサイドセールスの方で他の入口を探してもらうような活動もしています。

マーケ・インサイドセールス・フィールドセールスが協力し合いながら市場開拓を進めていることが伝わるのではないでしょうか。

小売経営のインフラになる!事業ポテンシャル

さぁいよいよ最後の章になりました。
ここではFULL KAITENの事業ポテンシャルについて説明します。

今(2024年5月末)FULL KAITENは200を超える様々な業種の企業やブランドに導入されており、それらの企業・ブランドの各店舗の売上データや在庫データが毎日FULL KAITENのデータベースに送信されています。
売上データだけで言えば売上金額の合計は既に2024年5月末時点で1兆3000億円を超えています。

このデータ量、単純にすごくないですか?

もしかしたら「大手の百貨店やECモールならもっと高い売上金額のデータを持っているはずだ」と思う方がいるかもしれません。
しかしよく考えてみて欲しいのです。
大手百貨店もECモールも、その百貨店やECモールで販売している商品の売上データを保有しているに過ぎませんよね。
FULL KAITENは導入企業各社の全販売チャネルの売上データを保持しているのです。
明らかに私たちの方が保有している売上データの質は上なのです。

それをより深く理解いただくためにもう一度ミッションの話に戻りましょう。
私たちフルカイテンは「世界の大量廃棄問題を解決する」という壮大なミッションを掲げています。
この記事の前段で触れたように大量廃棄問題を解決するためには大量生産を抑制する必要があるのですが、本来は個社ごとの大量生産を抑制すれば良いという単純な話ではなく、A社でこの商品がこれぐらい売れる場合B社ではこの商品がこれぐらいしか売れなくなるなどの会社を跨いだ影響も考慮しなければ全体最適な大量生産抑制はできません。

つまり私たちが目指しているのはサプライチェーン全体で売れる商品が売れる量だけ流通する社会を実現することなのです。

それを実現しようと思った時に大手百貨店やECモールのようにその百貨店やECモールで販売している商品の売上データをいくら集めたところでサプライチェーン全体の流通量最適化はまず実現できませんよね。
全販売チャネルの売上データがなければ話にならないのです。

フルカイテンではSaaS FULL KAITENの導入企業を増やすことで売上データや在庫データの保有量をさらに増加させるということに取り組む一方で、現在保有しているデータの価値向上に向けた研究にも取り組んでいます。

この研究が完了すると、例えば、導入企業各社のデータを統合し仮にアパレル業界であれば今どんなカテゴリのどんな商品がよく売れているのかを示せるようにしたり、同業他社と比較して自社が強いカテゴリや弱いカテゴリを可視化できるようにしたり、業界全体で数週間・数ヶ月先に売上が伸びるカテゴリを予測しその中で自社がどれぐらいの売上構成比を獲得できそうかを示すことで生産計画の最適化に役立てたりするといったことが可能になります。

こういう情報が得られるデータベースサービスを提供すれば、お客様は同業他社の影響まで考慮した適正な発注数の予測ができるようになりますし、日々の事業運営でも筋の良い販促計画を立てることができるようになり、サプライチェーン全体が少ない在庫でこれまで以上に業績を向上させることができるようになります。

データの力で「必要なものが必要なだけ流通する社会」へ!研究を重ねるデータサイエンスチームのメンバー

私たちフルカイテンはこういう仕組みを地球規模で展開し、世界中の小売企業がビジネスをする際にデータインフラとしてなくてはならない存在になりたいと考えています。

そこまでできれば、きっと世界の大量廃棄問題は解決するはずです。

CO2排出による地球温暖化は人類のラスボスと言えるぐらい大きな問題です。
私が子供の頃はフロンガスの影響でオゾン層が破壊されて地球の温暖化が進むという社会問題がありました。
フロンガスは当時は冷蔵庫などでも一般的に使われていたものですが、今フロンガスという単語を耳にする機会はほとんどありません。
私たちはフロンガスによって生じた地球温暖化の危機を既にクリアしたということです。

しかし今度はCO2が原因で同じ危機にまた直面しています。
CO2が崩壊するまでの半減期は5730年もありますので、事実上蓄積され続ける存在です。
今世界中がCO2削減やカーボンニュートラルを叫んでいますが、目標とされる数値を達成してもそれでも地球の平均気温は上がることがわかっており、例えば東京都でも海水が浸水する地域が出てくるレベルの影響があります。

商品は生産する時に森林の伐採や水の利用で資源を使いますが、廃棄する時にも同じように資源を使います。
そしてその資源を使った後に排出されるのがCO2です。
私たちが小売企業への提供価値を上げ続けることで大量廃棄問題を解決できれば、CO2という大きな大きな社会課題の解決に対して一定レベルの削減効果を発揮できるのではないでしょうか。

子供たちや子孫により良い地球を残す。
営業の猛者たちの高い能力をそこに役立てたい。

これが私が最強の営業組織を作りたい理由です。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
フルカイテンの営業にご興味を持たれた方は、ぜひ最後にご紹介するセミナーにお越しください。
エントリ―カジュアル面談も受け付けております!

FULL KAITEN営業のすべてを語ったセミナー動画

記事の冒頭でも紹介しましたが、このnote公開のあと、FULL KAITENのセールスについてより詳細を語ったセミナーを実施しました。
下記アーカイブをぜひご覧ください。


FULL KAITENのセールスメンバーの入社エントリ―

取締役COOによる、FULL KAITENの市場がよく分かる記事


いいなと思ったら応援しよう!