いつの日か病に倒れ鬼籍入り恐ろしいから死を望んでる この世など生きるか死ぬかそれだけで死はとっておき最後の祭り 生きたいと思ってなくとも腹は減る食べたいものもありゃしないのに わだかまるものもなければ胸に置くものすらない身素寒貧なり
何色に染まったところで地金出る未熟な色のその愛おしさ アルバムの中の兄妹布団にて笑い合ってるもう無き姿 壊れたるエレクトーンを奏でても流れる音は静寂の音 人肌の温もり忘れ幾星霜今は誰とも触れ合いたくない
これ以上出せない音量轟音で流れる音楽だけ愛してる 青春期流行った歌を手放せず未だ口ずさむ古き良き歌 令和の世赤色エレジー流しつつスマートフォンを弄る我が身 オレンジの空行き過ぎて月が出る寡黙な町に浮かぶ胡乱な 三百円いざという時とっておこ六文銭に使う金だし 寝て起きて同じことしてまた眠り一日の境見失う日々 あの頃は金があったと嘆いても小銭しかない没落貴族 追憶の家庭覚えて夕食の味が無くなるさもしい食事 恐らくは声をかければ集まれる まさかを恐れてただ静かに
その歳じゃ世の醜さはわからない私ですらもわかってないし ごめんなと我が歌流すネットの海まあいいだろう既に汚れて 自分すら己のことはわからないあなたになんて理解できない 今日は無駄、捨て日とするか 明日はきっと今日よりはまし 人信じる言葉の力振りかざし消えない傷を刻み込みたい
無様なり贅肉だらけの心体はとても人目に出せぬもの 美を詠めぬ我が歌にどうか鋭利さをそれも叶わぬなまくら刀 水面にて波紋広げる我が言葉大河に流すカルピス一滴 私には綺麗なものは書けません汚いものすら中途半端で
ただの人誰もが抱くものありてそれの名前は承認欲求 しょうもない儚さ歌うバラードは心届かず心響かず 変化あり短歌が生まれ詩が生まれ変化なき日々何も生まれず 老獪さ身につけ私楽ならずより辛いのはより苦しいのは 不調です心身体脳みそも次のやる気はいつ訪れる
町田康『くるぶし』を読んだ。何と感想の書きにくいこと。感想を書くことが許されないとすら感じる。 これを読み、「全てわかった」と言える程面の皮は厚くない。これを「わかる」と言ったら嘘になる気がする。私の感受性がそこまで育っていないからかもしれないが。 一言で述べるなら「日本語の暴力」だ。縦横無尽にあらゆる角度から「日本語」がやってくる。それを処理し切れる脳が、残念ながら私にはなかった。 決して面白くない訳ではない。ただ誠実に向き合おうとすると、「わからない」が正しい感想
殴りてえ ヤな奴イイ奴諸共に死んだら同じ躯並んで 他人をば殺せる言葉を探してるまだ見つからずよかったものだな ふざけんな餓鬼のまんまで死に晒せお前ではなくお前の親が
終わりゆく君に恋した季節すら何が本当何が真実 不変をば探しに行こう君となら不変がないことそれだけ不変 無理だった一つになること叶わずに今は何をしてるのでしょう 無視が効くあなたにそれを教わったならば私も声を返さず 傷つけることすら出来ず去った人不完全燃焼きみの勝ちです さよならは言わずに終えた友情は最後の情け最後の優しさ 嘘つくな「いらっしゃいませ」張り付いた笑顔で騙す殺意の挨拶 嘘嘘嘘私は私に嘘ついて君も嘘つくうすら笑いで こんな世は反吐で汚して腐臭させ二度
知る人は誰も彼もが嫌いな人一体何時からこうなったのか 口寂し いつになっても満たされぬ口唇欲求乳飲み子のまま 泣くことも叶わなくなった我が身です生きているとは言えるのでしょうか
人々に忘れ去られし場所に立つお願いどうか思い返して 思い出と言う名の枷に嵌められて今日も地獄で独りぼっちで ありがとう生き甲斐になり去る人よどうか元気でどうか死なずに
足元にただ縋り付き居場所求むとっくのとうに終わっているのに この斯界不変のものはないらしい消えた愛情感じる無常 君のこと知りたくないと思うのは私の怯懦嫌いたくない 今もただ愛していると言えるのか真の愛も今は玩具に 飽いたこと忘れるふりをしてみても失う情熱もう戻らずに
何年も口にしてない青林檎忘れてしまったその味感触 駄菓子屋のよっちゃんイカを思い出す当たりが出ると老婆笑って 一応書く数年後には忘れても今の暇つぶしにはなるから 要りはしない人付き合いに役割もドアを開けずに今日は独り 聞かせてよつまらない歌今はただそんな気持ちで揺蕩ってたい
気に入った傘は大事にしておいて増えていくのはビニール傘 愛もなく書くだけ書いて冒涜す老兵死なず立ち去るのみと
死なねば善し生きれば百点、満点だ そう言い聞かせ今日も生きてる 傷心も数年経てば思い出に何も感じぬ時が来るから 転がった路傍の石に思い寄せこう在りたいと硬質な心
合致しない需要と供給悩まされ作りたいもの作る覚悟を 愛してたただ一人への愛失くし今は惰性で自分を騙す この世こそ無間地獄の様相を転生するまで何年かかる