![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/130498599/rectangle_large_type_2_ca69a25252835b29a44e59500c8383f9.png?width=1200)
#1057 ネコは「原因と結果の関係」を理解しているだけでなく「物理法則」も理解している
猫が物理法則を理解しているという話題は、彼らの認知能力に新たな光を当てるものです。京都大学の研究では、猫が単に原因と結果の関係を認識するだけでなく、物理法則についてのある程度の理解を持っていることが示唆されました。この発見は、猫が狩猟行動をとる際に、見えない獲物の存在をただ音から推測しているという以前の研究をさらに発展させたものです。
猫は、その敏鋭な聴覚を使って環境の音を解析し、たとえば容器の中の物体が動いたときの音から、その容器に何かが含まれているか否かを感知することができます。この能力は、獲物を探す際に極めて有用です。もし容器が動き、それに伴って音がする場合、猫はその音に応じて容器内に物体があると推測します。これは猫がある種の物理法則、特に因果関係を認識していることを意味しています。
さらに、猫は容器をひっくり返した時だけでなく、容器が動いている時の音を聞くことで、内部に何かが入っているかを判断することもできるようです。例えば、猫がシェイカーを振った時に中から音がする場合、中に何かが入っていると理解します。しかし音がしない場合は、中身が空であると結論づけることができます。
猫のこのような行動は、彼らが日常生活で物理法則を何らかの形で使っていることを示しています。彼らが持つ感覚的な知識は、ごく自然な方法で獲物を狩ることへと直結しています。この能力は、猫が生存する上で有利な適応であると言えるでしょう。
しかし、猫が物理法則を「理解している」と言う時には注意が必要です。人間のように抽象的な物理法則の概念を学習し、言語化することはできませんが、経験的な方法で物の動きに関する予測ができるという点で「理解」していると考えることができます。
以上の話題に触れた文章は、猫の認知能力に対する興味深い洞察を提供し、彼らの振る舞いに新しい視角をもたらします。動物行動学における知見の拡張は、動物達がどのようにしてこの世界を理解しているのか、そしてそれが人間の理解とどう重なり合っているのかについての理解を深めることに繋がります。