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察しがつかない

【1000字くらい】

こんばんは。「理解のある彼くんになりたい」イツカです。

彼女がPCでイツメンと通話している後ろで、寝転がってこれを書いている。
昼間に「ちょっと思ったんだけど」から始まる長文LINEがきた。
仕事の合間にちょこちょこと返したが、本筋はバイトが終わったら話し合いになるだろうと思っていた。

しかし実際はこの有り様、彼女はゲーム画面の共有画面に笑いながら話しかけている。
確かに「帰ったら話をしよう」とは言っていない。「今から帰る」というLINEも未読だ。

それでも昼間あれだけ「察してはやめて」などの指摘をしておいて、こちらの様子をうかがってくれないのはさすがに骨が折れる。

言わなくても分かるだろうというのは欺瞞なのだろうか?
10年以上働いていない彼女には、「うつ病を抱えながらなんとか常勤の仕事を終わらせて帰る疲れた感じ」が分からないのだろうか。今夜はバイトまでしてきたというのに。

(日をまたぐ)

「例えば毎日毎日疲れたー、と帰ってきてもいいの?」と聞いてみると「それなら疲れてると分かる」といった感じ。
疲れてないと思われていたようだ。

ここからイツカは踏み込んで「疲れてるみたいだから何かしてあげよう」という気持ちにならないのか?と疑問を持った。
彼女だってボランティア精神が全くないわけではないだろう、とタカをくくっていたのだ。

その後、話し合いは「私が遊んで一日過ごしてるわけじゃない」という話題に変わり、いかに毎日が辛いか、以前死にたいと嘆きながら包丁を持ち出した時の話になった。

イツカはなんとか「刃物を出されて怖かった」と口にしたのだが、いかに頸動脈が切りづらいかという話になった。「怖かったね、ごめんね」と言って欲しかった自分は察してちゃんだろうか?

ということがあり悶々としていた所にひとつの仮説がたった。
彼女は今、非常に脳が疲れていて、イツカが「察する以前の話」と思っている所にも気が付かないんじゃないだろうかと。

そうじゃないにしても、彼女がいま「分からない」ということが分かった。
この先に分かってもらえるかは分からない。

ただ、付き合いたての当初はもう少し彼女にも配慮があった気がする。
彼女は慣れない同居生活でじわじわと疲れているのだ。きっとそうなのだと自分にとなえてしばらく生活することになりそうだ。

前回の「セフル言論統」から打って変わって、それぞれ思っていることを伝えようといつ着地になった。

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