9月5日(火):労働供給制約社会の到来と産業の高度化
先週の日経産業新聞では「労働市場の未来予測」という連載があり、労働人口の不足やそれに付随する種々の問題についての提起がなされていました。
具体的には2040年には1,100万人の労働人口が不足する予測で、高齢化による需給ギャップが主たる要因です。
企業の景況感に起因する労働需要の増加ではなく、人口構造に伴う需給ギャップから生じる供給不足として「労働供給制約」と呼ばれています。
前述した展望はかねてから想定されていたことで特段の驚きはなく、こうした労働不足を補うためのシニアや外国人の登用はもとより、自動化や機械化の流れはいっそう強まっていくでしょう。
特に足元では賃金上昇が確実に進んでおり、人件費の上昇を抑えたい企業にとっては人手に頼らない方向への転換を後押しする要因にはなりますね。
同連載では賃金上昇と機械化・自動化による産業の高度化が進むか否かが経済の浮沈を左右する旨を示唆していました。
当然ながら私たちフィットネス業界もこの流れのなかに身を置いているので、こうした流れは不可避です。
既にフィットネス業界でも機械化・自動化による無人化は顕著になってきました。
そうしたなかで「人」としての働き手に求められるのは労働生産性の向上です。
周知の通り、労働生産性は付加価値額を労働投入量で割って算出します。
つまりフィットネスの現場に身を置くフィットネストレーナーに求められるのは、いかに付加価値を生み出せるか、との観点に尽きますね。
もはやフィットネス業界も単純労働としてのルーチンワークしかできない人の居場所はなくなってきています。
これまでも繰り返し記載をしてきたことですが、産業が成熟して高度化していけば、そこに属する人間(フィットネストレーナー)に求められることも必然的に高度化していくものです。
顧客ニーズに応えたり、価値提案をしていくことが前提になっていくので、フィットネストレーナーとしては立ち止まることなく多方面で学び続けることが大事になっていくと思います。