2月27日(月):AI教材で変わる役割
昨日は「高度化する戦術に応じてアップデートが求められるトレーナー」といったことを記しましたが、本日もその続きをもう少しばかり。
私たちフィットネス業界はコロナを経て業界の再編、業態のシフトが進みつつあります。
現在の社会的な背景、それをふまえたマーケットのニーズに応えるべく、フィットネスクラブも改めて価値の再構築が求められる局面ですが、それに伴ってフィットネス業界に従事する人材へ要求される事柄や水準も変わっていきます。
これはフィットネス業界だけに限った話ではなく、対象を取り巻く競争環境が変わったり、産業のステージが成熟をしたり、戦術が高度化をしていけば、その渦中にある人に求められることも必然的に変わるものです。
一例でいえば学習塾なども同様な状況にあると思います。
先般には日経MJにも「AI教材が変える塾の形」と題した記事があり、AIを活用したデジタル教材の導入によって塾講師の在り方にも変化が出てきている旨を報じていました。
従来の学習塾における個別指導は生徒2~3人に対して1人の講師がついて個別対応をしていましたが、AI教材を導入した塾では生徒7~8人に対して1人の講師で対応するようになったといいます。
AI教材がタブレット上で生徒個人のレベルに合った問題を提供するほか、問題を間違えた際には単に同じ問題を繰り返し解かせるのではなく、理解できていない部分まで遡って出題し、生徒が自らハードルを越えていく道筋を提示するのだそうです。
また講師側には生徒がどの問題を解くのに時間が掛かっているのか、解説の確認時間が短いなど、定量的に生徒の状況が可視化されるから、どの生徒をサポートすれば良いかが明確になり、これまで以上に効率運営ができるようになったと記されていました。
こうしたAI教材の導入で指導そのものは標準化され、個別対応もなされていくと、講師の役割は従来のように「解き方を教えること」から別な役割が求められるようになっていきます。
記事内では自立学習の支援としてコーチングに徹することや、生徒を励ますモチベーターの役割を担っている事例が紹介されていました。
このようにして環境の変化や顧客のニーズに応じて、提供者側に求められる役割も変わっていきます。
私たちフィットネス業界のトレーナーも運動指導者として顔はもちろんですが、モチベーターやカウンセラー、エンターテイナーなど様々な横顔を併せ持ち、それを状況に応じて使い分けていく必要がありますね。
1つひとつへの深さもそうですが、多能工としてのマルチロールも含めて求められることが高度化していく流れは避けがたいので、社内でもそれにフィットしていくトレーナーが増えていけばと思っています。