見出し画像

「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論599」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第18号(2005.5.25発行)「米国クラブ業界のトレンド2005」2~※名称等は当時、一部文章省略

IHRSA設立に関わった一人で、この業界で30年を超える経歴を持ち、アメリカフィットネス業界の歴史と財務に知悉しているマネジメントビジョンCEOリック・カロー氏に「米国クラブ業界のトレンド」と題してセミナーを提供して頂いた。
現在カロー氏はクラブオーナーを退き、コンサルタントとして活躍。
この6年間で1300社以上のコンサルティングを手掛けている。

クラブの差別化要因と11の業態
では、次に差別化要因としてどんなものがあるかを見てみましょう。
立地、質の高さ、施設・設備、清潔さ、営業時間、プログラム&サービス、営業システム、価格設定といった要因が挙げられます。
業界内の競合を考えれば、将来的に独自のポジショニングを明確にし、ニッチマーケットを強く惹き付けることが益々、重要になります。
米国には11種類の業態があります。
その中で最も典型的で、伸びているのが民間クラブです。

周辺業界の動向
では、周辺業界の動向はどのような状況にあるでしょうか。
ホームフィットネス市場が伸びていて、現在の市場規模は47億ドルとなっています。
この市場規模は民間クラブの市場規模の3分の1にあたります。
スパ業界も特にデイスパを中心に大きく売上を伸ばしてきています。

業界の統計数値
ではここで、いくつか米国の統計値をご紹介しましょう。
過去15年間、この業界は会員数では年あたり7%のスピードで伸びてきており、現在、総会員数は4,000万人となっています。
クラブ参加率は14%です。
週に2回以上クラブに通う、所謂コアメンバーの数も年々伸びてきていて、現在のクラブメンバーの40%がこのコアメンバーとなっています。
先ほど11業態あるという話をしましたが、現在あるクラブのうち過半数が民間クラブで、非営利クラブは約3分の1にあたる36%です。
2003年には、現在の総会員数4,000万人以外に2,800万人がゲストやプログラムの利用など何らかの機会にクラブを使ったというデータがあります。
ですので、2003年にクラブを利用した人は合計6,800万人ということになります。
会員の年間の利用頻度は過去5年間90日前後、つまり週2日前後であまり変化は見られません。
クラブ数に関しては、直近、7年間の伸び率が若干高く、2004年7月時点で26,040軒となっています。
男女比では女性が53%と若干男性より多くなっています。
2年前は女性が51%でしたので、女性の比率が少し高まっていることが分かります。
年齢層に関しては、35~55歳の層と55歳以上の2つの層が特に伸びています。
それに対して18~34歳の層では伸びが見られなくなっています。
会員の年収については、約半数が世帯収入75,000ドル以上となっています。
可処分所得の高い人が高い割合を占めていることが分かります。

~ここまで~

統計データに、民間クラブ外の会員数も含まれていることや保険制度の違いから一概に比較はできませんが、約20年前には既に参加率が14%を超えていたという事実は日本の業界人として、国内参加率の低さに改めて残念な思いがしてしまいます。

日本ではここ30年ほど、民間クラブ参加率は3~4%前後で一貫して推移しており、現在の米国で20%を超えている事実を考えると、業界全体の力強さに欠けていることはやはり否めません。

これは前回触れた同質化競争から抜け出せない経営者マインドが大いに影響しているようにも思います。
特に米国のトレンドを追随し、同業他社を見ているだけの経営では、もはや共倒れになる恐れすら感じてしまいます。

お読みいただきありがとうございました。

※株式会社フィットネスビズは現在、社員募集中です。詳細はコチラ↓ 

宜しければサポートお願い致します!