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10月7日(金):広がる「アドベンチャートラベル」

先週の日経MJには「北海道『体験型』観光ガイド育成」と題した記事がありました。

同記事で取り上げていたのは北海道がアクティビティーや自然などを楽しむ体験型観光「アドベンチャートラベル(AT)」目的で国内外から訪れる旅行客向けの新しいガイド制度を2023年に立ち上げる旨を報じたものです。

ATについて少し補足をしておくと、これは「アクティビティー」「自然」「異文化体験」の3要素のうち、2つ以上を含む旅行スタイルの総称を指します。

1980年代にニュージーランドで発達し、欧米を中心に環境意識の高い富裕層の人気を集めて支持が広がり、国内では北海道がその先進地域になっています。

アクティビティーや自然はイメージしやすいと思いますが、異文化体験もコンテンツとしての魅力は高く、それが滞在日数や売上面のプラスに大きく寄与しているようです。

確か2週間ほど前の日経ビジネスでは特集記事が観光関連で、そこでもATについての事例などが紹介されていました。

そこで取り上げられていたのは北海道なら夜の森を舞台にアイヌ民族の神話の世界を再現したデジタルアートが浮かびあがる「カムイルミナ」や、宮崎県の高千穂では国の重要無形民俗文化財に指定される「夜神楽」をベースにした「高千穂神楽」などの事例です。

こうしたATの良いところは地方にこそ、コンテンツになりえる経営資源がたくさんあることだと思います。

自然やそれを舞台にしたアクティビティー、さらに郷土文化にしても、これらは都市部よりも地方のほうが独自のそれを持っていますからね。

かつて訪日外国人旅行者4,000万人と旗を振っていた時には爆買いなどの恩恵もありましたが、メジャーな観光エリアと地方におけるインバウンド格差は非常に大きかったし、集中するエリアでは観光公害と表現されるようなマイナス影響もありました。

そういった点を踏まえるとATを深掘りしてコンテンツを磨くことで、再びインバウンドの需要を掘り起こしていく際に、かつてとは違った形で人を呼び込める地域が増えていくだろうと感じます。

私も20代の頃には転勤で博多に住んだり、1ヶ月弱ほど宮崎に滞在したこともありましたが、当時は地の食べ物こそ味わいましたが、文化的な探索をするには至りませんでした。

今にして思えば非常にもったいないことをしたなと思いますが、当時はそこまでの余裕もなかったので仕方ないですね(笑)

いずれにせよ日本の各地に前述したような深掘りできる魅力があるでしょうから、様々な地域での成功事例が増えていけば良いなと思っています。

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