9月30日(土):広がるか!?「ラーケーション」
先般に日経新聞の記事で目にした面白い取り組みは、愛知県で今年の2学期から導入された「ラーケーション」です。
ラーケーションは「ラーニング(学習)」と「バケーション(休暇)」を合わせた造語で子どもが学校公認で年3日まで平日に休める制度となっています。
こちらは校外での自主学習日との位置づけで、欠席にはなりません。
ラーケーションでは史跡名所巡りや動植物園見学、農業体験、絵画・映画・音楽鑑賞など幅広い使い方を認めているそうです。
もちろん、家族での旅行による社会学習などもその一環だといいます。
愛知県でこのような取り組みを始めた背景にはワークライフバランスの充実も推進しており、学校の平日休みを認めることで保護者らの有給休暇の取得促進による働き方改革も意図しているとのことです。
また同記事では別な事例として大分県別府市で今年9月に始まった「たびスタ(旅とスタディーを合わせた造語)」のことも取り上げていました。
先ほどのラーケーションと同様に年3日まで平日に休むことができる制度で、市立小中学校の児童生徒を対象にしています。
別府は日本有数の温泉地で第3次産業で働く人の割合は8割を超え、10人に1人が宿泊・飲食サービス業に携わっており、土日に働く保護者が多く、子どもと休みが合わない悩みがあったようです。
そこで「たびスタ」を通じて家族の時間が取りやすくしたり、平日旅行等で地域経済も活性化すれば、との意図も語られていました。
前述した2つの新たな取り組みが始まった背景には多少の違いはあるものの、同時期にこうしたものが出てくるというのは、そうした必要性が高まっていたり、「みんな一緒」からの転換が進みつつあることの現れでしょう。
既にスタートを切った事例以外に、熊本県教育委員会でも類似した制度の導入に向けた検討も始まっており、少しずつ広がりを見せていきそうな気配があります。
個人的には平日に一定数の自由な休みを取得できるのは賛成です。
仮にどこかへ出かけるにしても週末や大型連休では無駄に料金が高かったり、混雑・渋滞があったりして、平日に出かけるほうが時間も費用もストレスフリーで有意義ですからね。
もっとも我が家はこうした制度がなくても、私のスケジュールに合わせる形でこれまでにも子どもたちを平日に休ませて機会をつくってきた経緯もあるので、そこは制度の有無にかかわらないかもしれません。
それでも制度として公になることで選択肢が広がることは確かだと思います。
学校での学びを軽視しているわけではありませんが、学校の外にも触れてほしいことはたくさんありますからね。
そんなこんなで少しずつでも子どもや家族にとっての休み方の自由度が高まっていけば良いなと思っています。