「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論408」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第7号(2003.9.25発行)「業態の研究」2~※名称等は当時、一部文章省略
Ⅰなぜ業態か
「業態」として捉えることで、戦略的な視点から自クラブが目指すべき本来の姿を明らかにすることができる。
また完成度の高い業態は顧客から見て「わかりやすいもの」として映り、相応の支持が得られることだろう。
これが今回、業態をテーマとして採り上げた一つ目の理由である。
実はもう一つ理由がある。
それは多くの市場関係者や新規参入者らが今、熱いまなざしをクラブビジネスに注いでいることに関係する。
私たち「フィットネスビジネス」編集部にはこのところ毎日のようにそうした彼ら彼女らからコンタクトがある。
彼ら彼女らは決まって言う。
「フィットネス業界は必ず成長するはず。それを確認したい。」と。
そして自信と不安を混ぜ合わせたような複雑な表情を浮かべ、キャピタリストとしてのイグジットプランやニューカマーとしての新業態プランを披露する。
編集部はその度ごとに業界の現状や勝者と敗者を別つ要因、「勝者」でさえ不足しているものなどを示した上で、彼ら彼女らのプランの是非を論じる。
そう、本誌で業態を採り上げるもう一つの理由とは、この業界の可能性を信じて関係を持とうとしている彼ら彼女らの手助けになる情報を整理して提供したいということもある。
業態とは彼ら彼女らの「ビジネスモデル」と近似している。
本稿が彼ら彼女らにとっても分かりやすいものになれば幸甚である。
~ここまで~
当時は、ベンチャーキャピタルの数社がフィットネス業界に興味を持ち、実際、数は少ないですが、投資に至ったケースもあったと記憶しております。
ただ、今回のパンデミックで改めて感じたことは、業態論やビジネスモデルを言語としてクラブ経営を考えると、どうしても模倣性や効率化といった側面が強くなり、この業界ならではの良さとトレードオフになってしまうということです。
業界の歴史として、今回の記事を教訓にすることは大いに意義深いと言えますが、次に期待される業態を考えようという思考は同じ轍を踏むことになりかねませんので、注意が必要です。
本業不振の窮余の策として24Hジムを考えている異業種企業は、特に注意が必要だと思います。
本日もお読みいただきありがとうございました。