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11月18日(月):「開かれた場」を意図するZEN大学

先般にはドワンゴと日本財団が構想する通信制大学「ZEN大学」について大学設置・学校法人審議会が2025年度の新設を認めるよう答申したことを受けて記事をアップしていましたが、それに関連した話をもう少しばかり。

2025年4月開学が決まったことを受け、同大学の準備会は先週の11月12日に記者会見を行い、経済的に支援が必要な学生や自己活動を行う学生を対象として、公益財団法人 日本財団の支援のもとで授業料免除など最大計600人を対象とした奨学制度を設けると発表しました。

同大学が創設する日本財団ZEN大学奨学金(授業料免除型)では、学生の学費・生活費を負担する生計維持者の収入合算が700万円未満で、ZEN大学で学んで卒業する意思のある学生に対し(対象人数は500名まで)、年間38万円の授業料と入学検定料・入学金(合計6万6000円)を全額免除する内容です。

また特待奨学生支援制度(返済不要)では、実績のある社会人や研究・活動に期待がかかる学生に対し、年間で原則50万円を給付するもので、こちらは100名を対象としています。

通学不要のオンラインによる大学で一般的な大学に比べれば圧倒的に固定費が抑えられる分だけ年間の授業料も安価な設定になっていますが、こうした奨学制度も含めて、誰しもが学びやすい開かれた場にしていくのは良いと思いますね。

また金銭的な支援とあわせて、AI活用などの環境面でも積極的な支援を行う意向で、AI活用奨励制度「日本財団HUMAIプログラム」を創設し、学生が学術研究活動でAI技術を積極的に活用できるように援助するようです。

具体的には、日本財団からの支援に基づく「AI活用奨励金」とAI利用による「研究奨励金」を支給するほか、コミュニティ内でほかの学生と知見を共有して学術研究を深められるようにするといいます。

その他、他大学との交流機会を設けるとしており、世界7都市を巡りながら学ぶ米ミネルバ大との連携や、東大や慶応大などの学生とともに学ぶゼミ形式の授業も開講するとのことです。

金銭的な負担を抑えたり、支援によって入口部分のハードルを下げ、さらにはAI活用の積極支援による環境面での学びやすさ、そして他大学との連携やコンテンツ共有など、いろいろな意味で「開かれた場」を模索しているのは伝わってきますね。

奇しくもZEN大学が会見したのと同じ11月12日には文部科学省による発表で、2050年の国内の大学入学者が42万人に減り、入学定員が現状を維持すると3割は定員が埋まらなくなるとの試算が出ていました。

これまでは2050年時点で2割が埋まらなくなると見通しでしたが、実際の出生数が少なく推移している状況から、先のように定員割れが加速していきそうです。

現状の少子化が止まらない以上は大学の再編や淘汰は不可避だと思います。

そのなかでオンラインのZEN大学などが新しい風を吹かせていってくれると、大学の改革が進む契機になるかもしれません。

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