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3月31日(日):機能性表示食品の一斉点検へ

以前に機能性表示食品市場では持続的な成長が見込まれている旨を記しましたが、小林製薬の紅麹を使ったサプリメントの影響で状況は一変することになるだろうと思います。

この記事を書いている時点(3月28日現在)で回収命令が出た同社の機能性表示食品を摂取後に亡くなられた方が4名、入院患者が100名超、相談件数は3,600件を超えると報道されています。

現在も多方面で状況の確認が進められている最中で、被害を受けた方の報告人数が日増しに増えていることから、その影響はさらに広がるものと思われます。

機能性表示食品制度が始まった2015年以降、機能性表示食品による大規模な健康被害の事案は今回が初めてのことになります。

本来は身体にとって何かしらのプラスαをもたらすべきはずの商品が、それとは反対に健康を害する引き金になってしまえば本末転倒なのは言うまでもありません。

今回の紅麹による健康被害を受け、機能性食品として届け出のある約7,000件全てについて一斉点検を行い、他の商品での健康被害の有無などを確認する運びとなりました。

これまで機能性表示食品の市場は堅調に推移してきて、2024年の国内市場規模は前年比7%増の7,350億円が見込まれていましたが、今回の健康被害事案によって機能性食品表示制度への信頼が揺らいでしまったことは確かでしょう。

そのため本件以前に見込まれていた市場の伸びも限定的になり、場合によっては市場規模が前年比でマイナスになる可能性もあるかもしれません。

ユーザーとしてもパッケージに記載をされているメーカー側がうたう効能だけを見るのではなく、製造されている工場がGMP認証(※)を受けているのかどうか、といった点を見ていくのも大事になりますね。

※Good Manufacturing Practice(適正製造規範)
製造工程管理基準のひとつで、原料の受け入れから製造、出荷までの全工程において、「商品が安全に作られ、一定の品質が保持されるように定められた管理システム」の認証。

まずは全容の把握、解明をしつつ体調を崩されている方の回復に努めるのが最優先ですが、その後は再発防止に向けた企業の取り組みや機能性食品表示制度自体のアップデートにつながっていけばと思っています。

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