9月22日(金):紹介営業のセグメンテーション
本日は昨日の続きをもう少しばかり。
私たちはスクール制の小型フィットネスクラブ運営を主たる事業にしており、半期に一度のスパンで算出をしているお客様の継続に関するスコアがあります。
こちらはお客様の来館状況や成果・目標達成の有無、セミナーやイベント参加の状況、そして有料プログラムの受講状況など、様々な観点のもとで定量的に評価したものをスコア化した指標です。
従来のスコアはお客様の継続と密接に関係する「CLV(Customer Lifetime Value:カスタマー・ライフタイム・バリュー)」にフォーカスしていますが、今回は「CRV(Customer Recommendation & Referral Value:カスタマー・リコメンデーション&リファラル・バリュー)」の観点のもと、お客様のクラブの推奨行動もスコアの項目に加えました。
やや昔の書籍ではあるものの「経営戦略としての紹介営業」ではそのあたりのことが丁寧に書かれており、紹介を引き上げるために4つの「S」が挙げられています。
・セグメンテーション(Segmentation=分類)
・サティスファクション(Satisfaction=満足)
・セールス(Sales=営業)
・システム(System=仕組み)
例えばセグメンテーションは「紹介を強化するために、必要な顧客を選定すること」です。
これは何の業種でも同じだと思いますが、すべてのお客様が同じように紹介・推奨の行動をしてくれるわけではないので、紹介をしてくださる方を把握しながらメリハリをもってアプローチをしていく必要性を説いています。
そのなかで紹介をしてくださる可能性の高い方、優先的にアプローチをする対象としては以下のように説明がなされていました。
「紹介実績 > 推奨度 > 満足度 > 満足度因子」
これに則って、ある運営クラブの会員様を分類すると、紹介実績のあるお客様比率は約28%です。
続いてクラブの口コミ投稿など具体的な推奨行動をしてくださったお客様(NPSなどのアンケート結果の数値ではなく推奨実績)は約10%にあたります。
ただ推奨をしてくださったお客様のうち、実際に紹介実績のあるお客様もいるため、重なりのない推奨のみのお客様だけでいえば前述した対象の半分にあたる約5%となっています。
また満足度や満足度因子だと、私たちの事業がフィットネスクラブであることをふまえると、お客様の成果や目標達成の有無をそのひとつと仮定すれば、約70%の方々はそれを満たしている状況です。
クラブ全体の紹介率というのは、あくまでも結果としての指標に過ぎません。
そこを引き上げていこうと思えば、もうひとつ手前、もうふたつ手前のプロセスにフォーカスをして、そこを変えていく必要があります。
先の自社の運営クラブの例でいえば、満足度や満足度因子を満たせていない約30%の方には、それを提供していくのが何よりも先決です。
次いで満足度や満足度因子を満たす約70%の方のうち、紹介実績も推奨行動にも至っていない方は約37%いるわけだから、そうした方々には次の一歩として口コミなどの投稿を打診していくことがひとつです。
そして既に推奨まではしてくれているけれども、まだ紹介に至っていない方には身の回りで身体のことで困っている方はいないかを想起してもらったり、個別に投げかけをしていくことだと思います。
このようにセグメンテーションひとつとっても、具体的にお客様の状況を切り分けて捉えることでアプローチの仕方の具体性が増してくるので、漠然と紹介キャンペーンなどを展開するよりは結果も違ったものになるはずです。