7月12日(水):話題性と店舗展開の両立を図るドーナツ店
先週の日経MJには「生ドーナツ、戦略はぎっしり」と題した記事がありました。
同記事で取り上げていたのは人気を博しているドーナツ店「I'm donut?」の練り上げられたアプローチです。
もともとベーカリーのお店で使用していた記事を揚げてつくる「モチふわ」的な独特の食感に由来した生ドーナツのネーミング、インスタ映えする店内のつくり、ファッション感度の高い人が集う中目黒での1号店開業など、話題になる要素が多数盛り込まれているのがわかります。
現在は3店舗となり、今後も直営で国内外への展開を進めていく意向が示されていました。
行列ができるような人気を維持しながら、店舗網を広げていくことの難しさをどう両立していくのか、これは非常に興味がありますね。
「ドーナツ店」「一等地」「行列」というキーワードで想起されるのは、かつての「クリスピークリームドーナツ」です。
同店も最初は新宿などの一等地を中心に1時間以上も並ばなければ購入ができないような状態で、メディアでも多数取り上げられて話題になりました。
そこから徐々に店舗を広げて郊外の商業施設でも同店のドーナツが買えるようになったことで稀少性は薄れ、いつしか行列を目にすることもなくなり、その後は過剰になった店舗を閉店・整理する運びになった経緯があります。
こうした話題性・稀少性と店舗展開による供給をどうバランスしていくのか、ですね。
同店では3号店で「揚げたて専門」という訴求をしており、これまでにないアプローチを加えていることは着目すべき点だと思っています。
単純な横展開における話題性の陳腐化、ブランドのコモディティ化を避ける手段としての個店によるオリジナリティ要素です。
これがどのように作用するのか、そこは今後の動向が気になりますね。
最近はドーナツブームで我が家の近くにも自然派ドーナツのお店がオープンしたばかりですし、駅ビルでの週替わりのポップアップストアでもドーナツ店が出店する頻度は高い状況です。
そのなかで話題性や人気の維持と店舗展開の両立の進め方は良い学びの材料になる気がしています。
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