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11月21日(月):「釣り」を舞台にゲームからリアルへの送客

先週の日経産業新聞にはバンダイナムコアミューズメント(BNAM)がゲームセンターの「釣りスピリッツ(釣りスピ)」を活用した町おこし支援を始めた旨の記事がありました。

協業するのは静岡県西伊豆町の施策「ツッテ西伊豆」で、ゲーム「釣りスピ」のファンをリアルの釣りへ送客しよう、との試みです。

「ツッテ西伊豆」は以前にもブログで取り上げたことがありましたが、一言で説明すると釣った魚を地域通貨で買い取ってくれる仕組みで2020年に始まった日本初の取り組みです。

具体的には釣った魚の種類、数、大きさ等によって値付けがされ、西伊豆町電子地域通貨「サンセットコイン」で買い取ってもらうことができ、そのあとはサンセットコインを使って、西伊豆で食べる・飲む・泊まる・お土産を買うなど、それによって西伊豆での遊びを満喫することができる一連の流れがあります。

こちらはレジャーや地域での回遊性を高める地域振興だけが目的ではなく、その背景には西伊豆の漁業にとって課題となっている「漁師不足」の解消を含めた地域課題の解決も意図したものです。

西伊豆には豊かな漁場があって美味しい魚がいるのに、漁師の高齢化による釣り手不足が問題になっているから、地域外の釣り人の手を借りて楽しんでもらいながら漁獲量を確保して魚の循環を維持しく狙いがあります。

BNAMのゲーム「釣りスピ」は全国で約1,500台が稼働するメダルゲームで、釣り竿型のコントローラーで200種類以上の魚を釣ることができ、今回の協業先となったツッテ西伊豆との共通点は「釣果でコインがもらえる」点です。

ゲームは5~12歳のファンが多いため、今回は「親子釣り」のプランを設けて道具はレンタルでの手ぶら参加、漁師のサポートもついて1人8,000円の料金設定で、年間800人程度の集客を見込んでいるそうです。

ゲームとリアルの違いこそあれ、それぞれの仕組みの重なりが協業を生んだことを考えると、やはりコンセプトがハッキリしているとそうした連携も起きやすいのでしょうね。

またツッテ西伊豆が地域内で広域連携して先駆的な取り組みによる認知があったからこそ、今回のコラボに繋がったようにも感じます。

今回は釣りが舞台でしたが、ゲームにはコンテンツごとに一定数のファンがいるので、ゲームとリアルが面白い形でコラボできれば相互送客も広がりが生まれてくるだろうと思います。


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