「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論700」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第25号(2006.7.25発行)「フットサル」1~※名称等は当時、一部文章省略
今年はサッカーのワールドカップイヤー。
読者の多くもサッカーの放映にくぎづけになったことだろう。
サッカーが日本に浸透することと同期して発展してきているのが、フットサルビジネス。
1994年に日本で初めてフットサルコートが出来て以来約10年。
既に施設数は500ヶ所、ユーザー数約100万人へと伸びてきている。
フィットネスクラブ運営企業の中にもこの事業に参入している企業は多い。
クラブ運営企業がフットサル事業を行うメリットやリスクはどこにあるのか。
クラブ運営企業にとってのフットサルビジネスを分析してみることにした。
フットサルビジネスの起源
世界で「フットサル」という言葉が出来たのが、1994年秋のこと。
FIFA(国際サッカー連盟)がそれまで世界各地にあった、少人数・小スペースで行うサッカーを統一するべく、1988年に「5人制サッカー」(室内サッカー)としてルールを決めたことに始まり、94年にこの競技の特徴をさらに活かすべくルール改正をした際に、競技名として「フットサル」と命名した。
これを受けて日本でも1994年から「フットサルコート」として、専用施設が作られるようになった。
「フットサル」の語源はサッカー(フットボール)を表す、「Fut」と、室内を意味する「Sal」を合わせた言葉で本来は40m×20mの大きさのコートで行う競技。
だが、日本では屋外コートが多く、大きさもまちまちである。
これは日本の場合、フットサル業界がスタートした1994年がバブル崩壊直後であったことから、不況のあおりを受けたテニスクラブや駐車場、ビルの屋上、ゴルフ施設を転用してフットサルコートにするケースが多かったことが影響しているようである。
~ここまで~
昨年のワールドカップでの日本の活躍や今年30周年を迎えたJリーグなどサッカー関連ニュースが再び増え、1ファンとして嬉しい限りですが、「フットサル」という言葉はJリーグが誕生した翌年に生まれた、比較的新しいものであったことは認識しておらず、記事を見返してとても驚きました。
てっきり、Jリーグの盛り上がりに乗じた周辺ビジネスとして海外から輸入されたのかと思っておりましたが、偶然にも世界的な規格統一の時期やバブル崩壊後のテニスクラブ等の経営苦境と重なり、スタートした事業であったことはまさに渡りに船だったとも言えます。
以前の投稿にも記しましたが、テニスコートとフットサルの相性は良く、転用に要する費用は新設と比べ相当に低く、この点も一気に増加した理由の一つであったと思われます。
お読みいただきありがとうございました。
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