「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論488」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第12号(2004.5.25発行)「再び脚光、サーキットトレーニング」1~※名称等は当時、一部文章省略
一時期、影を潜めていたサーキットトレーニングラインをここ数年、米国のジムで目にすることが多くなった。
今年3月に本誌企画主催の米国視察研修ツアーでも多くのクラブが導入していた。
米国のマネージャーらへの取材をもとに、サーキットラインが再び復興してきた背景をまとめてみたい。
日本のクラブにとってもヒントになるはずだ。
サーキットトレーニングの歴史
長い歴史を持つウェイトトレーニングに対して、サーキットトレーニングは1953年にイギリスのリーズ大学モーガン氏とアダムソン氏によって確立されたと言われ、筋力を鍛えるだけでなく筋持久力や呼吸循環器系の能力向上を含め、オールラウンドな体力を向上させるものとして発展したトレーニング形式である。
6~12種目で構成された一連のコースをインターバル(休憩)を取らずに次の運動種目に移動するもの。
当初は「最大負荷の半分の負荷設定で行う」といった定義もあったが、トレーニング方式やトレーニングマシンが開発されるにつれて、目的に応じて負荷設定や組み合わせる運動の内容も多様化してきた。
短い運動時間で高い効果が得られることも注目された。
1990年に入り、油圧式マシンメーカーなどが積極的にサーキットトレーニングをマーケティングしたことから一時クラブでも導入が進み、米国ではラケットボールコートをサーキットルームにしたり、スタジオの壁際にマシンを並べてスタジオエクササイズと組み合わせたクラスなどが登場した。
しかし90年代半ばから後半にかけては、カーディオマシンの進化やファンクショナルトレーニング系のマシンの登場により影が薄くなりつつあった。
カーヴスの台頭
ここ数年、急成長しているカーヴスがサーキットラインを活用していることから、その親しみやすさが再度見直されている。
カーヴスでは油圧式マシンとステッピングボードを交互に組み合わせているが、油圧式マシンは負荷設定をしなくとも利用者が出せる力に応じた負荷がかかるようになっているため、負荷設定のわずらわしさがなく、過大な負荷がかかる危険性もないので、初心者や高齢者でも安心して行える。
カーヴスが女性の人気を集めていることから、クラブでもカーヴスのようなスペースを作ることで、その層を取り込もうとする動きもある。
~ここまで~
サーキットトレーニングの歴史を紐解くと、元々は競技パフォーマンス向上を目的として、効率よく総合的な体力を身に付けるためのトレーニング手法であったことが分かります。
この記事を見るまで忘れてましたが、高校時代の部活におけるサーキットトレーニングと言えば、嫌な思い出が蘇るキツいトレーニングだったと振り返れます(部活では主に自重によるものでしたが)。
つまり、元々のトレーニング方法は一般大衆に受け入れられにくい性質であったものの、記事にある通り、目的に応じた多様化が進んだことでビジネスとしての成立可能性が高まったと言えます。
その最たる例がカーヴスの登場であり、日本においても2003年にサーキットトレーニングジム1号店が出店されておりますので、米国のトレンドを察知し取り入れ始めたことが、この記事から読み解くことができます。
本日もお読みいただきありがとうございました。
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