「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論221」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌(元々はクラブマネジメント誌としてスタート)のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~クラブマネジメント通巻第31号(2000.11.25発行)「定着志向のクラブ経営(GH&FCオーナー ジョー・シルリ氏)」32~※名称等は当時、一部文章省略
プログラミング
では、実際にGH&FCではどんなプログラムを、どんな形で提供しているのかを紹介しましょう。
例えば、GH&FCで提供している120本/週のクラブのどれにでも出ることができるゲストパスを作りました。
これは3週間限定で29.95ドルという料金設定にしました。
チラシにして、まだ会員になっていない地域の方々に告知しました。
また、ヨガや太極拳など1つのプログラムに絞って同様の方法で提供することも考えられます。
こうした方法は当初まだクラブに入会されていない方々向けに告知し、入会を促そうとの意図で始めましたが、実際やってみると違う効果も得られました。
既存メンバーであまりクラブに来られていなかった方々が、チラシや新聞の広告を見て再び来たいと思ってプログラムに参加してくれるようになったのです。
日本のクラブもプログラムにはとても力を注がれていますよね。
チラシを見るとそのことがよく分かります。
でも、総花的に訴求しているため、消費者にメッセージが届きにくくなっているとは思いませんか?
GH&FCのようにもっと低コストの告知方法で何か1つのプログラムに絞り込んでターゲットに向けて打ってみたらいいと思います。
~ここまで~
本記事は、今回分で最後となりますが、改めて当時のアメリカでの定着志向経営について振り返ることは、特にパンデミック下でどのような方向で舵取りしていくかを考える上で、本質的な示唆を与える大変参考となる内容ばかりでした。
当社代表伊藤さんのブログでも触れられている通り、長期的な視点で手間暇の掛かることを、むしろ当時の方が実施していたように思います。
翻って、パンデミック下での業界全体の対応は、合理化・効率化を旗印にむしろ逆方向に向かっているように感じます。
まさにその様は、「逆・タイムマシン経営論(楠木建・杉浦泰著)」に書かれている「同時代性の罠」つまり「DXに乗り遅れるな」にハマっていたことが、のちのちの業界地図で詳らかにされることでしょう。
是非、皆さまのクラブがその罠にハマらないことを願っております。
本日もお読みいただきありがとうございます。
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