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10月18日(金):「成果連動型民間委託契約方式(PFS)」の介護予防事業

先般には静岡市で「成果連動型民間委託契約方式(PFS)」に基づく市民向けのイベントが初めて開催され、約350人が参加した旨の報道がありました。

本日はこれに関連した話を少しばかり。

前述した静岡市でのPFSは介護予防の分野で締結されたもので、事業者の創意工夫を促し事業実施の効果を高めるため市が2024年度に導入した契約方法です。

先のイベントである「しずおかおでかけフェスタ」では、ピラティスや手爪を守るハンドケア講座、脳の健康チェック、血管年齢測定など多彩な催しが開かれたといいます。

本事業は継続参加の目標を年間500人、3年間で3000人とし、3年間で介護給付費6300万円の削減と、要介護認定率の27%抑制を目指すことが掲げられています。

この目標に対する成果に応じて市は最大4,500万円を事業者に支払う形です。

最大の特徴は事業の委託料が「最低保証額」と「成果報酬額」の2階建てになっている点ですね。

今回のスキームでの具体的な配分は「最低保証額」が40%(1,800万円)、「成果報酬額」が60%(2,700万円)で、成果報酬額の比率が高く設定されています。

このような成果報酬型を民間への委託事業で導入するメリットは冒頭でも触れたように、目標へのコミットメントと事業者側の創意工夫を引き出しやすいことです。

行政が行う事業の民間委託は基本的に年間で固定の委託料を支払う方式になっています。

委託を受けた事業者は行政に対して事業の報告義務があるものの、目標達成の有無が問われることはないし、その度合いによって委託料が減額されることもありません。

加えて年間の委託料が決まっているので、そのなかで事業者がより多くの利益を出そうと考えると、コスト削減による効率運営が主たる手段になっていきます。

その結果として利用者である市民が享受するサービスの質が引き上がっていくことは稀です。

これに対して今回のような成果報酬型を導入することで事業者も最大の成果に向かってチャレンジすることが報酬につながるから、創意工夫は生まれやすくなります。

これによって利用者の市民が受けるサービスは改善に向かうし、今回の介護予防であれば要介護の割合が下がることで市は介護給付が削減され、それを原資に委託事業者への報酬も増え、市民と行政、事業者の三方良しになる構図が生まれやすくなってきます。

成果報酬型を導入する場合は最低保証と成果報酬との比率の設定、また適切な目標設定とその計測等が焦点になりますが、そういったものをクリアできれば有効に働く面が大きいですね。

行政から民間への指定管理の委託等も含めて、少しずつこうした形が広がっていけば良いんじゃないかと思っています。

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