「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論319」
みなさん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第2号(2002.9.25発行)「インストラクターの時代」10~※名称等は当時、一部文章省略
3.顧客価値創造時代の商品・サービス
4)パーソナルトレーニング
パーソナルトレーニングについては、本誌既刊号や編集部主催のセミナーなどでこれまで何度も取り上げてきているため、ここで詳述することは避けたい。
最近の状況のみを簡単に記すだけに止めておこう。
アメリカでは既に97%のクラブが導入しているというパーソナルトレーニングだが、日本でも広まってきている。
恐らく現時点で5割以上のクラブが何らかの形で同サービスを導入しているのではないだろうか。
この流れは加速こそせよ、減速することはないだろう。
最大手のコナミスポーツも、全国の店舗で本格導入を開始する予定である。
日本では「パーソナルトレーニング」という名称だけをアピールして商品の普及を図るのではなく、その名称を総称として使いながらも、さらに細かく商品を分けて、顧客に分かりやすい形にして購買を促そうとする方法が多く取られてきている。
即ち、「ペアストレッチ」やスイミングの「ワンポイントレッスン」、テニスやスカッシュの「ヒッティングパートナー」などである。
またジムでの「パーソナルトレーニング」もインストラクターの得意分野をフィーチャーして「生活習慣病改善担当」や「腰痛改善担当」、「シェイプアップ&ダイエット担当」、「筋力アップ&アスリートトレーニング担当」、「コリオ担当」といった具合にアピールすることが多い。
さらに最近では1対1ではなく、1対少数グループでの有料レッスンの形式を取る「パーソナルトレーニング」がいくつか出始めてきている。
首都圏で「アクラブ」を6店舗展開する金子スポーツ振興はスクールが集中する時間以外に1コースを占有して「イベントクラス」と名付けて少数限定(10名以内)の有料レッスンを提供している。
現在のところ1クラブあたり1週間に20クラスほどが提供されているが、どのクラブもほぼキャパシティ一杯で稼働している。
参加料は1,000~1,500円/クラスである。
社員を含めたフリークラスのインストラクターが、歩合制(インストラクター4割、クラブ6割)でクラスを受け持っている。
顧客にとってはスクール指導時と比べて、みっちり指導を受けられることがメリットになっている。
こうした事例はテニスやダンスなどにも応用できるため、今後さらに普及が進むものと考えられる。
パーソナルトレーニング関連の月間売上額でコンスタントに100万円を超えるクラブが日本でも徐々に多く見られるようになってきている。
~ここまで~
20年前に米国では既にパーソナルトレーニングが97%導入されているという事実にまずビックリしますが、日本でも最近ようやく言葉自体は一般認知されてきたのではないかと感じます。
それは芸能活動もするようなカリスマトレーナーの存在であったり、ライザップに代表される痩身ジムの増殖、筋トレブームといった諸条件の積み重ねによるものだと考えられます。
翻って従来の業界クラブにおけるパーソナルトレーニングというと、まだまだ陰日向のポジションに位置していることが多いのではないでしょうか。
記事を見ると、むしろ20年前の方が、大きく飛躍させようという意志を感じる試みが多いと思え、なお一層の取り組みが必要だとアバター近藤は考えます。
本日もお読みいただきありがとうございました。