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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論604」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第18号(2005.5.25発行)「米国クラブ業界のトレンド2005」7~※名称等は当時、一部文章省略

まとめ
編集部が感じたアメリカフィットネス業界のトレンドについて簡単にまとめてみた。

1.大型総合クラブ化
カーブスのような単機能型の小型施設が急増するなど、新しい動きも見られるが、ライフタイムフィットネスなど、メインストリームを行こうとする運営者の多くは、高所得・高学歴の人々が住む郊外の人口増加エリアに大型総合クラブを開発することを推進している。
こうした店舗形態のクラブの収益性が他業態と比べ高いことが分かってきている。
「ハイクオリティ&ハイボリューム」などターゲットに合ったクラブコンセプトを備え、戦略と整合したバリューチェーンを築こうとしている。
こうしたクラブはカーブズのことは競合視していない。
むしろ未来の顧客の「インキュベーター」的役割を期待しているようだ。

2.定着志向経営
24フィットネスやバリートータルフィットネスなどセリング志向型のクラブが失速気味であるのとは反対に、ウェスタンアスレチッククラブ社が展開するクラブに代表される定着志向型のクラブが成長している。
定着志向型のクラブの最近の傾向としては、もともと定着する可能性が高いファミリーや中高年層、高所得者にターゲットし、豊富なアクティビティを提供するようになってきている。

3.付帯収入の増加~高客単価化
付帯収入を売上比20~30%にまで高め客単価を高めてきているクラブが増えている。
収入の柱はパーソナルトレーニングや特別なグループエクササイズクラスなどの有料プログラムである。
こうした有料プログラムは活動単位ベースで収支を管理、高利益率となるようにコントロールしている。

4.フレッシュネス&クレンリネスの徹底
長期に渡って好業績を維持しているクラブは時代の変化に対して素早く対応し、新しい施設アイテムやプログラムを導入している。
また、毎年一定額を投じてリニューアルし、常にクリーンで明るく、デザインされた空間を作っている。

5.高強度のトレーニングプログラムの導入
有料プログラムの中で、とりわけ多くのクラブが取り入れているのが、高強度のトレーニングプログラムである。
沢山のメンバーがサーキットトレーニングに汗を流していた。
どちらかというと強度が高くないクラスを多めに配置している最近の日本の傾向とは反対の方向にあるようだ。

6.早朝からの営業
アメリカでは早朝5時~6時からオープンしているクラブがほとんどである。
しかもこの時間帯に既述したような高強度のアスリート系プログラムを配置している。
もちろん多くのメンバーが汗を流している。

7.スタッフのプロフェッショナル化
専門能力に秀でた経営者、トレーナーが登場してきている。
ライフタイムフィットネスはCOO他経営幹部をノースウェスト航空などの一流企業からヘッドハンティングしていた。
大変、知的レベルが高く、ビジネスに知悉している経営者だった。
また最前線で活躍するパーソナルトレーナーらもとても良く勉強していて技能に秀でた者が多くなってきている。
プロフェッショナルでないと生き残れなくなっている。

~ここまで~

日本のフィットネス業界は、米国のトレンドを後追いする傾向があると言われておりますが、その後、同様な展開を見せたか歴史的に見ていきたいと思います。

1.大型総合クラブ化
2010年代中盤まで同様の傾向を示しましたが、東京オリンピック決定等に伴う建築費高騰や主要駅前へ出店が網羅されたことで、その後、沈静化しました。

2.定着志向経営
3.付帯収入の増加~高客単価化
4.フレッシュネス&クレンリネスの徹底
これらについては、十分なレベルで導入できたクラブは少ないと言えます。
パンデミック前までは、セリング志向でそれなりにやってこれたことで、機会を逸したと考えられます。

5.高強度のトレーニングプログラムの導入
こちらは2010年代後半以降、徐々に増加し、一定の地位を獲得しつつあります。

6.早朝からの営業
早朝営業を記事の時代から取り入れたクラブは少なく、24時間ジムの進出と肥大化に伴い、既存クラブも同様のシステムを導入する動きが特に近年見られます。

7.スタッフのプロフェッショナル化
この点でもまだまだ日本は進んでいないと言えるでしょう。

お読みいただきありがとうございました。


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