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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論581」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第17号(2005.3.25発行)「米国メディカルフィットネス事情(ドクターが教える、ドクターと組む方法)」2~※名称等は当時、一部文章省略

処方箋を記す

私がこれまで診た患者で、背中の痛みや筋骨格の故障を患う人の多くが、処方箋をばらばらに受け取っていた。
すなわち、①薬剤師による薬の処方、②理学療法士による処方、③フィットネスクラブなどで作られる運動処方。
この中で3つ目の処方箋は、患者が自発的にやらなければいけないものである。
従って私は、運動処方はフィットネスクラブで受けるべきだと考えている。
ただドクターとしては、自分の患者を一般的なフィットネスクラブに任せようとは思わない。
効果的に問題を解決できるクラブに任せたいと考える。
ドクターは常に多忙であるが、それにも関わらず患者のために解決策を生み出すことに熱心である。
無意味なところに患者を紹介することはすべての人にとって時間の無駄となる。
したがって、もしあなたがドクターとともに真剣に取り組もうとするならば、患者にとって最適な運動を提供し、動機付けを提供できる場所として認識されるよう、自クラブをポジショニングすべきである。

フロリダにあるゲインズビルヘルス&フィットネスセンター(GHFC)のオーナーであり、IHRSAの前会長であるジョー・シルリ氏は、関節痛や腰痛を解消する特別なプログラムを開発した。
シルリ氏はドクターの診断に基づいた処方は、各個人の痛みを緩和したいというニーズに応えるクラブのプログラムと共通することを示し、痛みを緩和するエクササイズは、同時にドクターらの目標も達成していけるものであると説明した。
GHFCの地元の医療機関にクーポンや運動のやり方を記したパンフレットなどを配布し、ドクターの紹介があれば患者は2週間無料でプログラムに参加できるようにしている。
これにより、特定の関節炎の治療では、シルリ氏のクラブでのエクササイズが地域のドクターによる処方箋の一部に位置付けられるようになっている。

シルリ氏は、このアプローチによりメディカル関係者の間でのGHFCの信頼を高められただけでなく、クラブの入会者も増えたと報告している。

■アクションプラン
・自分のクラブが患者に運動処方を提供する上で最も最適な場所であるとドクターにアピールする。
・可能であれば、メンバーにドクターから運動指示書を貰ってきてもらうよう提案してみる。しかし、ドクターがそれを書かなければいけないといった印象を与えないように注意する。
・「運動処方」を印刷し、地域の診療所に配布する。
・ドクターからの運動処方を持ってきたメンバーに対して、ディスカウントや無料プログラムを提供する。
・単に日々の活動量を増やすことを提案するのではなく、腰痛や関節痛など、特定の不具合に焦点を当て、その問題を解決するプログラムを開発~アピールすることに力を注ぐ。

~ここまで~

記事にある3つの処方箋の存在は、日本においてもその通りだなと思いました。
さらに言えば、それらの3つが完全に乖離している状況だとも思いました。

国内の医療システムですと、ドクター(薬剤師)は薬による解決にフォーカスしがちであり、また理学療法士は専門知識に特化している、さらにフィットネスクラブにおいてはそもそも痛みに対応できるトレーナーが少ないといった感じです。

当社の小型クラブは、肩・腰・膝などに不具合を抱えた会員様の比率が、同業他社と比較して多いと思われますので、地元診療所から運動指示書を貰えれば、それに応えられるポテンシャルは十分にあるのではないかと考えております。

お読みいただきありがとうございました。

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