「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論817」
皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。
~Fitness Business通巻第37号(2008.7.25発行)「フリーウェイトの新たなる展開」1~※名称等は当時、一部文章省略
フレッシュなデザインやカラ-、大胆なカスタマイゼーションにより、フリーウェイトは今、フィットネスフロアにおいて最も「セクシーな」アイテムの一つとなった。
「フリーウェイトは、子供からシニアまで、あらゆる人々にとって効果が期待できる万能のトレーニングである。」
先頃、全米スポーツ医学協会がこのような見解を表明した。
その影響もあるのだろうか、今やほとんどのクラブにおいて、フリーウェイトは必須のアイテムである。
IHRSAの成功のプロフィール2007年度版によれば、フリーウェイトは一部のピラティスやヨガスタジオ、サーキットクラブを除くほとんどのクラブにおいて導入されており、「今後拡張したいエリア」の上位に挙げられている。
フリーウェイトはクラブのメンバーとオーナー双方に、大きなメリットをもたらすアイテムであると言える。
比較的安価で、耐久性が高く、ほとんどメンテナンスを必要としない。
トレンドにも左右されないし、アップグレードも不要である。
このような長い歴史を持ち、効果も保証されたフリーウェイトは、クラブにとって「水」のような普遍的な存在であると言える。
しかし、今日、私たちが水を飲むにあたって、水道水にするのかボトル入りの水を買うのか、国産品か輸入品か、といった選択肢に頭を悩ませるように、フリーウェイトについても様々な選択肢が出てきている。
フリーウェイトの場合は、重さ、安全性、耐久性、素材といった観点以外にも、今日では見た目、エルゴノミクス、ターゲットする顧客層や施設とのマッチ、といった点を配慮して選ぶことが必要になってきている。
~ここまで~
アメリカでは、15年以上前から「フリーウェイト」がホットアイテムになっっていたという記事ですが、日本国内では、ここ数年、ホットアイテムの一つになっていると思います。
それは24時間ジムの数少ない差別化ポイントとして、フリーウェイトエリアを充実させたり、その流れに沿って総合型クラブでも追随するといったことが起こっております。
これは、パンデミックからの戻りが遅いライトユーザーではなく、変わらず利用しているビルダー等筋トレ好きの若者をターゲットにすることで、集客を促進したいという考えから来ているようです。
ただ、以前よりも筋トレは一般化し、利用者は増えているものの、個人的にはスペース効率がトータルでは低いと分析しております。
しかも最近、オープンしているクラブは、猫も杓子も「フリーウェイトエリア充実!50㎏までダンベルあります!」といった売り方をしていて、既に差別化ではなく、同質化競争が巻き起こっていると言えるでしょう。
お読みいただきありがとうございました。