5月30日(月):「クラブ以上の存在」に
昨日はJリーグが取り組んでいる社会連携活動「シャレン!」のことを取り上げました。
社会課題や共通のテーマ ( 教育、ダイバーシティ、まちづくり、健康、世代間交流など ) に、地域住民・企業や団体(営利・非営利問わず)・自治体・学校などとJリーグ・Jクラブが連携して取り組み、地域社会の持続可能性の確保、関係性の強化を図ることは大きな意義があります。
プロスポーツチームであるJリーグクラブは地域での認知度は圧倒的だし、地域にとっての公益性も高いシンボリックな存在なだけに、サッカークラブ以上の役割を地域のなかで果たしていくことができると思っています。
そうしたなか、昨日は「クラブ以上の存在」の代名詞ともいえるFCバルセロナのことに言及しましたが、本日はそれに関連した話をもう少しばかり。
同クラブが「クラブ以上の存在」のことばを定義する8つの要素のは以下のように明示されています。
・決断は民主的に14万4千人以上の会員が行なうことで成り立っているクラブである
・複数のスポーツから成り、女子スポーツへの投資を行なうクラブである
・独自のスタイルでプレーすることに勝つことと同じ重きを持っているクラブである
・ラ・マシア スポーツを通した人間形成を教育するクラブである
・財団法人 ソーシャルコミットメントに賭けているクラブである
・バルサ・イノベーション・ハブ 知識とイノベーションを取り入れ、生み出し、伝えていくクラブである
・グローバルでありながら、自らの根元であるバルセロナ、カタルーニャを感じるクラブである
・価値観を信じて体現するクラブである。その価値観とは、謙虚さ、努力、チームワーク、野心、敬意
民主的なクラブであることやスタイルの独自性、人間形成の教育、ソーシャルコミットメント、地域のシンボルであること、そうしたものが明文化されているのがわかります。
また現在はフットボールが世界的な影響力を持つようになったことから、バルセロナではスローガンをさらに一歩進めて「全世界におけるクラブ以上の存在」となることを目指すと明言しています。
あわせてクラブは収益の0.7%をFCバルセロナ財団に寄付して国際協力プログラムを設立、国連のミレニアム開発目標プロジェクトの支援、ユニセフの人道支援プログラムとして150万ユーロの寄付など、世界のバルサになるための活動も進めていますね。
日本のJリーグや各クラブがピッチ上のプレー、そのクオリティで世界との差を縮めていくのはもちろんですが、クラブ運営においてもそこと比肩していけるような取り組みになれば良いでしょうし、それを陰ながら応援していきたいなと思います。