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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論345」

みなさん こんにちは アバター近藤です。

「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。

「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第5号(2003.3.25発行)「2002年版米国・成功のプロフィール」3~※名称等は当時、一部文章省略

不況下でも確実な利益を残す

米国経済が問題を抱える中、業界データ調査(IDS)に協力したクラブは、EBITDA(金利・税金・償却前利益)、税引き前利益ともに堅調だったと答えている。

価格を守る

過半数を超える55%のクラブが、2001年に会費を上げたと報告している。

会費上昇率の中心値は5%。

2000年時には60%のクラブが約7%の会費を上げたことと比較すると2001年は若干低い値となっているが、残りの45%のクラブも会費を下げることはなかったと報告している。

クラブの平均客単価も2.6%上昇した。

2001年の年間客単価の中心値は597ドルであった。

人件費は上昇

クラブが従業員の報酬や福利厚生など人件費にかけるコストは、2000年比4.8%上昇した。

特に福利厚生費(24%増)と、雇用税(13%増)の増加率が高く、給与の上昇率3.5%を大きく上回った。

引き続き積極的な再投資

2001年、クラブ運営各社は再投資を例年と同水準で行った。

IDSに回答したクラブが再投資に費やした額は1クラブあたり平均74,500ドルであった。

これは成功しているクラブ企業が、会員満足度を維持するために継続して再投資を行う必要性を理解していることを証明している。

2001年の調査協力企業の対総売上高再投資コスト比率は4.6%(中心値)となっている。

コーポレートメンバーが確かな新会員源に

多くのクラブは地域の企業に対して、特別料金で入会できる制度を設けている。

2001年、クラブは全会員の平均18%をコーポレート会員として得ている。

~ここまで~

約20年前の社会不安や経済不安を抱えた状況は、現在と似ていると前回、記載しましたが、米国フィットネス業界における対応は日本のフィットネス業界とは違った動きをしていたことが分かります。

確実に利益を出すために、価格を維持または上げることを厭わず行いつつも、同時に人件費や再投資費用はケチらず、顧客満足度を高める努力も同時に実施するというものです。

一方で日本の多くのクラブは、この2年間で①値上げは実施、②人件費、再投資費用は大幅削減ということを行い、益々、顧客が戻りにくい状況を作り出し、思ったような成果が出ないことで、③安い会員種別を新たに募集、④入会時のディスカウント額を増やすといった行動に出ていると思われます。

この場合、一時的に多少の会員増があったとしても、客単価は下がり、サービス水準の低下で退会率も高止まりということで、利益を残すことは恐らく難しいと言わざるを得ません。

いい加減、この発想から抜け出さないと、もはや存続に関わる段階まで悪化していくのではないかと危惧されます。

本日もお読みいただきありがとうございました。


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