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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論586」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第17号(2005.3.25発行)「メディカルフィットネス」3~※名称等は当時、一部文章省略

※CASE1「スポーツプレックス・ジャパン」、CASE2「リーヴ・スポーツ」の事例は、企業買収により現在、会社自体が存在しないため省略

CASE3「エイム」

金沢に2店舗を展開するエイムでは、1号店の設立当初から「メディカルフィットネス」を標榜してきているが、2003年7月から本格的にこの分野の商品づくりにも着手している。
同社では、厚生連高岡病院整形外科診療部長Tドクターをメディカルアドバイザーとして迎え入れ、共同研究を行うことでフィットネスクラブの強みを活かしたメディカルフィットネスプログラムの商品開発を進めている。

ドクター、クラブ、測定メーカー三者での共同研究

Tドクターがエイムのメディカルアドバイザーとなったのは、エイムのY社長が以前、頚椎を患った時に主治医となったことがきっかけとなっている。
整形外科医である同ドクターは当時から患者に「腰痛体操」を処方していたものの、この体操が面白くないと感じていた。
そこで楽しく体操が提供できるにはどうしたらいいかとY社長に相談したことが始まりである。
以来、公私ともに縁が深まっていたところに、1999年に日本コーリン株式会社(現コーリンメディカルテクノロジー)からの呼びかけがあり、三者合同で動脈硬化改善プログラムの検証実験を行うこととなった。

同研究はまずエイムの会員1000名の動脈硬化度を測定、その中から被験者として相応しい105名を選出、6ヶ月に渡って基礎研究が行われた。
同研究で信頼できる成果が得られたことから、これをベースに商品化を行った。

動脈硬化改善プログラム「EPA会員」「フォルムプラス会員」

この研究結果をもとに、同社では動脈硬化改善プログラムを開発した。
「EPA会員」は「Exercise Program For Arteriosclerosis」の頭文字からとったもの、「フォルム会員」は動脈硬化測定機器の名称「フォルム」からとったものである。
「EPA会員」は月会費に3675円の追加会費を払うことで、ドクターと専任スタッフ「EPAトレーナー」を交えたカウンセリングと運動処方、2ヶ月に1回のドクターカウンセリング、月1度のフォルムとインボディーによる測定、運動内容・測定結果のデータ化などが受けられるというものである。
ドクターが対応可能な人数各店15名を定員とした。
「フォルム会員」は月会費プラス会費2625円で、ドクターカウンセリングは受けられないものの、EPAトレーナーのカウンセリングのもと定期的に自身の状態を測定~アドバイスが受けられる。
定員は各店20名。
これらの会員になると担当トレーナーのシフト表を毎月受け取ることができたり、同社が定期的に行っている専門家による健康セミナーの優先参加権を得ることもできる。

~ここまで~

言及を省略した今は存在しないCASE1、CASE2の企業とエイムの違いは何かと個人的に推察すると、そもそもの経営思想にあったのではないかと考えます。

CASE1、CASE2の企業が考えた仕組みもよくよく練られた内容であり、記事を見るだけでは遜色ない感じがしますが、それぞれの企業の成り立ちを少々知っている身として、その目的は差別化による収益拡大が主であったように振り返れます。

一方でエイム社は設立当社から基本コンセプトとして「メディカルフィットネス」をイメージされていたということで、この違いが現在の存続にも影響したのではないかと考えられます。

特に「メディカルフィットネス」は、前項目の記事からも正直、収益化が難しい分野と評価できますので、信念がないと取り組み続けることが困難なチャレンジと言えるでしょう。

お読みいただきありがとうございました。

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