2月8日(火):時間や手間を惜しまない
このところは日経ビジネスの特集を皮切りにしてファンづくりに触れていますが、その続きをもう少しばかり。
日経ビジネスでは「機能よりも情緒の時代」との記載があり、感情的なつながりを築ければファンとの関係は強固になり、不毛なスペック競争や価格競争に陥らなくて済む点は確かです。
ただ、そこに至るには前提があって、それはその業種に求められる中核価値が満たされていることが条件であり、私たちフィットネスクラブとしては、まず中核価値であるお客様の身体をより良く変えることからスタートしていくのが先決になります。
それが満たされた上での情緒的価値になるわけですが、ここでのポイントは「時間や手間を惜しまないこと」だと思っています。
フィットネスクラブの歴史を振り返ってみると、かつてはそうした時代もあったわけです。
現在の近藤さんのブログでは「逆タイムマシン経営論」として今から20年ほど前にジョー・シルリ氏が記した「定着志向のクラブ経営」を取り上げています。
そこでの内容を見てもらえれば分かりますが、既存のお客様に対してメンバーシップを高めるための取り組みや、地域との結びつきを深くするためのアプローチを数多く行っているのが分かります。
お客様との関係性構築や定着というのは、何かひとつの施策をしたからそれがすぐに結果へと反映されるような単純で直線的なものではなく、複合的・連続的な取り組みの産物です。
だからこそ、そこには時間も要するし、人の手を掛ける必要があります。
合理性だけにとらわれてしまい、効率や生産性だけを重視すると、どうしても先のような事柄は無駄なものとして削ぎ落されてしまいがちです。
そうなると無味乾燥なクラブに傾いてしまうのは避けがたく、利便性や合理性のみを重視するユーザーはクラブに残るものの、ファンと呼べる支持層は薄まってしまいます。
そのためファンベースのような経営をしようと思ったら、合理性とは別な軸で物事を考える必要がありますね。
少なくともクラブ運営をするなかでは「時間や手間をかけるから、はじめて得られるものがある」ことへの理解が大切です。
そこを分かっておかないと定着志向のクラブ経営やファンベースといったものは成り立ちません。
続きは明日に持ち越します。
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