4月9日(火):「働きやすさ」と「働きがい」の両立へ
昨日は先月末で休刊になった日経産業新聞の50年間での連載企画のことをに触れましたが、それと関連した話をもう少しばかり。
メディアの連載などは時代を映す鏡であるので、連載企画の変遷を見ていくだけでもその時々の経営課題の移り変わりが概観できます。
一方で経営課題として扱われることによって舵取りが盲目的にその方向へ傾いていく面も否めません。
現在、日経新聞のコラムに「NEO-COMPANY モードチェンジ」という企画があり、そこでは「ホワイト企業はモーレツに敗北 働きがい高めプラチナへ」と題した記事が掲載されていました。
こちらでは働きやすさは高いが、働きがいは低い企業を「ホワイト」、逆に働きやすさは低いが、働きがいは高い企業を「モーレツ」、両方とも低い企業を「ブラック」、そして働きやすさに働きがいも加わった「プラチナ」企業に分類して簡易的に業績を比較したものです。
この結果は「プラチナ」が一番であるのは容易に予測できるところですが、前述したタイトルにも記されている通り、10年間での売上の伸び率では「モーレツ」が「ホワイト」を2ポイント以上上回る形になっています。
昨日に触れた日経産業新聞の連載企画でいえば2000年代に入ると2003年の「働きやすい会社」や2014年の「働く」、2018年の「働き方探検隊」など、働き方を問い直し、それを再考していく流れが出てきました。
実際に2015年の若者雇用促進法、2019年の働き方改革関連法、2020年のパワハラ防止法(労働施策総合推進法)など、法整備も進んで働きやすさを整える方向へ舵が切られてきました。
これ自体は悪いことではありませんが、「働きやすさ」だけに傾倒していく空気の危うさを問うたのが先の記事だと思います。
働きやすさを整えながらも、単なる長時間労働という意味ではないハードワーク、結果にフォーカスした仕事が求められることを示しています。
働きやすさ一辺倒だった空気に良い意味での問題提起をした記事でもあるので、「働きやすさ」と「働きがい」の両立を図っていくことが今後の課題になっていくと思います。
明日も関連の話題を続ける予定です。