【論文を元に解説!】ストレッチすることで筋肉は大きくなるのか?
筋肉を大きくしたい、筋力を高めたい――そんな目標を掲げる人々にとって「ストレッチ」が一つの手段となる可能性が注目されています。
これまで筋肥大といえばウエイトトレーニングが主流でしたが、静的ストレッチ(Static Stretching)による筋肉増強効果が議論されています。
こちらについては過去の記事で解説しています。
ただこのようなストレッチで筋肥大するという研究には賛否両論あります。
そこで今回紹介する研究では、動物実験と人間を対象とした実験で何が異なるのかを掘り下げていきます。
動物実験から見えてきた「ストレッチ」の可能性
ストレッチが筋肥大を引き起こす可能性について、これまで数多くの動物実験が行われてきました。
特に鳥類を対象とした研究では、羽にウェイトを装着して24時間ストレッチ状態を維持するという方法で、筋肉の大幅な肥大が確認されています。
一部の研究では、筋断面積が300%以上増加した例も報告されています。
このような結果は、以下のメカニズムによるものと考えられています。
機械的張力(Mechanical Tension): 筋肉が持続的に引き伸ばされることで、筋繊維に微細な損傷が生じ、これが筋タンパク質合成を促進。
サルコメアの増加: 筋繊維の長さが伸びることで、サルコメア(筋収縮の基本単位)が連続して追加される。
成長因子の活性化: IGF-1(インスリン様成長因子-1)などのホルモンが、筋肥大をさらに後押し。
これらの知見は、ストレッチが単なる柔軟性向上のための手段に留まらず、筋肉を物理的に強化する可能性を示唆しています。
人間の研究ではどうなのか?
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