365日色の話 ドラマと色 今回は「燕は戻ってこない」です。 映画「PLAN75」と同じように心揺さぶられます。
このドラマは、
現代の子供ができない夫婦をテーマにした問題提起作品です。
どうしても自分の遺伝子を繋ぐ子供がほしい夫と
それを叶えられなかった妻。
このドラマは、
自分のバレエダンサーの遺伝子に
特別な執着心を持った元バレエダンサーの夫、基。
稲垣吾郎さんが演じています。
バレエ団を経営する母親(黒木瞳さん)と
母親が気に入らない
売れっ子のイラストレーターの妻悠子(内田有紀さん)。
それぞれの葛藤が、展開し「代理出産」を頼むことになり、
日本で合法にするために、妻と離婚して、
代理母のリキ(石橋静河さん)と結婚するという展開になります。
そして・・・
家族は子供がいて、笑いが絶えなくて。
一般に子どもがほしいという本能は明るい家庭を作りたい。
子どもの成長する姿を見ていきたい。
子どもがどうしてもほしいと思っている夫婦は
どんな手段ででもと思っているかもしれません。
不妊治療も女性にとって深刻です。
夫婦の絆が試されているような・・・
家族のカタチは、
経験したこともない想像に搔き立てられ、
当たり前のように求めていることだと思います。
もちろん、自分に似た子どもを想像して、
期待することもあると思います。
それでも、未来はわかりません。
それが、かなって子供がいる家庭になっても、
子どもがどのような大人になるか、
夫婦は子供がいることで
思い描いていたような幸せを手にすることができるのか・・・
すべては神のみぞ知るです。
このドラマでは、夫の執着が周りを見る余裕をなくさせ、
妻の思いや代理母の思いを無視して
暴走していきます。
代理母のリキは北海道の出身で、
何もうまくいかず、東京に出て来ました。
会社の同僚が小遣い稼ぎに
「卵子」を提供するだけでお金になるといわれ、
今の生活がみじめ過ぎるので、
初めは自分の遺伝子が知らない人に提供されるなんて、
恐ろしいことだと拒絶していましたが、
貧しい生活に嫌気がさし、
「卵子提供」ではなく、
「代理母」になることになります。
このドラマでは
お互いに顔を事前に合わせ、合意をはかります。
海外でもないような気がして、
妻の思いを考えるといたたまれない気持ちがしました。
それで終わらず、離婚に向かっていくとは・・・
これからどうなっていくのか。
それぞれの選択は。
幸せは。。。
「PLAN75]は
75才以上の高齢者は自分で死を合法的に選択でき、
その前に、少しお金をもらって、
最後は安らかに眠りながら死を迎えるというシステムです。
関わっている人たちの思いや日々の生活、
近しい人の死。
担当者と自分のおじさんとの関係。
さまざまなことが、織り交ざり、
映画の最後に朝焼けが
75才の主人公の女性を照らしていました。
このドラマは、どのような結末に向かっていくのでしょうか。
不安と切なさで目が離せません。
映像的には、
富めるものと富まざるものを
表現する中で、
リキのシーン、悠子の友人とのシーン、
心の変化がありながら、
重たく進んでいっています。
明るい未来を表す、色を感じるシーンはあるのでしょうか。。。