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筋トレの負荷と回数:最新研究が示す効果的なトレーニング方法



はじめに

筋力トレーニングにおいて「重量を上げるべきか、それとも回数を増やすべきか」という議論は長年続いてきました。最新の研究結果が、この永遠の課題に新たな視点を提供しています。今回は、この重要なテーマについて、最新の科学的知見に基づいて解説していきます。

研究が示す意外な事実

最近発表された研究では、43名の経験者を対象に、8週間にわたる比較実験が行われました。参加者は以下の2つのグループに分けられました:

  • 重量漸増グループ:同じ回数で重量を増やしていく

  • 回数漸増グループ:同じ重量で回数を増やしていく

主な研究結果

  1. 筋肥大効果

  • 両グループともに6.7%から12.9%の筋量増加を達成

  • ほとんどの筋群で、両方法に有意な差は見られなかった

  • 大腿直筋では、回数増加グループがわずかに優位な結果

  1. 筋力向上

  • 1RMスクワットは両グループで約20kg向上

  • 重量漸増グループがわずかに優位(約2kg差)

  • ただし、統計的に有意な差ではない

  1. 筋持久力

  • 両グループとも同程度の向上を示した

  • レッグエクステンションのテストで約7回の向上

実践的なトレーニング提案

1. 初級者向けアプローチ

  • まずは正しいフォームの習得に集中

  • 軽~中程度の重量で8-12回を目安に開始

  • 2-3週間かけて徐々に負荷または回数を増加

2. 中級者向けプログラム

  • 両方のアプローチを組み合わせたピリオダイゼーション

  • 4週間の重量漸増フェーズ

  • 4週間の回数漸増フェーズ

  • 定期的な最大筋力テスト

3. 上級者向け戦略

  • 目的に応じた使い分け

  • 筋力向上期:重量漸増アプローチ

  • 筋持久力向上期:回数漸増アプローチ

  • 回復期:軽量高回数での調整

トレーニング実施上の注意点

  1. 安全性の確保

  • どちらの方法でも、適切なフォームの維持が最重要

  • 疲労度に応じた適切な休息期間の確保

  • 定期的なディロード週の設定

  1. 進行管理のポイント

  • トレーニング記録の継続的な記録

  • 体調や疲労度のモニタリング

  • 3-4週間ごとの進捗確認

  1. 栄養面のサポート

  • 十分なタンパク質摂取(体重1kgあたり1.6-2.2g)

  • トレーニング前後の適切な栄養補給

  • 十分な水分補給

まとめ

この研究結果は、筋力トレーニングにおける重要な示唆を提供しています。重量増加と回数増加、どちらのアプローチも効果的であり、個人の目的や状況に応じて柔軟に選択できることが分かりました。

最も重要なのは、一貫性のあるトレーニングの継続です。自分に合ったアプローチを選択し、着実に進めていくことで、確実な結果を得ることができます。

定期的なプログラムの見直しと調整を行いながら、長期的な視点でトレーニングを継続することをお勧めします。

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