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ネガポジアングラー全話見終えての感想
どうも湯気(ユケ)です。
また長らく何も投稿できておらず、ネガポジアングラーの1話毎の感想もしばらく書けてなかったんですが、視聴は続けてきて最終回まで見終え、とりあえず全話見てきての感想だけでも書きたくなったので投稿させていただきます。
釣りアニメとしての当作品
私は、これまでも釣りを題材にしたアニメを色々見てきましたが、ネガポジアングラーはその中でも間違い無く1番好きな作品でした。
理由は色々ありますが、とにかく釣りという題材をどこまでも細かくリアルに描いてくれています。
映像面では、3Dを駆使した魚やルアーの動きが釣り好きの私から見ても本物を忠実に再現していると思えましたし、釣具も実在のものがモデルになっていて釣り人なら「おっ!」と思える瞬間が多々ありました。
内容面でいえば、現実に生きている釣り人の心情や考えを本当によく描いてくれています。
他の作品でも釣りの楽しさや奥深さを描いてくれているものは多くありますが、釣りの難しさ、釣り人として成長していく過程、人が釣りをする理由など、釣り人が見て深く共感できる要素を特に深掘りしてくれていたのがこの作品だと思います。
また、漫画原作などが無いオリジナルアニメということもあって1クール作品としてのまとまりがとても良かったです。
所謂「日常系」と呼ばれるような、ゆるめのタッチで最終回を迎えた後もまだまだ見ていたいと思うようなタイプとは違って、1クールの中でしっかりドラマが展開され、最後には視聴者がすっきりと完結を受け入れられるような作品だったと感じます。
この点も近年の釣りアニメでは珍しい気がしましたね。
ストーリーの感想
釣りがテーマの作品でここまで深く人間ドラマを描いてくれたのがまず驚きました。
主軸にあったのは、やはり常宏が人としても釣り人としても成長していく過程でしょう。
1話で「ありがとう」の一言も言えず、大きいシーバスをバラしていた彼が、最終話にランカーシーバスを釣り上げ、感謝の気持ちを伝えられたのです。
人としては、FXとギャンブルで借金を作ったうえ余命宣告もされて自分の人生に希望を持てなくなっていたところから、釣りを通じて知り合った人たちと関わり、助けられながらアルバイトもこなし、病気と向き合う決意もできました。
そして最初には伝えられなかった感謝の言葉も伝えられるように。
「どうせ死ぬから何やってもいいや」みたいな思考からここまで来たのは本当にすごい成長ですし、見てきた私たちも勇気を貰えました。
釣り人としては、最初からセンスがある人物として描かれていた常宏でしたが、やはりセンスだけでは中々上手くいかない部分が出てくる中で、研究と努力を続け、11話でとうとうシーバスを釣り上げ、最終話では憧れのランカーサイズをキャッチ。
センスがあるという描写が序盤で多かったですし、早いうちからガンガン釣って成功体験を積ませて人生に希望が持てるように… みたいな展開にも出来たんじゃないかと思うんですが、やっぱり実際の釣りってなかなか甘くないんですよね。
いくら才能があっても、釣れる潮や気候、場所に釣り方をしっかり学習していかなければなかなかそう簡単に釣れるものではありません。
この作品は、そういう釣りの難しさや釣り人が成長していく様子を描くことを重視してくれていた気がして嬉しかったです。
また、登場人物みんなに活躍の場があったのも好印象でした。
エブリマートの面々を見るに、この人数をみんな話に絡めるのは無理だろうと思っていましたが、毎回各キャラクターにフォーカスした話があって、空気になっているキャラが全然いなかったのがすごかったですね。
もちろん1クールという限られた尺なので、全員十分な掘り下げがあったとはいえませんが、それでもメインキャラ一人一人に活躍の場がありました。
喧嘩(?)も経てちゃんと話ができた貴明、釣りへの情熱が人一倍だったハナ、色々あったけど子供想いな町田店長、みんなに対してフラットでフレンドリーなアイス、釣りの深みを感じさせてくれた藤代さん、他にもこずえさんやアルア、借金取り3人など本当に色んなキャラクターに思い入れが生まれました。
終わり方
先にも書きましたが、本当に綺麗に完結したアニメだと思います。
劇的なサクセスストーリーでは無いけれど、地道で、でも着実な常宏の成長物語。
常宏の物語上の課題となっていた、感謝を伝えること、大物を釣り上げること、自分の病気・人生と向き合うこと。
これら全ての答えを違和感無く最終話に持ってきてくれて感動しました。
決して先延ばしにしたり中途半端な答えに逃げずにちゃんと示してくれたんだな、と感じます。
最後、2年後の様子を描いて幕を閉じましたが、率直にそこまで見せてくれたことに感謝。
まず常宏が生きてて、ちゃんと皆との関係も続いている。
貴明も元気そうで、エブリマートはもう辞めているとのこと。
病気が完全に治ったのかは分からないけど元気そうではあるな、貴明はコンビニを辞めてるあたり家族ともちゃんと向き合えた結果なのかな、など色々空白部を想像してしまいますね。
このパートが無かったら、視聴者目線これからの常宏たちがどうなるのか心配なまま終わってしまったかもしれませんが、それはそれで良い終わり方だと思うんですよ。
最終話エンディングが流れた瞬間「最高の締めだったな」と思いましたし。
でも、若干あったこれでもう終わるという寂しさや常宏たちが別れていく切なさが、最後のパートでスッと無くなって、明るい気分で終わることができました。
常宏がエブリマートを辞めるときに皆が明るく送り出してくれたように、このアニメは最終話まで見てきた私たちが暗い気持ちで終わらないようにしてくれたような、そんな気がします。
まとめ
本当にこの作品をリアルタイムで追えて良かったと思えるアニメでした。
制作陣に感謝。
見てたら釣りも行きたくなってきたので、また釣行記も書けたらと思います。
では。
引用元
ヘッダー画像:公式サイトトップ
https://np-angler.com/index.html